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2012年12月16日 (日)

大河ドラマ平 清盛・(49) 〜盛者必衰 清盛死す!?〜 双六が終わるとき

「還都の意向を示したそうでおじゃる!」

都帰りを決めた平 清盛。
夢の都・福原は幻と消えました。

「今は武士の世とは名ばかりの平家の世じゃ!」

源氏の挙兵、高倉天皇危篤による朝廷の混乱、
寺社の謀反を抑えるための南都焼き討ちなど、
平家を取り巻く状況はますます悪化。
世の乱れは収まりません。

「天は……平家を見放したのじゃ」

そこに“あの男”が帰って来ます。
後白河法皇です。

清盛は、追いつめられていました。


平家にとって憂鬱な年明けとなった、治承5(1181)年1月。

棟梁・平 宗盛の館で年明けの祝いの挨拶を受ける清盛ですが、
そこに、鎮西の菊池隆直や伊予の高野通信らが
平家に反旗を翻して謀反を起こしたとの急報が。
さらに、春日大社に逃げた南都の僧たちが
焼き討ちを行った平 重衡を出せと騒ぎ出しているようです。

清盛は、京近くにある国々と近江・伊賀、伊勢、丹波の
軍勢を統べることのできる惣官職を設置することにします。
新たな役職の設置は、公卿たちの反発を受けそうな気がしますが、
そこは高倉上皇の名を借りて発令するので、問題ありません。

が。
その高倉上皇は、1月14日
わずか21歳という若さで崩御。
后・徳子を案じながらの崩御であります。

それはつまり、後白河法皇が治天の君として
政治の世界に戻ってくることを意味しておりました。

ニヤリ ( ̄ー+ ̄)

1年あまり、鳥羽離宮において幽閉され続けた法皇でしたが、
まずまず楽しかったそうです。
ただ、清盛が目指した新しい都・福原を
しっかり見られぬまま都帰りしてしまったことだけが
法皇の心残りです。

ピリリと効いた皮肉?

さらには、清盛が起こした「治承三年の政変」すらも
法皇にしてみれば予想できていたことであったとし、
清盛は、その法皇に愕然とします。


鎌倉に居を構えた源 頼朝のもとに
平家の家人たちが続々と降伏してきました。

梶原景時──。

頼朝が大敗を喫した石橋山の合戦で
追っ手から逃れるために洞窟の中に身を潜めていたところ、
この景時に見つかってしまいましたが、
「コウモリばかりで誰もおらぬ!」と見逃したあの武者です。

あの場で頼朝を捕らえていれば、
それはそれは大きな褒美がもらえたものを
何故見逃したのか、頼朝も気になるところです。

「天下を治める器のお方と、見極めましてございます」
景時は、御家人として名を連ねることになります。

御家人たちは、主家に何かあったときには命がけでこれを守り、
主家は、御家人たちの働きを認めて彼らを守る。
これが後々の“御恩と奉公”につながっていくわけですね。

ともかく、この時代にはなかった仕組みが
頼朝の手で次々と生まれようとしておりました。

北条政子も北条時政も、
何もできなさそうな青白き若武者と思っていた頼朝が
今では立派に東国武士をまとめあげている姿に
感無量であります。


死出の山
 越える絶え間は あらじかし
  なくなる人の 数続きつつ

高倉上皇をしのぶ歌会で、招待された西行は
戦乱で多数の人々が亡くなったことを詠み上げ、
それこそが上皇の心労につながったと嘆きます。

その歌会の後、西行のもとに
姿は現さず、歌を詠む声だけ聞こえてきます。

西へ行く
 しるべと思ふ 月影の
  空だのめこそ かひなかりけれ

誰かと思えば、かつて待賢門院璋子に仕えた堀河局でした。
堀河局と西行は、確か恋の歌を送り合う仲であったわけですが、
今では片や坊主、片や白髪になってしまっております。

生きておられたのですか!? と驚く西行に
「失敬な」とトーンを低く返す堀河です。

今夜は、久々にふたりで歌合わせなどをして楽しむことにします。


頼朝が、武士の守り神である鶴岡八幡宮の
参道沿いを中心にした新しい町づくりに着手し、
住まいや道を整えて、御家人たちをそこに住まわせているそうです。

清盛は、かつて己が目指した新しい都・福原の
町づくりに着手した頃のことを思い出していました。
「港? ──作ればよい」
「あとは厳島の社じゃ。あれは海の守り神ゆえ」

清盛は、貴族の世が終わり
武士が覇権を争う時代に移ってきていることを実感します。

そこで清盛は法皇の元を訪れ、双六の勝負を申し込みます。
負けた方が勝った者の望みを聞くという勝負です。

清盛に子供が生まれたばかりの頃、
法皇がまだ雅仁親王と呼ばれていた頃が、
ふたりの出会いでありました。

「やがて公卿に上ったそなたは、わしをないがしろにし始めた」
「“ないがしろ”とは人聞きの悪い。付かず離れずということ」

いろいろな出来事を共有してきたふたりですが、
今、初めて本音同士でぶつかっているような気がします。

夜が明けてもなお勝負が続き、ついに決まりました。
清盛の勝ちです。

「何が望みじゃ」
「双六、本日を以て最後としていただきとうございます」

今や武士は王家の犬ではなく
力ない朝廷に代わって武士が頂に立つ世であることを
法皇に告げます。


「しかし、暑いのう……」
1月27日。
清盛は、突然の熱病に冒されて危篤に陥ります。

──────────

作:藤本 有紀
音楽:吉松 隆
題字:金澤 翔子
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松山 ケンイチ (平 清盛)
松田 翔太 (後白河法皇)
藤木 直人 (西行)
深田 恭子 (時子)
森田 剛 (平 時忠)
藤本 隆宏 (伊藤忠清)
田口 浩正 (平 貞能)
西島 隆弘 (平 頼盛)
梶原 善 (平 宗清)
窪田 正孝 (平 重衡(回想))
宇梶 剛士 (源 頼政(回想)) ※ クレジットでは「平頼政(回想)」
加藤 浩次 (兎丸(回想))
(※ 西島〜加藤:ピンクレジットなし)
──────────
岡田 将生 (源 頼朝)
杏 (政子)
塚本 高史 (藤九郎)
神木 隆之介 (源 義経)
青木 崇高 (弁慶)
──────────
りょう (堀河局)
遠藤 憲一 (北条時政)
上川 隆也 (平 盛国)
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制作統括:磯 智明
    :落合 将
プロデューサー:櫻井 壮一
演出:渡辺 一貴


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『平 清盛』
第50回「遊びをせんとや生まれけむ」(最終回)

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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