プレイバック新選組!・(17)はじまりの死
会津本陣の金戒光明寺に集められた壬生浪士組は
京都守護職の会津藩主・松平容保の訓示を受けます。
足利将軍三代の木造の首をさらしたり
将軍に「征夷大将軍!」と無礼にも声をかけたり
容保は、ことあるごとに幕府に楯突く
長州藩のやることが解せません。
見方にとっては“こんなこと”程度なわけですが、
将軍家を軽んずるということは
その将軍に任じた帝をも軽んずることになります。
そんな中での壬生浪士組の結成は
容保にとっては願ってもない話であり、
芹沢 鴨や近藤 勇ら浪士組の活躍に期待しているところです。
(つね宛の手紙が江戸に到着する3日前の)
文久3(1863)年3月25日・京──。
土方歳三の提案で
壬生浪士組の長を決めることにします。
根岸友山が立候補したかと思えば
浪士取扱・佐々木只三郎から送り込まれた殿内義雄も
「芹沢や近藤らの好きにさせぬ」という義務感から立候補。
新見 錦は、鴨や勇のどちらかがなるべきと言うと
粕屋新五郎は、自分には関係ないことだと中座する有様で、
やはり寄せ集めだけあって、出だしから歯車が噛み合いません。
……っとその前に、鴨は
その「壬生浪士組」という名前にも不快感を示します。
「誠忠浪士組」がいいのだそうです。
表の立て看板も、「壬生浪士屯所」を取っ払い
鴨が主張する「誠忠浪士屯所」に架け替え。
道ばたに捨てられていたその立て看板を見つけた歳三は
原田左之助に新しい立て看板を付け替えさせます。
左之助は、歳三の指示通りたくさんの釘で
「壬生浪士屯所」の立て看板を外せないように固定します。
ちょうどその時、
浪士たちが早く撤収するようにとお参りして帰ってきた久が
ふらふらと身体の調子を悪くしたようで、
左之助は久をおぶって台所まで連れて行きます。
その時に見た顔が、死んだじいさんにそっくりだったと
途端に原田にだけ優しくなります。
浪士たちにあれだけ厳しかったお人なのに(笑)。
勇らは、町内をぐるりと見回りし
なじみの甘味屋で一息つきます。
しかし、斎藤 一は甘いものが苦手らしく
仕方ないので店の外で待っていることにします。
そこへ、誰かに追われているらしい女がひとり。
斎藤が店の中に導き入れると、
女は勇の背中に隠れて脅えています。
女を追ったであろう武士たちも
店の中になだれ込んできました。
聞けば、通りを歩いている時に肩がぶつかったらしく
それで追う追われるということになったらしいです。
勇たちはまたたく間に武士たちを仕留めるのですが、
その女もまたたく間に消えていなくなってしまうわけです。
「……そっけない」
会津藩の面々と壬生浪士組の面々の親睦も兼ねて
壬生狂言を鑑賞することになりました。
ついでに、壬生浪士組の立て看板に戻しておいた旨を
歳三は鴨に報告したわけですが、
かけてあったはずの看板を新見が取り出します。
「ずいぶんと釘を無駄にしたようだな」
この闘い、どうなることやら(^ ^;;)
いつも顔色の悪い阿比留鋭三郎ですが、
この日はさらに顔色が悪いようです。
気分が優れないので一旦下がる阿比留ですが、
根岸と殿内が男と話しているのを目撃します。
──大坂で隊士を募れ?
──芹沢の目の届かないところで集めろ?
阿比留は目を細めて、その一部始終を見ます。
狂言鑑賞が行われている最中、
阿比留は急いで戻り歳三にことのあらましを伝え、
歳三から勇と鴨へそのまま伝えられます。
鴨は「斬る」と言っていますが、浪士組旗揚げの今
仲間内での斬り合いは避けなければなりません。
勇は、壬生浪士組の一員として働いてもらうように
殿内を説得します。
狂言鑑賞が終わり、会津藩公用方との会合も終わった後
鴨たちはいつものように呑み直しに出かけます。
用を足しに店の外に出た鴨ですが、
そこで、誰か男と合流している殿内を見かけます。
──翌朝、殿内の死体が発見されました。
表に、勇宛の殿内からの置き手紙がありました。
それによれば、考えに考えた結果
殿内は一旦江戸へ下り、佐々木に全てを打ち明け
改めて上洛して壬生浪士組に加わりたいとありました。
尽忠報国のため、身命を投げ打つ所存──。
「間違えるだろうが! 誰だって!」
鴨は、殿内惨殺を直接は認めませんが、
殿内が旅の格好をしていたために
てっきり仲間を集めに大坂に行くもんだと勘違いし、
勇が騙されていると思ったと認めます。
歳三は、奉行所に届けるという勇をなだめます。
今、仲間内でゴタゴタがあると世間に知れれば
会津藩の信頼は一気に落ちてしまいます。
鴨を失うこともできません。
鴨は会津藩の信頼が最も厚い男なのです。
隊士たちには、殿内殺害の下手人は不明と伝えます。
しかし、それが逆に反発を招いてしまいます。
つまり、その場にいるものは
芹沢が殺したことは明白であるにもかかわらず
下手人が不明だという近藤に不信感を募らせたわけです。
壬生浪士組から、粕屋新五郎や
根岸友山一派が脱退していきました。
さっそくの分裂です。
──────────
文久3(1863)年3月25日、
殿内義雄が京都四条大橋で闇討ちに遭い落命。
慶応3(1867)年11月18日、
新選組から分裂した御陵衛士を粛清する『油小路事件』まで
あと4年8ヶ月──。
作:三谷 幸喜
音楽:服部 隆之
題字:荻野 丹雪
版画:木田 安彦
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[出演]
香取 慎吾 (近藤 勇)
藤原 竜也 (沖田総司)
山本 耕史 (土方歳三)
優香 (お幸)
オダギリ ジョー (斎藤 一)
中村 勘太郎 (藤堂平助)
山本 太郎 (原田左之助)
堺 雅人 (山南敬助)
山口 智充 (永倉新八)
小林 隆 (井上源三郎)
吹石 一恵 (八木ひで)
松金 よね子 (八木 雅)
正司 歌江 (久)
生瀬 勝久 (殿内義男)
奥村 公延 (根岸友山)
相島 一之 (新見 錦)
──────────
筒井 道隆 (松平容保)
伊吹 吾郎 (粕屋新五郎)
伊原 剛志 (佐々木只三郎)
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鈴木 京香 (お梅)
佐藤 浩市 (芹沢 鴨)
伊東 四朗 (八木源之丞)
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制作統括:吉川 幸司
演出:伊勢田 雅也
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