プレイバック新選組!・(24)避けては通れぬ道
壬生浪士組の中にあって、
トラブルメーカー・芹沢 鴨を問題視し除外する動きがあれば、
組の顔ということでそれに反発する者もおり、
それですら足並み乱れております。
鴨が素直に組を離れてくれれば事は簡単なのですが、
そう容易くはないでしょう。
井上源三郎が言っていました。
人の上に立つ者、そうでない者。
人の上に立ってはいけない人が人の上に立つというのは
実に不幸なこと。
しかしもっと不幸なのは、人の上に立たねばならぬ人が
人の上にいないということ──。
その言葉を、近藤 勇は深くかみしめます。
文久3(1863)年9月13日・京──。
法度
一、局ヲ脱スルヲ不許
一、勝手ニ金策致不可
一、勝手ニ訴訟取扱不可
一、士道ニ背キ間敷事
右条々相背候者切腹申付ベク候也
土方歳三は、隊士がやってはならないことを箇条書きにし
これを鴨に目を通してもらいます。
仮に背いた場合は──切腹。
これはつまり、裏を返せば
隊士を武士として扱うことの表れでありまして、
それだけの覚悟を持って望めということです。
しかし、鴨とともに話を聞いていた新見 錦は
「士道ニ背キ間敷事」が曖昧な表現だと指摘。
それについて歳三は茶店に新見を呼び出します。
「あの法度、ある人物を体よく葬るためのものでしてね」
大和屋事件の責めを芹沢がすべて新見に背負わせたお陰で
新見は副長に格下げ、謹慎を食らうというトバッチリです。
歳三は、新見の人物を芹沢以上、近藤以上だと持ち上げます。
その上で、鴨を浪士組から外すように会津藩から催促を受けていて
実際に外れることになったとき、
鴨の知恵袋である新見も自ずと外れることになるでしょう。
でも、新見は鴨と一心同体というわけでもなさそうです。
仮に鴨が抜けることがあっても、
それは自分とは関わりないことと考えています。
夜、歳三と山南敬助、そして新見の3人で
鴨をハメて切腹に追いやるために談合します。
八木家の元奉公人・佐伯又三郎殺害の件ですが、
物取りのしわざに見せかけておりました。
しかし、又三郎の懐から取っておいた巾着は
いま新見の手元にあります。
その巾着を鴨の部屋にでも置いておき、
動かぬ証拠としてでっち上げようというわけです。
仮にハメられたと騒いだところで、
実際に又三郎を斬ったのは鴨なんだから仕方ないことです。
──という話の一部始終を、鴨本人に隣室で聞いてもらいました。
「そんなつまらん細工はいらん、又三郎を斬ったのはオレだ」
鴨は又三郎殺しの一件をあっさり認めます。
鴨は鴨で、今回作成した法度に違反したことにはなりますが、
法度ができる前の話だけに
そこまで遡る必要があるのかということはあります。
今回は、実はもう一人法度を破った者がおります。
長年連れ添った仲間を利害で裏切り、証拠をでっち上げようとした
武士にあるまじき行動に出た者──。
「あンたのことだよ、新見さん」
足元すくわれないよう、精々気をつけることだな……。
新見は切腹させられました。
屯所に戻ってきた鴨は、お梅の隣で寝ていた総司を
さんざん殴りつけて折檻し、荒れに荒れております。
「新見が死んだ……次はオレだ」
そんな事件が起こっていることを知らず、
勇は源三郎と深雪太夫の接待を受けています。
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文久3(1863)年9月13日、
新見 錦が祇園新地の料亭山緒で切腹させられる。
慶応3(1867)年11月18日、
新選組から分裂した御陵衛士を粛清する『油小路事件』まで
あと4年2ヶ月──。
作:三谷 幸喜
音楽:服部 隆之
題字:荻野 丹雪
版画:木田 安彦
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[出演]
香取 慎吾 (近藤 勇)
藤原 竜也 (沖田総司)
山本 耕史 (土方歳三)
優香 (深雪太夫)
オダギリ ジョー (斎藤 一)
中村 勘太郎 (藤堂平助)
山本 太郎 (原田左之助)
堺 雅人 (山南敬助)
山口 智充 (永倉新八)
小林 隆 (井上源三郎)
照英 (島田 魁)
中村 獅童 (滝本捨助)
吹石 一恵 (八木ひで)
相島 一之 (新見 錦)
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江口 洋介 (坂本龍馬)
鈴木 京香 (お梅)
佐藤 浩市 (芹沢 鴨)
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制作統括:吉川 幸司
演出:清水 一彦
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