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2013年4月19日 (金)

プレイバック新選組!・(30)永倉新八、反乱

報奨金600両が幕府から新選組に出されました。

禁門の変では、新選組はさしたる働きもできませんでしたので
一旦は辞退する近藤 勇ですが、
これはその前の『池田屋事件』の報奨金です。

池田屋の一件があったればこそ、
今回の禁門の変で長州を叩き潰すことができたわけで
きっかけ作りと考えれば、決して“働きがなかった”わけではないです。

壬生村に屯所を置いて一年半。
ともかく、新選組としての活動が
幕府に認められたと捉えることもできるので、
新選組としてはとてもいいことであります。

その夜、勇は土方歳三と静かに祝杯をあげます。


元治元(1864)年8月20日・京──。

歳三の提案で、報奨金を手当てとして
隊士で分配することになりました。
今で言うところのボーナスですな(^ ^)

池田屋事件にかかわった者は、
屯所に居残ったものを除いて10両ずつ。

これをベースに、局長にプラス20両、
始めに池田屋に踏み込んだ勇班にプラス10両、
次に池田屋に踏み込んだ歳三班にプラス7両、
最後に駆けつけた松原忠司班にプラス5両。

勇は「こういうのは公平にした方が」と主張しますが
歳三はポンポンと決めてしまいます。

しかし、役割によって手当に差があることは
すぐに隊士に知れ渡ってしまいます。
旗手として屯所に残っていた尾関雅次郎はゼロ。
それなりに役目を勤めていたと思っていたのですが……。

そういえば、山南敬助も屯所に残っていたのでゼロ。
隊を離れておまさを助けに行った原田左之助には
手当云々以前に、謹慎処分が下りました。

そんな、隊士たちが恩賞に
喜んだり悲しんだりしている姿を目の当たりにして、
永倉新八は何かが違うと首を傾げています。


歳三は、新選組をもっと大きくするために
仕組みを変えようとしています。

局長近藤 勇、副長土方歳三の下に一番組から十番組があり、
それぞれに副長助勤というリーダーがいて
平隊士がそれぞれ10人ずつ。

沖田総司には一番組副長助勤をお願いするつもりですが
そのためには、まずは身体を治してもらう必要があります。

「元気なヤツは、血なんか吐かねえ」
歳三は、山崎 烝に総司の身辺を洗ってもらったわけです。

始めこそ、引きつったまま何も言えなかった総司ですが
そこまで調べがついているなら、と正直に明かします。
「労咳みたいです」


二番組以降も、副長助勤が固まります。
二番組長・永倉新八、三番組長・斎藤 一、四番組長・松原忠司、
五番組長・武田観柳斎、六番組長・井上源三郎、七番組長・谷 三十郎、
八番組長・藤堂平助、九番組長・鈴木三樹三郎、十番組長・原田左之助──。

永倉は、承服できないと言い出します。
勇について行くというのはウソではありませんが、
これでは勇と歳三の下にいる家来のような扱いです。

しかも、ここに総長の山南の名前がないということは
歳三の独断で、楯突きそうな人物を排除したとも捉えられます。
言いなりになる連中を側に置き、意見の異なる者を遠ざける。
そこにこの隠れた問題がありそうです。

山南としては、歳三に一任している以上
何も言うことはないわけですが、
新選組として利害関係なくここまでやってこれたのは
ひとえに勇の分け隔てない人柄であって、

それを「局長」と担ぎ上げて力を集中させてしまっては
勇の人柄も権力という名の力に消えてしまい、
勇自身もとても苦労してしまうのではないか。
山南はそこを心配しています。

気分を害した歳三は、
せっかく作ったその系統図をピリピリに破り捨てます。

近所のガキを集めて遊びに行くような気分でいられては
新選組はいつまで経っても時代に乗っていけません。
下らないその仲間ごっこをやめてほしい。
新選組は、今や引き返せないところまで来てしまっているのです。

「芹沢を斬った時からオレたちは変わったんだ!」
その一言で、永倉に火が着きます。

永倉は、芹沢と同じ神道無念流の免許皆伝で
親しくしていたこともあり、
芹沢が仲間内で殺されたらしいという噂を聞いて
勇に糺しましたが、当時は「違う」とハッキリ答えました。

あの時はこうするよりなかった、と弁明するのも聞かず
永倉は脱退を言い出します。

その場しのぎでやってきたことのツケが
今ここに集中して回ってきたようです。


永倉は、山南の入れ知恵で
松平容保に建白書を提出し、容保から勇に諭す形で
勇の目を覚ましてもらおうという魂胆です。

もし勇の目が覚めなければ、
その時は脱退し江戸に帰るまでです。

集まったのは永倉と島田 魁、原田、斎藤 一、
尾関雅次郎、葛山武八郎の6名。

ただし斎藤は、誘われた直後に
この行動について勇に密告をしていますので
スパイというところです。

建白書を持って、6人が容保に直談判に来ました。
しかし同時に、勇もその場に来ていたわけです。
容保の勧めで、永倉は
勇と腹を割って話すように諭されます。

下座についた勇は、彼らに手をつき謝罪します。
その上で、歳三のことに対しても理解を求めます。
「あいつの胸中には新選組のことしかないのだ」

これにて、一件落着!
容保は、永倉が出した建白書を破り捨てます。

──────────

元治元(1864)年8月、
我がままな振る舞いが目立つ近藤 勇に遺憾を感じた永倉新八らが
会津藩主松平容保に非行五ヶ条を提出。


慶応3(1867)年11月18日、
新選組から分裂した御陵衛士を粛清する『油小路事件』まで

あと3年3ヶ月──。


作:三谷 幸喜
音楽:服部 隆之
題字:荻野 丹雪
版画:木田 安彦
──────────
[出演]

香取 慎吾 (近藤 勇)

藤原 竜也 (沖田総司)
山本 耕史 (土方歳三)

オダギリ ジョー (斎藤 一)
山本 太郎 (原田左之助)
堺 雅人 (山南敬助)
山口 智充 (永倉新八)
小林 隆 (井上源三郎)
八嶋 智人 (武田観柳斎)
照英 (島田 魁)

吹石 一恵 (八木ひで)
笹野 高史 (孝庵)
──────────
麻生 久美子 (おりょう)
戸田 恵子 (お登勢)
宇梶 剛士 (大島吉之助(西郷隆盛))
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筒井 道隆 (松平容保)

江口 洋介 (坂本龍馬)
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制作統括:吉川 幸司
演出:山本 敏彦

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