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2013年5月 5日 (日)

大河ドラマ八重の桜・(18)尚之助との旅

「お主の目は節穴か!」
「外を見ろ! 世界に目を向けてみろ!」

日本が内乱をしていては、
西洋列強にたちまち食いつぶされてしまう。
勝 海舟は、かなりの危機感を持って
山本覚馬や山川大蔵を説得します。

そして、松平春嶽は西郷吉之助と対面し
薩摩がどうして長州の赦免に精力的に動くのかを聞いてみます。
「幕府の一人天下の世に戻さんためにございもす」
共和政治か、と春嶽はニヤリ。

国のあり方──。

薩摩・長州・土佐(の一部)といった西国諸藩が目指す共和政治と
将軍家・越前藩といった徳川家を頂点とする幕府政治とは
徳川慶喜の出現により対立が鮮明となりました。

武士の棟梁に相応しい将軍が強い幕府を率いてこそ
諸藩は服従し国は一つにまとまる──。
慶喜は力を込めて松平容保らに説きます。

しかし、慶喜に将軍に就かれては困る、というのは
岩倉村でくすぶっていた公家の岩倉具視。
薩摩藩は岩倉と組み、朝廷を味方につけていきます。


会津の川崎尚之助は、奥州の入口となる会津の
要である白河に出向き視察してくることにします。
そして八重は、なぜか尚之助について来たわけですが(笑)。

慶応3(1867)年 秋。

──背炙峠(せあぶりとうげ)。
ただひたすらに上り坂が続く峠道で
尚之助は息切れし、その場に座り込んでしまいます。

遠足気分で、ルンルンついてきた八重は
尚之助よりもはるか先を歩いていますが、
尚之助をリードするという勇ましさ(^ ^;;)

ふたりは猪苗代湖の南に着きます。
ここからは湖面が果てしなく続き
その先には磐梯山が見渡せます。

いざという時には背炙山に大砲の鋳造所を作ろうと
かつて覚馬と話した尚之助でしたが、
猪苗代湖を見ながら、その鋳造した大砲を
船でどこまで運べるかを想像していました。

会津はいま、幕府の矢面に立ちすぎている部分があります。
もし幕府に対して反乱の兆しがあった場合
真っ先に攻撃を受けるのは会津である可能性は高いです。
尚之助は、そのために視察の旅をしているわけです。


謹慎処分を食らい、
蝦夷地代官として左遷されていた秋月悌次郎が
都の容保の元に呼び戻されました。

そして外国奉行について
ドイツ・フランス・ロシアと回ってきた山川大蔵も
帰国して容保の元に戻ってきました。

これからの京がどうなるか分からない時に
秋月と大蔵が戻ってきたというのは心強いです。


白河の関は、奥州の者が
都に攻め入るのを防ぐために造られたのですが、
関を越えて攻め込むのはいつも南側の人間というのは
実に皮肉なことです。

白河から二本松へ入った尚之助と八重は
そこで銃術を教える道場を覗いてみます。

二本松でも会津と同じように
ゲベール銃や火縄銃といった時代遅れの銃を使っていまして
新式銃で対抗された場合を考えると、心配の種ではあります。

八重がお手本として銃を撃つことになり
生徒の少年たちは、女が銃を扱えるはずはないと笑いますが、
構えから発射まで姿勢はピクリとも動かず、
しかも小さな的に命中までします。

子どもたちのバカにした目が、みるみる尊敬の眼差しに。
もてはやされて、八重も少しは気分がよさそうです(笑)。


薩摩から兵1,000が大坂に入りました。

もちろん、大軍を率いて大坂入りするということは
将軍家を脅して政権を手放させるのを目的としているわけですが、
薩摩の真意がすぐには理解できない将軍家も困り者ですが
薩摩は薩摩で順風満帆かと言うとそういうわけでもなさそうです。

薩摩に横やりを入れて来たのは、あろうことか土佐です。
薩摩と同調して兵を送り込むことはできなくなったと言うばかりか
山内容堂が慶喜を説得するので
薩摩にも兵を引くように言って来たわけです。

西郷吉之助は、土佐に丸め込まれる前に
先手を打つ必要が出てきました。

各国公使が神戸開港の表敬訪問に来た際に慶喜に対応されては
諸外国から見ても慶喜が日本の長であると認知されたも同然なので
その神戸が開港する12月7日を期限とし、
政権返上を慶喜に要求することにします。

もちろん、薩摩だけではそれが成せるわけではないので
朝廷にも動いてもらうことにします。

しかし、桂 小五郎あらため木戸孝允は
薩摩が土佐と手を組んだことを快く思っていません。

無論、それが薩摩にとっても得策と踏んでのことですが、
容堂の説く大政奉還は、単に徳川の生き残り策に過ぎないため
それが分かった今、土佐と手を切るつもりでいます。
あとは、土佐よりも早く大政奉還に動くことです。

そうと知って、木戸は頷くしかありませんでした。


覚馬は、買い付けたツェントナーデル銃1,000丁ですが
少し後悔しだします。

いや、買い付けたことは後悔も何もしていないのですが、
あまりに薩摩の動きが速すぎるので、
まずは旧式銃でも何でも揃えるべきだったかと
悔やんでいるわけです。

♪ええじゃないかええじゃないかええじゃないか!
 ええじゃないかええじゃないかええじゃないか!♪

その人垣の向こうに、ぼやけながらも西郷の姿を認めた覚馬は
彼を追いかけようとしますが、
ええじゃないかの波に阻まれて、なかなか先に進めません。
「西郷! にしゃ何を企んでる!?」

振り返る吉之助は、覚馬と目が合いつつ
そのまま背中を向けて立ち去って行きます。

会津の者じゃ、ひとつやっちゃるかと
刀を突き出す者が潜んでいましたが、
その突然の襲撃から助けてくれた男がいました。
大垣屋の清八です。


尚之助が鶴ヶ城に呼び出され
日新館砲術師範13人扶持で召し抱えと決まります。

本来であれば外聞もあるので、これまでのように
蔵の2階に住まわせるというわけにもいかないのですが、

銃の学問をするにも実践するにも
山本家のほうが都合がいいという尚之助に
山本権八は少し安心したような表情を浮かべます。
「んだら、しかたねえか?」「んだなし」


尚之助が八重と旅して視察して回った
白河街道や二本松街道のことを神保内蔵助に報告。

内蔵助も、大砲を使った戦を目の当たりにしているので
尚之助が主張することを考えて行かねばならないと
分かってはおりますが、何ぶん会津には金がありません。

不況、大火の出費に加え、京都で金を使いすぎております。
だからすぐには銃改革はできないと言うのです。

「分かんべ」と言われ、ついノドから言葉が出かかりますが
それを言っては覚馬の二の舞になる、と
ゴクリと呑み込みます。

尚之助は、例え金がなくてもできることがあるはずだ、と
今度は日光口と越後口を回ることにします。
「一つダメなら、また次の手を打つまでです」


10月初頭、岩倉は
大久保一蔵に詔書(の予定の紙)を見せます。

賊臣慶喜を殄戮(てんりく)し、速やかに回天の偉勲を奏し……。

この、慶喜を殺せという勅命は
近いうちに長州と薩摩に下る予定です。
更に、京都守護職と所司代を討つ勅旨も
同時に出る手はずです。

そして彼ら朝敵を撃つ旗印として
錦旗の下書きも大久保に見せます。

ただし、一歩間違えば
こちら側が逆賊となって真っ逆さまとなります。
岩倉は、ナゾめいた笑みを残していますが
大久保は厳しい表情のままです。


10月4日・二条城。

土佐の後藤象二郎が、老中の元に
容堂の建白書を届けに来ました。
大政奉還の建白書です。

将軍家にとってもいいことである大政奉還について
邪魔者が出ないよう、暴発する者が出ないよう
後藤は会津藩に助力を求めます。

政権を持っているから討たれる。
政権を手放せば討たれる心配はない。
いま政権を返上されて困るのは
独自の兵を持たぬ朝廷自身であります。

慶喜は、容堂の意見を聞き入れることにしました。

将軍が政権を朝廷に返上すれば
それすなわち幕府がなくなることを意味しておりまして、
幕府の矢面に立って来た会津にとっては
あまりの衝撃に言葉を失います。

──────────

慶応3(1867)年10月3日、
土佐藩は大政奉還の建白書を将軍徳川慶喜に提出する。

明治39(1906)年4月1日、
篤志看護婦としての功績により
皇室以外の女性として初めて『勲六等宝冠章』を受章するまで


あと38年6ヶ月──。


作:山本 むつみ
テーマ音楽:坂本 龍一
音楽:中島 ノブユキ
題字:赤松 陽構造
語り:草笛 光子
──────────
[出演]
綾瀬 はるか (川崎八重)
西島 秀俊 (山本覚馬)
長谷川 博己 (川崎尚之助)
風吹 ジュン (山本佐久)
松重 豊 (山本権八)
長谷川 京子 (山本うら)
玉山 鉄二 (山川大蔵)
斎藤 工 (神保修理)
綾野 剛 (松平容保)
──────────
小泉 孝太郎 (徳川慶喜)
北村 有起哉 (秋月悌次郎)
岡田 義徳 (広沢富次郎)
徳重 聡 (大久保一蔵)
小堺 一機 (岩倉具視)
──────────
津嘉山 正種 (神保内蔵助)
柳沢 慎吾 (萱野権兵衛)
佐藤 B作 (田中土佐)
──────────
及川 光博 (木戸孝允)
吉川 晃司 (西郷吉之助)
反町 隆史 (大山弥助)
松方 弘樹 (大垣屋清八)
──────────
制作統括:内藤 愼介
プロデューサー:樋口 俊一
演出:一木 正恵

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『八重の桜』
第19回「慶喜の誤算」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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