プレイバック新選組!・(34)寺田屋大騒動
──回想。
江戸の千葉道場にて剣術の稽古に汗を流す山南敬助。
「私はこの道場を離れようと思います」と
山南が道場塾頭に打ち明けたのは
近藤 勇の祝言のその日でした──。
翌日、正式に千葉道場を辞めたわけですが、
そんな想いで試衛館の門人になった山南が
まさかこんなことになっていようとは、
山南を尊敬して止まなかった藤堂平助は位牌に手を合わせます。
京の寺田屋で、沖田総司は
山南から預かった紙を坂本龍馬に手渡します。
そこには、ただ「託す」とありました。
「私は近頃思うのです。
つまるところ、この国を動かすのは考え方や主張ではなく
人と人とのつながりなのではないでしょうか。
だからこそ、藩に属さず
一つの考えにこだわらないあなたのような人が
日本にはなくてはならないのです」
切腹前、山南が龍馬に言った言葉が頭をグルグルと回ります。
元治2(1865)年3月5日・京──。
勇は、ひいきにしていた芸者の深雪太夫を
身請けするかどうか悩んでおります。
山南があれだけ穏やかに死を迎えられたのも、
明里という遊女を身請けしたからのような気がするのです。
土方歳三は「いっちまえよ」とけしかけますが、
子どもっぽさが残る総司は、
つね(勇の妻)に手紙で言いつけると言っています。
そのつねと、沖田みつが京に遊びにきました。
あまりの突然さに、目が飛び出るほど驚く総司です。
いや、驚いたのは突然の訪問でもあるのですが、
こんなときに勇は、深雪太夫の身請けに
伏見へ出かけているのです(^ ^;;)
しかも、事もあろうに勇を驚かしたい一心で
みつが伏見に行ってみたいなんて言い出すものだから、
「行かない方がいいよ」と事情を知る総司と
「行ってくりゃいいじゃねえか」と
事情を知っててもその中身に気づかない
原田左之助のプチバトルが始まります。
案内する! と言い出す永倉新八、
駕篭を出す! と言う武田観柳斎。
何れにしても、今は余計なことを言うと
総司は苦虫をかみつぶした表情です。
「駕篭代だって馬鹿にならないんだから!」という総司の一言で
仕方ないからここで待つか、という感じになってきたのですが、
勇とつねの婚礼の日に借りた5両を斎藤 一が律儀にも返しにきまして、
その5両で駕篭を呼ぶことにしたわけです。
余計なことを……。
総司につぶやかれて、何のことだか分からない斎藤です。
西本願寺から藤堂に呼び戻された歳三は
あと一歩のところで、
寺田屋に向かったみつとつねとすれ違います。
歳三は、そのまま伏見の寺田屋へ急行するのですが、
特に悪いことをしたわけではないのに、
ひどくがっかりしている斎藤。
総司に全容を聞いたのかもしれませんね(^ ^)
深雪太夫、もといお幸を乗せた船が到着したと
寺田屋の女将・お登勢が教えてくれました。
勇の代わりに井上源三郎が出迎えに出かけるのですが、
お幸の姿を見つけ、寺田屋に案内しようとすると
寺田屋の入口に、あろうことかみつとつねが陣取っているわけです。
察してくれ、と懇願する源三郎に
「この登勢に、お任せください」と胸をポンとたたいたお登勢。
あれ、お登勢は新選組は嫌いではなかったの?(笑)
ともかく、お登勢の計らいで
お幸の部屋とは別の部屋に、みつとつねを通します。
勇は、お幸の大好物である大福を買って戻ってきました。
しかし部屋で待っているのがみつとつねだったものだから
当然ながら言葉を失います。
大福は誰に買って来たの? というみつの鋭いツッコミに
源三郎が無理して大福をほおばるわけですが、
その様子にも、勇の表情にも
イマイチ腑に落ちないところがあるつねです。
キラリと目が光ります。
その間、同じ寺田屋の別の部屋では
坂本龍馬が、藤堂平助を遣って桂 小五郎を呼び出し
長州と薩摩が手を結ぶことを提案しています。
薩摩が憎い桂は、首を縦には振りません。
龍馬の考えに呆れた桂は、捨助を伴って帰っていくのですが
二人はみつに見つかってしまいます。
勇がこの宿屋にいるという情報は龍馬から聞いているので
「桂さーん!」というみつの叫び声を何とか止めたいわけですが、
みつを黙らせる方法を、思いつきます。
「近藤 勇のお妾さんが、この宿のどこかにいるらしいですよ」
……ついに、見つかってしまいました(^ ^;;)
が、お幸を身請けしたのは勇ではなく源三郎だと
最後の最後まで悪あがきをするのですが、
運悪く、そこへ歳三が飛び込んできます。
「違うんだ! その女は、オレを追いかけてきたんだ」
ここで、“恋敵”の源三郎と歳三がケンカをするわけですが、
自分のためにここまで演技してくれると
勇はもう居たたまれなくなりました。
お幸を身請けするに至った経緯と心のうちを勇から聞いたつねは
お幸と二人きりになり、女同士で話し合います。
妻ともなれば、夫がウソをついたときぐらい
容易に判断がつきます。
勇がお幸を京に呼んだのは、お幸を愛しく思うからです。
昔からの友人を亡くした際、勇はひどく傷ついたでしょうに
妻として側にいてあげることができませんでした。
側にいたのは、目の前にいる深雪太夫です。
つねには、江戸の道場を守る役目がありますので、
妻としての役割を、お幸にお願いして手をつきます。
「そばにいてあげてください……近藤 勇を、よろしくお願いします」
勇が京にいる間だけ、という約束です。
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作:三谷 幸喜
音楽:服部 隆之
題字:荻野 丹雪
版画:木田 安彦
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[出演]
香取 慎吾 (近藤 勇)
藤原 竜也 (沖田総司)
山本 耕史 (土方歳三)
優香 (深雪太夫(お幸))
オダギリ ジョー (斎藤 一)
中村 勘太郎 (藤堂平助)
山本 太郎 (原田左之助)
堺 雅人 (山南敬助)
山口 智充 (永倉新八)
小林 隆 (井上源三郎)
八嶋 智人 (武田観柳斎)
照英 (島田 魁)
中村 獅童 (滝本捨助)
田畑 智子 (近藤つね)
吹石 一恵 (八木ひで)
松金 よね子 (八木 雅)
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石黒 賢 (桂 小五郎)
麻生 久美子 (おりょう)
谷原 章介 (伊東甲子太郎)
戸田 恵子 (お登勢)
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沢口 靖子 (沖田みつ)
江口 洋介 (坂本龍馬)
伊東 四朗 (八木源之丞)
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制作統括:吉川 幸司
演出:山本 敏彦
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