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2013年5月28日 (火)

プレイバック新選組!・(41)観柳斎、転落

慶応3(1867)年6月、近藤 勇ら新選組の面々は
これまでの功績から徳川家直参の身分を与えられます。
会津藩お預かりという臨時雇いという曖昧な立場から
正式に幕府の一員として認められることになりました。

新選組隊士たちが「御家人」である一方で
特に勇は、将軍に会うことを許される「旗本」となり
農民出身でありながら、
実力でその身分の壁を乗り越えたわけです。

名実ともに武士になった──。
勇は、土方歳三と固く抱きしめ合って喜びます。

『見廻組与頭格 300俵』
近藤 勇

『見廻組肝煎格 70俵5人扶持』
土方歳三 武田観柳斎

『見廻組格 70俵3人扶持』
沖田総司 永倉新八 井上源三郎
原田左之助 山崎 烝 尾形俊太郎

『見廻組並 40俵』
吉村貫一郎 大石鍬次郎 谷 周平
村上 清 安藤主計

……などなど。

ですが、自分よりもなぜ上なのだと
永倉や原田が怒っています。
誰のことかと言えば……武田のことです。

副長助勤であるのは武田も永倉も原田も同じでありますが
兵学師範であることから頭一歩抜きん出た形なのでしょう。
ただ、話は分かりますが納得はできかねます。

しかし一方で、武田にとっては
幕府からいただいた身分であるのに
本人にあれこれと文句が出るのは合点がゆかず
勢いにまかせてすべてを返上することにします。

武田は、味方する隊士を4人ほど引き連れて
御陵衛士の屯所に駆け込んで仲間にしてもらおうと画策しますが

御陵衛士と新選組との間には、
今後一切、仲間を引き入れないという約束があり、
それに違えば責めを負うことになるので
引き受けてもらえません。

武田は、味方の隊士たちを置いて
黙って帰ってしまいます。

その残された隊士たちは
そのまま京都守護職の屋敷に押しかけます。
しかし、御陵衛士に加えてもらう許可が欲しいと言われても
会津藩としては迷惑千万であります。

行き場を失った4人は、切腹して果てます。

己の欲のために河合耆三郎を切腹させたのと同じように
新たに4人の命を亡くしたことで、
隊士たちの武田を見る目がいっそう厳しくなります。
武田は黙って隊を抜け出します。


慶応3(1867)年6月22日・京──。

佐々木只三郎の下で働く滝本捨助は、佐々木から
坂本龍馬の動きについて探索するように命じられます。
なんでも幕府を無くすべく動いているようで
薩摩藩邸にも頻繁に出入りしているのだとか。

ただ、坂本龍馬を追っているのは佐々木だけというわけではなく、
新選組も水面下で居場所を突き止めようとしているようです。

伊東は、己の考える新しい世の実現のため
藤堂平助と斎藤 一を引き連れて龍馬に会いに行きます。

しかし龍馬は、長崎で『海援隊』という
カンパニー(会社)を作った……とか何とかで
商売のことしか頭にないような素振りを見せます。


再度の訪問で御陵衛士加入をキッパリと断られた武田は
そのまま薩摩藩邸の西郷吉之助に会って
またも断られていますが、

いつか敵になるかもしれない会津の軍事について
戦になったらどこに陣を構えるか、というような軍事機密情報が
新選組にも渡っているはずです。

それは、薩摩藩としても入手しておきたいのは道理でして、
武田の言うように「屯所にある」というのなら
それを持ってきてくれさえすれば薩摩が身を引き受ける。
そう言われて、武田は思い悩みます。

武田が帰って西郷は、待たせておいた龍馬と対面します。
龍馬に商売以外のことに興味がないのは
やっぱり見せかけだけでして、
薩摩と土佐が新たに手を組むための話し合いを始めます。

幕府を無くす、徳川家を滅ぼす。
そのためには戦をするしかないという薩摩に対し
戦が長引いて喜ぶのはフランスやイギリスだけだと
日本人同士の戦はもっての他だという立場の龍馬です。

そこで、龍馬の考えは……徳川慶喜に政権の返上をさせます。
その上で『王政復古』につなげたい考えです。
ふつうであれば徳川が政権を手放すとは考えにくいですが、
それを説得して実現させねばなりません。

西郷は、政権を返上させる案について考えてみることにします。

しかしその実は……徳川が政権を手放さなかった時こそ
徳川を戦で攻め滅ぼす絶好の機会であり、
薩摩にとっては、徳川に政権を手放してほしくないわけです。

そうなると、政権を手放すように説得する坂本龍馬の邪魔立てを
ちょいちょいとしていけばいいわけですが、
そういう意味も含め、坂本龍馬という男が目障りになります。


武田の隠れ家(といっても家ではないですが)に歳三と総司が現れ、
武田を連行して隊に連れ戻します。

武田の、己のことしか考えない甘い性格のせいで
今まで隊士が何人も命を落としてきました。
切腹も覚悟しております、と言う武田に、勇は
そのつぐないに平隊士から出直して
再び這い上がってこいと説教します。

責めを負うことで自害するだけが武士ではない。
生きてこそつぐなえることもある。
それだけ武田の犯した罪は大きいということです。

ただ──。

その日の夜、武田が包みを持って動き出します。
その後をつけていった総司ですが、
武田が向かった先は、河合耆三郎の墓でした。
折りをみて、何度も通っていたのでしょう。

総司はそのまま引き揚げますが、
武田はその直後、斬り殺されてしまいます。
同じ隊士の、武田を良く思わない者らの犯行です。

武田が蒔いた種だと歳三は吐き捨て
勇も、武田を斬った下手人を捜さないことにしました。


「早よ帰して! 仕事あんねんから」
以前見つけたお幸の妹・お孝は別人だと分かり
改めて探索を続けていたのですが、
ようやく見つけて、勇の前に連れてきたわけです。

顔は瓜二つですが、性格は真逆です。
勇は、あまりにそっくりであまりに違い
戸惑って目を丸くしています。

──────────

慶応3(1867)年6月22日、
武田観柳斎が京都郊外の鴨川銭取橋にて暗殺される。

慶応3(1867)年11月18日、
新選組から分裂した御陵衛士を粛清する『油小路事件』まで

あと4ヶ月──。


作:三谷 幸喜
音楽:服部 隆之
題字:荻野 丹雪
版画:木田 安彦
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[出演]

香取 慎吾 (近藤 勇)

藤原 竜也 (沖田総司)
山本 耕史 (土方歳三)

優香 (お孝)

オダギリ ジョー (斎藤 一)
中村 勘太郎 (藤堂平助)
山本 太郎 (原田左之助)
山口 智充 (永倉新八)
小林 隆 (井上源三郎)
八嶋 智人 (武田観柳斎)
照英 (島田 魁)

中村 獅童 (滝本捨助)
──────────
筒井 道隆 (松平容保)
谷原 章介 (伊東甲子太郎)
宇梶 剛士 (西郷吉之助)
──────────
伊原 剛志 (佐々木只三郎)
江口 洋介 (坂本龍馬)
──────────
制作統括:吉川 幸司
演出:小林 大児

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