« vol.116・ベタなネタですいません(前編) | トップページ | ケントがゆく(6) »

2013年6月 7日 (金)

プレイバック新選組!・(44)局長襲撃

それはまさに、クーデターであった──。

慶応3(1867)年12月9日、
薩摩の兵を中心に、尾張や越前などの5藩が
御所の守りにつきました。
松平容保の報告に飛び起きる徳川慶喜です。

薩摩藩らの決起から間もなく、
御所・御学問所では幼い明治天皇によって
『王政復古の大号令』が発布。

これにより260年余り続いた徳川幕府は正式に廃止され、
倒幕派の諸藩による、朝廷を中心とした
まったく新しい政府が作られたわけです。

すべてお見通しじゃ、と強がる慶喜ですが、
分かっていたならなぜ手を打たなかったのかと
容保は不安になっています。
「上様が何と仰せになろうと……薩摩を討つ!」


慶応3(1867)年12月12日・京──。
近藤 勇は、新選組幹部を集めます。

王政復古の詔(みことのり)によって
容保が京都守護職をやめさせられたこと、
さらに、将軍だった慶喜も
内大臣と全ての領地を返上することになるらしいこと。

それはつまり
徳川は大名家ではなくなるということですが、

要は、薩摩がケンカをふっかけて徳川を怒らせ
仮に怒った場合は戦に持ち込む。
もはや弱体化した幕府と戦っても薩摩は勝てる自信があるようで
もし勝った場合は、次の新しい政権を担うのは自分たちであると
世に知らしめられます。

だからこそ、あえてそんな仕打ちを徳川に仕向けたわけです。

沖田総司は、顔面蒼白ながらふらふらと勇たちの前に現れます。
容保べったりだった新選組の運命が気になって
おちおち寝ていられないというわけです。

みんな総司を気遣って、寝てろ休んでろと声を荒げますが
本人はえらく不満げです(笑)。


勇が島田 魁を伴って二条城へ上って不在である中、
土方歳三は新選組にある金のほとんどを隊士に分け与えます。
それまでの“給料”という概念のものではなく、
それぞれに身の回りの始末をさせるための金であります。

もしかしたら歳三は、幕府がなくなった後
新選組も消滅してしまうかも、と予想しているようです。


勇は佐々木只三郎と慶喜の前に平伏していました。
徳川が今後なすべきことへの意見を2人に求めたわけです。

佐々木は、薩摩長州の横暴を許してはならじと
戦を起こして薩長を叩き潰し、
早く徳川の世に戻さなければと力説しますが、
近藤は薩長のワナに乗ってはならないと言います。

迂闊に薩長のワナにひっかかってしまえば、
慶喜は逆賊となってしまうは必定です。

ここは薩長の誘いに乗らないためにも、
ひたすら恭順の姿勢を貫き、その間に軍事力を貯えておく。
そして薩長の新政府に不満を持つ者たちと手を結び
その時こそ薩長を叩き潰す好機だというわけです。

慶喜は、戦を避けるためにいったん大坂へ下ることにします。

新選組改め「新遊撃隊御雇(おやとい)」は
慶喜から二条城を守るように命じられましたが、
同じく慶喜に直接命じられた水戸藩と衝突。
やむを得ず、新遊撃隊御雇は伏見城警護に回ることになりました。

ついでに、永井尚志に与えられた新遊撃隊ですが、
どうもしっくりこないので、
名を新選組に戻したいと申請してきました。


慶応3(1867)年12月18日・京──。

口元まで覆い隠した女が、ふらりと勇の前に現れ
勇の懐にぶつかるそぶりを見せます。
しかし既(すんで)の所で勇がその腕を掴みます。
女の手には懐刀が握られていました。

坂本龍馬の未亡人・おりょうでした。

どうやら、新選組が龍馬を斬ったと信じているようで
勇に食って掛かりますが、
龍馬を斬ったのは勇でも新選組隊士でもないので
「私たちではない!」と弁明することしかできません。

龍馬は日本を変えようとしていた。
彼にはそれができた。
戦になるのを良しとせず、それを避けるために東奔西走した。

しかし、日本のシステムを変えるということは
それだけ敵を大勢作ってしまうことになった。
今の日本は、龍馬が恐れていた方向へ向かっている……。

「日本なんて変えんでもよかったんや」
涙ながらにおりょうはつぶやきます。


帰り道、馬上の人となった勇は島田とのんびり戻りますが
街道沿いの空き屋から、その勇を狙う武士がふたり──。

バーン! という銃声が聞こえたと思ったら
肩から流血し、顔を歪める勇が。
「局長ーッ!!」

──────────

作:三谷 幸喜
音楽:服部 隆之
題字:荻野 丹雪
版画:木田 安彦
──────────
[出演]

香取 慎吾 (近藤 勇)

藤原 竜也 (沖田総司)
山本 耕史 (土方歳三)

優香 (お孝)

オダギリ ジョー (斎藤 一)
山本 太郎 (原田左之助)
山口 智充 (永倉新八)
小林 隆 (井上源三郎)
照英 (島田 魁)

はしの えみ (まさ)
今井 朋彦 (徳川慶喜)
──────────
筒井 道隆 (松平容保)
中村 有志 (岩倉友山(具視))
麻生 久美子 (おりょう)
宇梶 剛士 (西郷吉之助)
──────────
江口 洋介 (坂本龍馬(回想))
佐藤 B作 (永井尚志)
伊原 剛志 (佐々木只三郎)
──────────
制作統括:吉川 幸司
演出:土井 祥平

|

« vol.116・ベタなネタですいません(前編) | トップページ | ケントがゆく(6) »

NHK大河2004・新選組!」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« vol.116・ベタなネタですいません(前編) | トップページ | ケントがゆく(6) »