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2013年6月15日 (土)

プレイバック新選組!・(46)東へ

戦場に錦の御旗が揚がった時、戦の勝敗は決まりました。
官軍となった薩長の攻撃の前に、旧幕府軍は総崩れ。
決戦を主張していた佐々木只三郎も、
結局はこの戦いで受けた傷がもとで命を落とします。

慶応4(1868)年1月6日の夜、
徳川慶喜は松平容保・定敬兄弟を伴って大坂城を脱出。
大坂天保山に停泊させておいた開陽丸に乗って
海路を東にとり、江戸へ──。


慶応4(1868)年1月7日・京──。

不動堂村の新選組屯所に戻った土方歳三と斎藤 一は
屯所に残してきた書類等の処分をしています。
新撰組結成以来、誰を斬ったかなど事細かに記録しているものなどは
薩長の手に渡ってしまえばとてもまずいことになってしまいます。

しかし、次第に周囲をうろつく薩長兵が増えてきました。

淀からの道案内でついてきた山崎 烝も加えた3人は
八木源之丞と、息子・為三郎の手引きで
安全な抜け道を通って脱出することになりました。
「災い転じて福と成す、の喩えもおます」

その間、同じく京に戻っていた原田左之助は
今は腹が大きくなっているおまさに会います。
永倉新八も、愛人・おそのに会いに戻りますが、
薩摩の兵の強奪を受けた直後で、おそのは瀕死の状態でした。

「宇八郎さま……」
その言葉を最期に、おそのは亡くなります。
永倉は薩摩兵を追いかけ、おそのの仇を取ります。

京から脱出する途中、山崎が顔面に
薩摩兵から刀傷を負ってしまいます。

と、ちょうどそこにいたのは滝本捨助です。
薩摩にも長州にも土佐にも、そして見廻組にも恩を売って
しかしなぜか最後は追われる立場になって居場所がなくなり、
今はお登勢の寺田屋で一から奉公やり直しです(^ ^;;)

それより山崎の手当てを何とかしなければなりません。
捨助は、寺田屋で一旦匿ってもらう手はずを整え
ほとぼりが冷めてから大坂へ向かうことにします。


近藤 勇は永井尚志に300の兵を貸してくれと懇願します。
薩長側に錦の御旗があるなら、旧幕府軍側には将軍がおります。
勝つ自信はあります。
しかし、永井の口から出たのは勇が驚くべきことでした。

「なぜ上様は家来を置いて、先に帰られたのですか!」
しかし、もう慶喜は大坂にはおりません。

松本良順は、けが人を連れて船で江戸に帰ることにしていますが
勇にも、それに一緒に乗らないかと提案します。

勇は、隊士を残してひとり江戸に帰るわけにはいかないと固辞しますが、
そこに、捨助を先頭に歳三や斎藤、
それに合流した原田や永倉の姿がありました。

勇は、ここまで無事に歳三らを連れてきてくれた捨助にも
多摩に帰らないか、と誘います。
今までは、何度“多摩に帰れ”と言っても聞かなかった捨助ですが、
勇たちも江戸に帰るとなれば、話は別です。
喜んで「帰る!」と言ってしまいます(笑)。

大坂の町を、隊列組んで港に向かう新選組。
病気の沖田総司と重傷の山崎は荷車に乗せられています。
そこに、男装した八木ひでが見送りにきてくれました。
「沖田はん、しっかりせんとあかんえ!」


「手がなかったのだ。これよりほかに」
「──仰せの通り、これより他にひどい手はござりません!」
「余は大坂の町を焼け野原にしとうなかったのだ」
「──おかげさまにても、江戸の町が焼け野原に」
一足早く江戸に戻っていた慶喜は
勝 海舟による皮肉なまでの出迎えを受けます。

勝の怒りはますます大きくなるばかりで、
なぜお戻りになられた! と声を荒げます。

どうすればよかったかというと、それは
勇が主張したことと全く同じことを言うわけですが、
そうとは知らず、同じ主張をしている勇に対しても
怒りが飛び火している始末です。
「あやつらなどに、時代の波を止めることなどできやしない!」


乗船した勇たちですが、江戸に戻れるとあって
日ごろはクールな歳三が、
おちゃめに近藤周斎のモノマネを披露してます。
(それは周斎先生というより、田中邦衛氏の真似だじょ(笑))

微笑みながら目線をふと上にやると、ひげ面の男……
軍艦奉行の榎本武揚が海を眺めていました。
なんでも、慶喜を載せた開陽丸は急に出港したもので
船長たる榎本は、その開陽丸に乗り遅れてしまったのだとか。

総司が榎本が来ている洋服に興味を示すと、
「オレの方が似合う」と歳三は強がります。

ちなみに、紀州湾沖を進んでいる富士山丸の船上で
山崎は静かに息を引き取りました。


慶応4(1868)年1月16日・江戸──。

勝は慶喜に、隠居して水戸に退くことを勧めます。
勝とうと思えば勝てる、そんな余力を残した上での
恭順だからこそ意味があるのだそうです。
まずは手始めとして、上野寛永寺で謹慎を勧めます。

江戸に到着した勇は、
さっそく容保と対面し開戦論を主張します。
容保としても、今までどれだけ将軍家に尽くして来たかを考えると
やりきれない思いでいっぱいであります。

くやしいのですが、慶喜には分かってもらえないので
容保としてもなす術はありません。


勇は、江戸の試衛館に戻ると周斎の位牌に手を合わせます。

「おらぁ、幸せもンだぁ」
よくよく考えれば、周斎は
最も幸せな時期に亡くなったのかもしれません。

大政奉還によって幕府がなくなり、
徳川家も新選組も逆賊扱いとなって京を追われたのを
見ずに済んだからです。

でも、つねにとっては
夫が無事に戻ってきてくれて嬉しくも感じています。
これからは一緒に暮らしてゆける、と──。

ふでは、手をついて
今や旗本となった勇を出迎えます。

──────────

作:三谷 幸喜
音楽:服部 隆之
題字:荻野 丹雪
版画:木田 安彦
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[出演]

香取 慎吾 (近藤 勇)

藤原 竜也 (沖田総司)
山本 耕史 (土方歳三)

優香 (お孝)

オダギリ ジョー (斎藤 一)
山本 太郎 (原田左之助)
山口 智充 (永倉新八)
照英 (島田 魁)

中村 獅童 (滝本捨助)

田畑 智子 (近藤つね)
吹石 一恵 (八木ひで)
松金 よね子 (八木 雅)
小西 美帆 (おその)
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筒井 道隆 (松平容保)
中村 有志 (岩倉友山(具視))
今井 朋彦 (徳川慶喜)
宇梶 剛士 (西郷吉之助)
戸田 恵子 (お登勢)
佐藤 B作 (永井尚志)
草彅 剛 (榎本武揚)
──────────
野際 陽子 (近藤ふで)
野田 秀樹 (勝 海舟)
伊原 剛志 (佐々木只三郎)
伊東 四朗 (八木源之丞)
田中 邦衛 (近藤周斎)
──────────
制作統括:吉川 幸司
演出:清水 一彦

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