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2013年7月30日 (火)

プレイバック獅子の時代・(09)アームストロング砲

今年の大河ドラマ『八重の桜』では、今週日曜日の放送で
すでに会津戦争が終わり五稜郭戦争もようやく終わって……
という時代を描いていましたが、

こちらでご紹介の『獅子の時代』ではまだ会津戦争の真っ只中で
今週の『八重の桜』あたりの内容は、ちょっと先になりますが
およそ1ヶ月後あたりでご紹介の予定です。


慶応4(1868)年8月23日、
しとしと雨がしばらく続いております。
この雨は、夏の雨ではなく
太陽暦10月8日なので秋の肌寒い長雨なのです。

戦いに敗れた会津兵は、その雨の中を
散り散りになりながらも会津城下を目指します。

新政府軍は、かまわず会津城下へ迫りますが、
城門まであと一歩というところで
会津の鉄砲隊による一斉射撃によって進軍を阻まれます。

その城門手前にあった大きな屋敷に一旦避難する新政府軍は
その屋敷の奥の間で21人が自害して果てている
凄惨な現場を目撃します。
自刃したのは、家老西郷頼母の母や妻、子供、
そして親族たちであります。

16〜17歳の少年たちで構成される白虎隊が
飯盛山から城を眺めてみると、城が煙でかすんで見えます。
「城が落ちた……」

燃えているのは城の手前、城下でありまして
城は落ちてはおりませんでしたが、
雨と寒さと餓えの中で、落城を疑わず
19人がお互いを、自らを刺し、命を断ったのです。


平沼銑次は、ようやく実家にたどり着きました。
久々にヨーロッパから帰ってきたというのに
誰もおらず、一人寂しい帰郷であります。

ともかく、雨で濡れた着物を着替えたいと
奥に入る銑次ですが、
そこで母のもえと祖母の松子が
変わり果てた姿で横たわっているのを目撃します。

「母上! 祖母さま!」
銑次は身体を揺らしますが、
すでに身体は冷たくなっております。

実はこのとき、演者の浦辺粂子さんの手の指の上に
菅原文太さんの膝が乗っかってしまって
痛い! と感じたためか、浦辺さんは
演じながらも手をちょっとだけ引っ込めるという
あり得ない部分が映っておりました。
死体なのに(^ ^;;)

でも、まぁ……そこはスルーするのがご愛嬌♪

まさか、と考えた銑次は
妹の千代を家中探しまわりますが、
どこの部屋にもおりません。

そのころ千代は、身重の玲とともに
人里離れた小さな家に隠れ住んでおります。

とりあえず取ってきた大根で今夜を凌ごうと
その調理の支度にかかっていたころ、
足を引きずりつつ歩く老兵が力尽きて倒れます。

聞けば、美濃郡上藩の坂田某という人物で
会津藩の味方をすべく鶴ヶ城の城内に入った
朝比奈茂吉宛の書状を携えておりました。


アームストロング砲──。
佐賀鍋島藩から会津へ到着しました。
3kmは弾が飛ぶという威力が評判のアームストロング砲は
新政府軍が待ちに待ったものであります。

それを会津城の前線まで警護するのは苅谷巳代治。
銑次がフランスで知り合った苅谷嘉顕の兄です。

そうとは知らず、
平沼家の前を通っていった大砲を見送った銑次は
城に向かって走って行きます。

──────────

運ばれてゆくアームストロング砲、
それを護衛する新政府軍を先回りして
襲撃しようとする銑次ですが、

真後ろから刀を突きつけられてしまいます。
「一人で何さできる?」

殺せ! と言う銑次ですが、振り返ってみれば
どうやら銑次と顔なじみの永井という人物だったらしく
会津兵が隠れる小屋(屋根裏?)へ導かれます。
で、偶然にもそこで弟の鉱造と再会するわけです。

鉱造には、銑次が見た母と祖母の自害を伝えておきます。

小屋の仲間内で話す話の流れから、
アームストロング砲を襲撃することになりました。
ただ、それは彼らだけの計画ではなく
他にも襲撃の計画を練るグループがあるようです。

小道が少し広くなったところで
四方八方から大砲と警固兵に襲いかかる会津兵。
斬り、斬り、斬りまくり、
アームストロング砲を突き落とします。


会津城に、朝比奈宛の書状を届けに向かう玲と千代は
途中の道で会津兵と出会います。
しかし、城に向かう千代たちに出会うというのは何か変です。

いかに霧が濃いからとはいえ、
地元民が道を間違えるわけがないのです。
そう、彼らは城を捨てて脱走する兵だったわけです。

「恥を知りなさい!」
それに気づいた玲は、千代に逃げるように促します。

追いかける会津兵3人ですが、うち1人が
そこまでは落ちぶれたくない、と追うのをやめます。
しかし、残り2人が1人を斬り殺し玲と千代を追いかけます。

結局は、玲と千代でその会津兵2人を刺し殺すのですが
人を殺すという非現実的なことを我が手で成してしまった怖さからか
声にもならない悲鳴を上げ、身体を震わせて泣きじゃくります。

余談ですが、

この時に玲と千代に向き合った会津脱走兵の一人は
名脇役・大地康雄さん(当時のクレジットでは大地常雄さん)でして、
これから31年後の大河ドラマ『江』で
千代役の大竹しのぶさんはねね役で、
会津兵役の大地康雄さんは柴田勝家役で共演することになります。

脱線失礼……。


会津城下は、燃えていました。


作:山田 太一
音楽:宇崎 竜童
語り:和田 篤 アナウンサー
──────────
[出演]
菅原 文太 (平沼銑次)
大竹 しのぶ (平沼千代)
永島 敏行 (平沼鉱造)
香野 百合子 (平沼 玲)
──────────
横内 正 (平沼 亨)
近藤 洋介 (苅谷巳代治)
──────────
佐々木 すみ江 (平沼もえ)
浦辺 粂子 (平沼松子)
加藤 嘉 (平沼助右衛門)

加藤 剛 (苅谷嘉顕)
──────────
制作:近藤 晋
演出:中村 克史

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