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2013年9月 7日 (土)

プレイバック獅子の時代・(20)津軽流浪

北海道がまだ大半が未開拓という意識の強かった当時、
青森は北端警備の重要な拠点であり、活気のある港町でした。

厳しい冬を控えて、
今のうちにでき得る対策を打っておくために
その青森に出稼ぎにやって来た平沼銑次。

何かと平沼家に絡み付く弥太郎も
銑次の後を追って来ておりまして、
銑次は、金を稼いだら弥太郎に託して
食うもの、着るものの金として斗南に送り届けることにします。

それはつまり、弥太郎を仲間(というか配下?)として
認めたも同然であり、弥太郎は少し嬉しいです。

とはいえ、金を稼ごうなどと簡単に言ったところで
船宿の主には「間にあってます」と断られ、
大工には、引受人がいなければ受け入れられないと断られます。

商人にとって、侍を雇うということ自体が
恐ろしくてできないというのが本音のようで、
銑次も弥太郎も途方に暮れます。


苅谷嘉顕は、畳屋平蔵・さく夫妻の家の2階を
おもんの療養所として明け渡しておりますので、
けっこう広い屋敷を借りて生活しているわけですが、
女中がいながら、いかにも殺風景でほこりだらけです。

植村信吾は、
その女中を嘉顕に内緒で行儀見習いに出してしまい
代わりの者に来てもらうことにしました。

信吾に言われるままに部屋の中を見てみますと、
なるほど屋敷内の掃除を完璧に済ませています。
床の間には花が生けられ、畳はきれいになり
隅という隅にはホコリひとつありません。

それをやってくれた人物は
「今、買い物に行っちょいもす」とだけ伝えて
信吾はそのまま帰っていくわけですが、
嘉顕が“気の利いた女中”と思っている女性が
苅谷菊子であることは、まだ知りません。

買い物から菊子が戻りました。
兄・巳代治の死を知らせた時以来の再会です。

未亡人ではありますが、苅谷家を出たわけではなく
菊子としては、心苦しい部分はありますが
母・和哥の言いつけ通り、
あくまで弟として嘉顕に接するつもりです。

晩ご飯の支度に立つ菊子は、巳代治の妻だったころとは違って
かなり明るく、笑顔が見えております。
そりゃそうかもしれません。
数年前は相思相愛の仲でしたから(笑)。


銑次と弥太郎は、熱心な力自慢が実って
逆らわないという条件の下、土木現場に放り込まれますが、
そこでは飯を食うのがやっとという有様。
斗南に送金するという話どころではありません。

しかも、雇い主によるひどい酷使に
銑次と弥太郎は雇い主たちを打ちのめして辞めてしまい
職探しはまた一からです。

そんな様子を見ていた洪継賢という清国人が
4両の仕事がある、と銑次たちをスカウトします。

なんでも、清国ではイギリスからアヘンという麻薬が輸入され
身も心もボロボロになってしまう人が続出中とか。
イギリスに対してアヘン輸入禁止を打ち出しますが、
イギリスは武力で清を屈服させ、香港を割譲させ
不平等条約を締結し、アヘンを輸出し続けます。

そこで、そのイギリスに対抗するための武器を
調達したいのだそうです。

銑次たちの仕事……それは、
箱館戦争のために津軽に集められた武器の隠し場所を
確かめてほしいというものです。

銑次と弥太郎は、洪が指定した寺に忍び込みます。
しかし寺には見張りが一人もおりません。
見張りがいない蔵なのに4両払うだろうか……?
銑次は「どうもくせぇぞ」と疑念を抱きます。

その疑いは、蔵にカギがかかっていなかったことから
ますます増大します。
そしてついに、その疑念が的中。
蔵は津軽藩兵たちに取り囲まれてしまったわけです。

洪の元へからがら逃げ戻った銑次と弥太郎は
自分たちがおとりに使われたことを知ります。
銑次らと津軽藩兵たちがやり合っている間に
洪らは鉄砲などの武器を船に積み込むことができました。

実は銑次らが押し入った蔵にはいくつもの仏像が隠されていて、
それは新政府による、寺院や仏像を破壊しましょうという
神仏分離令という政策に逆らうものであり、

津軽藩としては、それをばらされたくなくて
蔵に押し入った銑次たちを捕まえようとしたわけです。

次は10両の仕事がある、と斡旋を受けますが
銑次は断り、出て行ってしまいます。

翌日、さっそく銑次は得た4両で布団や米を買い
残りの金とともに弥太郎に持たせて斗南へ向かわせます。


さくが苅谷家を訪ねてきました。
どうやら今までにも何度か訪ねてきていたようで、
前の女中とは顔なじみだったようです。

菊子とは初顔合わせですね。

ただ、菊子には少々気になることを言っていました。
「少し寄ってもらわなきゃ困るって言っといて。
 おもんちゃんが待ってるからって」

おもんちゃん──それはそれはキレイな芸者さん。

おもんという名前が、
菊子の中でぐるぐると回り始めています。

菊子はおもんについて嘉顕に聞いてみようとは思っていますが
太政官庁から帰宅して、紋付袴に着替えて
大久保利通邸に向かってしまい、
聞くタイミングを逸してしまいました。

弟の家に戻った菊子でしたが、
信吾は友人と一緒に暮らすと決めたようです。
行き場のない菊子は、
このままでは苅谷家に寝泊まりすることになります。

弟としては、嘉顕がヨーロッパへ留学する前
相思相愛の仲だったふたりなので
思いを遂げさせたいというのが一番にあるようです。

「勝手なことを」と姉は弟を叱りますが、
叱りながらも、それもありかなとどこかで思っている姉。
義母と弟の間で、心は揺れ動きます。


弥太郎が平沼家に戻ってきました。
ほう、とんずらすることを少しだけ期待していたのですが
お金をちゃんと届けたんですね。

出会った頃の弥太郎は、
家族を亡くしたことで腐っていただけで
根は真面目な男なのかもしれませんね。
途端に弥太郎少年が可愛く思えてきました。

千代はたまたま病で臥せっていて家にいましたが、
他の家族は開墾に出ているようです。
ま、助右衛門父ちゃんと会えば
ああだこうだとうるさそうなので、都合はいいです。

弥太郎はそのまま青森へ戻ります。


そのころ銑次は、津軽藩のお尋ね者になっていました。
発見の笛が鳴ると、銑次の脱走劇が始まります。

どうにか撒いたと思ったら、またも笛の音が。
しかしそこで再び洪と出会い、匿ってもらいます。

ここでは津軽藩に追われ続けることになると、
洪は銑次を横浜に誘います。
家族を斗南に残して出稼ぎに来ている以上、
これ以上は斗南から離れたくはないわけです。


作:山田 太一
音楽:宇崎 竜童
語り:和田 篤 アナウンサー
──────────
[出演]
菅原 文太 (平沼銑次)
大竹 しのぶ (平沼千代)
藤 真利子 (苅谷菊子)
永島 敏行 (平沼鉱造)
香野 百合子 (平沼 玲)
高田 大三 (植村信吾)

清水 健太郎 (洪継賢)
金田 賢一 (弥太郎)
──────────
加藤 嘉 (平沼助右衛門)
野村 昭子 (さく)

加藤 剛 (苅谷嘉顕)
──────────
制作:近藤 晋
演出:重光 亨彦

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