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2013年10月 1日 (火)

プレイバック獅子の時代・(27)汚職

瑞穂屋卯三郎は、紙幣の印刷機械の発注を
イギリスの会社にほぼ的を絞った明治4(1871)年12月、

政府は突然、ドイツの会社に印刷させた
紙幣5,000枚の発行を布告。
当分、国内で紙幣を印刷する気はないという意向を示します。

あやつ、何をたくらんでいるのか──!?

印刷機械の輸入を持ちかけた尾関平吉を問いつめようと
卯三郎と平沼銑次は彼の元に出向きます。

「来ると思うちょっとった」
尾関は机の中からおもむろに1枚の紙幣を取り出します。
それは、卯三郎が思い描いた精巧な紙幣とはほど遠い
偽札も容易に出回りそうな、ドイツの会社が印刷した紙幣です。

政府がこの紙幣でいい、と布告してしまった以上
この紙幣の流通は今となっては止められないわけですが、
刷らせたのは5,000枚に過ぎません。

のちのち、卯三郎が輸入しようとしていた印刷機械で
新たに紙幣を印刷すればいい、というのが尾関の主張です。


明治5(1872)年・正月。
横浜から東京に出てきた尾関は、
時間を惜しみつつ瑞穂屋を訪ねます。

ドイツ製紙幣の評判が一様に悪い中、
ドイツだけに留まらず、アメリカもフランスも
印刷機械の売り込みが激しくなりつつあります。

卯三郎が推すイギリスの会社の印刷機械を輸入すべく
尾関は、その接待に1,000円必要だと言い出します。
いくら瑞穂屋とはいえ、すぐには準備できない大金ですので
まずは半分の500円を調達することにしますが、

話を聞いていた銑次は、
その500円を誰に渡すのかを問いつめます。

すると尾関は、おいに恥をかかすっとか! と怒り出し
金も受け取らずに出て行ってしまいます。
とんでもないことをした……と銑次は放心状態です。


卯三郎に詫びを入れ、500円を持って
横浜の尾関の元に届けた銑次でしたが、
一度関係にヒビが入ってしまえば全く相手にされません。

尾関不在の時はぞうきんがけをし、関係修復に務めますが
尾関はなかなか心を開いてくれません。

尾関が料亭で呑んでも、その帰りには銑次が控えているし
朝、官庁に出勤すれば、銑次が座して控えています。
そんなことをし続けて、尾関はようやく折れたようです。
「500円、もろうてやる」

こうしてようやく関係修復ができたわけですが、
千代は、尾関からさんざんひどいことを言われた銑次が
痛々しくてみていられません。


4月、江藤新平は左院副議長から初代司法卿に転じます。
本格的な司法省の始まりです。

裁判官の公正を監視する検事
被告の代弁をする弁護士が定められ、
国民の権利と法という意識が
大きく制度に持ち込まれたわけです。

そんな初っぱな、陸軍省の陸軍大夫・山県有朋に
不正の疑念が持ち上がったわけです。
陸軍省の公金64万9,000円を
商人・山城屋和助に貸し付けたという嫌疑です。

山城屋は生糸の相場に手を出したのですが、
恐らく、もしその事業が成功すれば
山県に礼金が支払われることになったでしょう。

留守政府を預かる西郷隆盛は、
廃藩置県に功のあった山県を捕らえることは避けたいらしく、
山県も自分から辞表を出すであろうという推測のもと
陸軍省内部の問題として処理することで
司法省としては口を挟まないでもらいたいという意向のようです。

しかしそれでは、政府内の規律の確立は出来ません。
罪は誰が犯そうとも罪であり、
政府の高官だからと罪を見逃していては
司法省の権威はなくなります。

苅谷嘉顕らは、悪に立ち向かっていきます。


卯三郎の接待で、尾関を料亭に招いたわけですが
銑次は芸者たちの踊りに合わせて
吹っ切れたように踊っています。

卯三郎も片隅でそんな姿を見ていましたが、
ここまで尾関に取り入ったのかと舌を巻いています。
ただ、商人がそうしたものだという誤解だけは解いておきます。

とはいえ、取引する商人としては
いつまでものらりくらりと待っているわけにはいきません。
銑次は、尾関を怒らせずにどこまで話が進んでいるかを
確認してみることにします。


嘉顕と司法省でともに行動する大槻信春は
山県の一件で強引にも取調べを行った嘉顕に少し恨みがあるのか
彼の友人である尾関の汚職事案についても嘉顕に報告します。

無論 嘉顕は、薩摩だからと手心を加えたりはしないわけですが
それを改めて言われると、自分に対する侮辱とも受け取れます。
嘉顕と大槻の間にも、少しずつ亀裂が出来始めています。

大槻が官庁の尾関の部屋に踏み込んだとき、
銑次が尾関に折檻されているところでした。

瑞穂屋の手代が尾関に金子をいくら運んだか?

さっそく大槻が問いつめますと、
尾関は銑次の胸ぐらを掴んで怒鳴りつけます。
「おはんがおいに金を運んだか!? おいは受け取っとらん!」

大槻は銑次を別室に連れ出し、叩きのめして
いくら運んだかを白状させようとしますが、

銑次は金を運ばぬと言い、
尾関は受け取っていないと言い張ります。
卯三郎も、一文も出していないと答えます。


その間、山県の一連の不正問題で
山城屋和助が陸軍省内で自害して果てました。
友人山県を守ろうとする気持ちと、
己のみ助かろうとする山県への恨みが
死に場所を陸軍省に選ばせたということらしいです。

これによって司法省による追及にも関わらず
この事件は曖昧となり、山県は政治生命を回復。
明治22(1889)年の総理大臣への道を歩き始めます。

嘉顕は、数々の事件が曖昧に消えていく中で
尾関事件の真相が一向に見えて来ない焦りもあったのかもしれません。
まずは自らが口を割らない瑞穂屋の手代に会ってみることにします。

「瑞穂屋の手代だそうじゃな」
振り返ると、眩しそうに見るのは銑次です。

あまりの変わりように、嘉顕はショックを隠しきれません。


作:山田 太一
音楽:宇崎 竜童
語り:和田 篤 アナウンサー
──────────
[出演]
菅原 文太 (平沼銑次)
大竹 しのぶ (平沼千代)
三田村 邦彦 (大槻信春)
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細川 俊之 (江藤新平)
岡本 信人 (尾関平吉)
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児玉 清 (瑞穂屋卯三郎)

加藤 剛 (苅谷嘉顕)
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制作:近藤 晋
演出:中村 克史

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