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2013年11月15日 (金)

プレイバック獅子の時代・(40)樺戸集治監(かばとしゅうじかん)

広く産業を興して
国の力を強めねばならない明治の日本にとって、
大半が未開拓の北海道は
早急に切り開かなければならない財産です。

しかし海から少し入れば原生林深く道もなく、
開拓は困難をきわめます。

政府が、その開拓に
囚人を使おうと考え始めたのは明治11(1878)年。
西南戦争の直後であります。

反政府のために捕らえられた囚人が数を増し
その処置に苦慮していた政府には
囚人を北海道に送り、それを無料の労働力とすることが
この上ない名案と思えたのでしょう。


明治14(1881)年5月。
河口の町・石狩にもんがたどり着いていました。
少しでも平沼銑次のそばに近づこうという
一途な思いなのです。

小舟から降りてきた男に
シベツ太の集治監のことを尋ねるもんですが、
それを漏れ聞いた甚助が足を止めます。
「集治監なら今行ってきたところだが」

もんは、詳しく話を聞こうと
働かせてもらっているお店に案内します。
もっとも、おかみは
もんがちょくちょく店を出て行くのが気に食わないのですが(笑)。

おかみさん、この娘ちょっと話し相手に借りますよぉ。
甚助は、集治監にもんの思い人がいることを知って
なるだけ多くの情報をもたらしてあげようと考えています。


脱走防止のため、オレンジ色の囚人服に身を包み
移動時も作業時も2人ずつ鎖に繋がれ、
胸元には番号が書かれた布が縫い込まれています。
ちなみに銑次は『三十五號』です。

囚人の生活は、カランカランという
鐘の音に始まり鐘の音で終わります。

作業から帰ると全裸による身体検査が行われます。
日によっては風呂がありますが、5人一組で入浴し
その間、前の組は身体を拭き、後の組は起立待機です。
それが流れ作業で簡単に済まされていきます。

風呂から上がった銑次は、着替えを取ると
指にチクリと痛みを感じます。
指から小さく出血……。

怪訝に感じながらも、
「さっさとしろ!」と看守がうるさいので
何事もなかったかのように服を着ます。

午後5時に作業を終えた囚人たちは
6時すぎには全員獄舎に入れられ翌朝6時まで就寝です。
多くは、慣れぬ仕事に疲れ果てて深い眠りにつきますが、
銑次はいつの間にか胸元に入っていたヤスリを取り出し、見つめます。

──一体誰が?

入浴中の間、囚人服に触れられるのを考えると
本人以外の囚人はまず無理と見てよさそうです。
ということは、「さっさとしろ!」とうるさかった岡浦看守?

──では、いったい何のために?

ともかく、得た材料は後々のために
看守たちの調査が入ってもバレないように
板と板のすき間に隠しておきます。

脱走し、4日目に発見され連れ戻された五郎は
2ヶ月間にわたって独房で管理されていました。

食事は一日2合で菜はなく、
独房内で横になることも許されません。
見るからに、身もボロボロです。

おまけに、今後脱走しないように
4kg弱の鉄の玉を両足につけています。
今後はこの状態で作業に出すのだそうです。
もし脱走の反省の色が見えなければ
鉄の玉を2個ずつ増やしていくとのことです。


北海道開拓使庁に詰める苅谷嘉顕の元に
青年たちが押しかけます。

北海道開拓に合わせて作った船会社や倉庫、
ビール工場などを払い下げる予定なのですが、

政府としては、せっかく作ったものを
いきなり民間に払い下げてダメにするよりも
1クッション置いてから、と考えているようで、

いきなり民間に払い下げるのではなく、
経営してきた政府役人が下野し、引き続き経営することに
“民衆を見くびるな”と彼らは怒りを見せているわけです。

嘉顕は、そんな彼らの言い分を受け入れつつも
開拓使庁が北海道のためを思ってやっていることは
はなから疑わないでもらいたい、と主張します。

帰宅した嘉顕を、植村信吾が訪ねてきました。
良質なバターができた! と自信満々なのです。

試験場で試食した者は全員、気分が悪くなって
食えたものじゃないと拒否されてしまったようです。
嘉顕が味見すると、笑顔で「うまか」と言ってくれたのですが
西洋での生活が長い嘉顕の意見は、正直参考になりません。

信吾は、率直な意見を千代に求めます。

千代は、少々顔を引きつらせながら「お……おいしい」と
笑顔で言ってくれましたが、
それは千代がいい人だから、気を遣っていってくれたのだと
信吾には分かっています。

現に、台所でウッと吐き気を催す千代でした(^ ^;;)


例のヤスリが看守に見つかりました。
銑次の知らないところで、いつの間にかヤスリが入れられ
それを隠しておいたものですが、もしかしたら
銑次を貶めるものだと気がついたのかもしれません。

「名乗り出い!」という看守長の脅迫に
しぶしぶ立ち上がった銑次は、20日間独房に入れられ
その入手経路について激しい拷問を受けます。
しかし、本人は知らないのだから答えようがなく
“森の入口で拾った”としか言えません。

点獄の月形 潔は、囚人たちへの見せしめになれば良しと
銑次を独房から獄に戻し、
今後は身体検査を強化することを看守たちに指示します。

政治犯の住田は、過去に脱走を企て失敗した五郎と
脱走の兆しを見せかけて失敗した(←濡れ衣)銑次の事例を考えると、
ここから逃げることはほぼ不可能で
仮に誰かひとりが成功したとしても、もしそうなれば
残された囚人たちの待遇が悪くなる一方であります。

ということは、後から送り込まれる
何千何万という囚人たちのためにも自分たちがなすべきことは
ここで刑期を終えるまでの期間、
自分たちへの待遇を良くすることであります。

銑次は、くだらないことだと一笑に付します。
そもそも銑次は無実の罪で投獄されているわけで
他にも同様に無実の罪を着せられた者たちはいるはずです。
そんな中で食事1回増やしたところで、どうでもいいのです。

しかし住田は、主張を続けます。

そのうち、住田の声に気がついた看守たちに
外に連れ出され、雨の中 拷問を受けます。


函館で亡兄・苅谷巳代治の墓参りを済ませた嘉顕と信吾は
姉の菊子の所在についても調べてみましたが、
結局のところはどこにいるのか分かりませんでした。

いや、菊子は
今からふたりが向かおうとしている小樽にいるんですけど(^ ^;;)

甚助は、また集治監に行くので
およそ1週間ほどもんを連れて行きたいと
もんを雇っているおかみに談判します。
あ、もちろん休業分は甚助が負担するってことで。

なんでも、森に作業に出かける際に
もんの思い人を一目見させてあげたいという気持ちからなのですが、
おかみは、もんが隠れて見ているだけでは済まないだろうと言います。
「銑さんだか銑次さんだか知らねえけんど、
ワァワァ言って飛び出して追っかけちまうだよ」

お遣いに行っていたもんを連れて、甚助は集治監に向かいます。

ヤスリの一件ですが、きっかけは甚助だったようです。
シベツ太に送られる途中、銑次と会った甚助は
彼が無実の罪を着せられていることを知って、

金に転びそうな岡浦看守を買収し
銑次の囚人服にヤスリを胸元に忍び込まさせたのですが
結局は見つかり、岡浦看守は知らぬ顔。
銑次への拷問となり、失敗に終わります。

銑次に悪いことをしちまった、と
甚助はもんに、せめてもの罪滅ぼしに
一目会わせてあげる、というわけです。


山奥の中に分け入る甚助ともんは
囚人たちが労働しているのが見える場所までたどり着きました。
といっても、バレないようにはるか遠くではありますが。

看守によるむち打ちによろめきながら、
切り株を掘り起こす銑次の姿に
もんは、涙ながらに駆け寄ろうとし
甚助に慌てて止められます。
「堪えるンだ。もんちゃん、堪えなきゃ」

痛々しい銑次の姿を見ていて
涙が止まりません。


作:山田 太一
音楽:宇崎 竜童
語り:和田 篤 アナウンサー
──────────
[出演]
菅原 文太 (平沼銑次)
大原 麗子 (もん)
大竹 しのぶ (苅谷千代)
藤 真利子 (菊子)
──────────
日下 武史 (住田)
高岡 健二 (五郎)
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大滝 秀治 (甚助)
小松 方正 (内山看守長)

加藤 剛 (苅谷嘉顕)
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制作:近藤 晋
演出:清水 満

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