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2014年1月10日 (金)

プレイバック利家とまつ・(02)笄(こうがい)斬り

永禄元(1558)年・春。

尾張国・清洲城の一室で、前田利家は
まつからもらった笄(こうがい)をしおりに
古今和歌集を開いて和歌のお勉強中。
……というか、書見台を前にお昼寝中です(^ ^;;)

ふと目を覚ますと、
幼なじみの佐々成政がすぐ横に座しています。
まんじゅうを作ったから利家に食べてもらってくれ、と
浅野家のおねが成政に預けたようです。

しかし、利家は義理堅く
まつとのこともあるし「食えぬ」と突っぱねます。

「1つぐらい食ってやれぇ。かわいそうに」
おいしそうにまんじゅうをほおばる成政を見ると
しっかりと口止めをした上で、まんじゅうに手が伸び……。
いや、やっぱり止めておきますか(笑)。

書見台に目をやると、
置いておいたはずの笄がありません。
まつからもらった大切な大切な笄です。
書物も台もひっくり返して慌てて探しますが、ありません。

茶坊主の拾阿弥が、
サル(=日吉)がこの部屋に入るのを見たと言うので
利家は馬の世話をする日吉の元に急行し、問いただします。
しかし、確かにその溜まりの間に入ったことは認めたものの
笄のことを問いつめても、何のことだかと首を傾げるばかり。

ハッと我に返った利家は
さては拾阿弥が盗んだと思い込みグーで殴りつけますが、
織田信長は拾阿弥に、もっと調べて見つけて来いと命じます。

「ワシを信じてくださったのは、前田さまが初めてでごぜえやす!」
日吉は利家に土下座して感謝しています。

ただ、笄は比較的すぐに笄が見つかったようで、
これか、と信長から利家に手渡されます。
ただ、盗人の詮議は信長自身に任せてほしいとの条件付きです。
決して詮議は致しませぬ、と利家は信長に手をつきます。

池の向こうでは、梅の花をおねが眺めていますが
それはもちろん、利家がいるのを知った上です。
意識していないフリをしても、チラチラと利家を見ていれば
それは“意識している”以外の何者でもありません。

おねの肩にウグイスがチョコンと乗っかります。

ウグイスは春を告げる吉兆の鳥、
まあ、キレイな声でさえずって! などと
利家との縁を猛アピールしていますが、
「(おねは)うるさくさえずっておるぞ」(by 信長)


信長や利家らは京にいました。

尾張と三河の国境にある前田利久が治める領地が、
上洛途中の今川方に占拠されてしまいました。

ただ、利昌としては今川方に味方する気はありません。
松平元康は、今川につく気がないのはよう分かった、と
利久の領地をそっくり今川方にもらうことにします。
「ご随意に」

強い豪族の蜂須賀党も
今川ではなく織田方に味方しているのを見て、
利昌は、今川方に味方しなかった自らの決断が
正しいものであったと改めて思います。

腕にケガを負い、荒子城に一旦戻った佐脇良之は
利家とまつが好き合うていることをそれとなく伝えますが、
母のたつはそれを認めず、利久と夫婦になるように命令します。

まつの乳母のうめは、前田家におけるまつの待遇が不満で
自分の息子がいる堺に行こうとまつを誘いますが、
まつは利家を荒子で待つつもりでいます。
一途なまつです。


その頃、利家は信長らとともに京にいました。
さらに堺にまで足を伸ばしてみますが、
堺の商人・今井宗久は信長に見向きもしません。

堺という商人の町では、武家も町人もないと示したまでですが、
このころの信長は、たかがちっぽけな
田舎大名と思われていたのも理由のひとつかもしれません。

そんな宗久に、信長は鉄砲を1,000丁作りたいと言い出します。
資金は隣国の今川や斎藤から取ると言うし
上洛を目指す今川については、尾張で滅ぼすと豪語。

さすがは大ウツケはんの言うことや、と大笑いの宗久は
京でも名うての鉄砲鍛冶を清洲に派遣し
刀鍛冶に鉄砲作りを教えさせることを約束します。


京から清洲に戻った利家は
浅野家から、養女おねとの結婚について
正式に申し入れがあったことを聞きます。

まつがいるので断る利家ですが、
まつは利久の嫁に決まったという話を聞いて
利家は衝撃を受けます。

利家は涙目になりながら、まつにもらった笄の経緯を語り
笄を受け取っていながら他家の娘をもらうような男ではないと反論。
それを聞いていた柴田勝家、村井貞勝ら家老も
そんな利家の一途さに心を打たれ、媒酌人を買って出てくれます。

しかし、おねとの婚儀を断ったと知った信長は
前田と浅野が結びつけば、織田にどれだけ利があるか知れぬのに
それが分からない、情にもろい男は織田家にはいらないと突き放します。
「媒酌はサルにでも頼め」


「利家がお前を迎えに来た」
まつを呼び出し、里帰りした利家の隣に座らせて
利昌はポツリとつぶやきます。

利久の妻になれば、戦とは無縁な生活を送れ
日日安穏に暮らせることができますが、
利家の妻となれば、そうもいきません。

まつには、それでも一緒になりたいという覚悟があり
利昌もたつも、ふたりの結婚を認めることにしました。

何から何まで、この私にお任せくださりませ!
後に、まつの元気印となるセリフは
この時に初めてまつの口から発せられました。

後にまつは、こう回想しています。

──ふと天の声が聞こえたような気がしました。
「私に任せておきなさい」

そんな言葉を口に出せるほど大人ではありませんでした。
何かよく分からないものが
私にこの言葉を言わせたとしか思えませんでした。

確かに夫・前田又左衛門利家のことは後々
全て私に任される運命であったのです──。


翌、永禄2(1559)年・夏。
利家とまつに、待望の長女「幸(こう)」誕生。

荒子に集まって、幸を囲むおねとはるですが、
そこへ厳しい表情の(日吉改め)木下藤吉郎と
前田家家臣の奥村家福。
利家が清洲城で事件を起こしたというのです。

まつの笄を肌身離さず持っている利家は女々しい男だと
拾阿弥にバカにされたそうで、
それを知った良之が拾阿弥を斬るといきり立ち
利家は必死に良之を止めたのですが、

信長に助けられて、虎の威を借る狐のように
「肝の小さな男は怖い」となおも毒が止まらない拾阿弥は
突然、バタンと倒れました。
利家が斬ったわけです。

拾阿弥は茶坊主とはいえ、
信長の父・信秀の側室の子ですので
信長とは異母兄弟なのです。

お覚悟をなされませ、と家福の言葉が続きます。
それまで和やかな雰囲気だった前田家が
一気に静まり返ってしまいます。

まつの目が、定まりました。
藤吉郎から預かった笄を懐にしまい、
幸をおねから抱き取ります。
「清洲へ行って参ります」

──私に、お任せくださりませ。

それは、まつがまつ自身に送った
励ましの言葉でもありました。


永禄2(1559)年6月7日、
尾張国荒子城で前田利家・まつ夫妻の長女として生まれる。

慶長3(1598)年8月18日、
太閤・豊臣秀吉が波乱の生涯を閉じるまで


あと39年2ヶ月──。


原作・脚本:竹山 洋
音楽:渡辺 俊幸
語り:阿部 渉 アナウンサー
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[出演]
唐沢 寿明 (前田利家)
松嶋 菜々子 (まつ)
反町 隆史 (織田信長)
香川 照之 (木下藤吉郎)
酒井 法子 (おね)
天海 祐希 (はる)
山口 祐一郎 (佐々成政)

竹野内 豊 (佐脇良之)
高嶋 政宏 (松平元康)
中条 きよし (奥村家福)
松原 智恵子 (安)
的場 浩司 (村井長八郎)
田中 健 (佐久間信盛)
──────────
林 隆三 (今井宗久)
古谷 一行 (千 宗易)
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松平 健 (柴田勝家)
三浦 友和 (前田利久)
赤木 春恵 (うめ)
加賀 まりこ (たつ)
菅原 文太 (前田利昌)
──────────
制作統括:浅野 加寿子
演出:佐藤 峰世

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