大河ドラマ軍師官兵衛・(02)忘れえぬ初恋 〜乱世に芽生えた淡い恋心〜
元服した黒田(小寺)官兵衛は、広い草原を馬で駆け抜けていきます。
幼い頃に結婚を約束したおたつは、小川で洗濯をしていますが
もはや親公認となっているのか、おたつの父・伊吹善右衛門は
馬のいななきを聞いて「若様だ!」と喜んでおたつを呼びます。
官兵衛はおたつに会いに来たのかと思えば、なんとそのまま通過(^ ^;;)
でも、トチモチがあるから家にお寄りください! と言うと
“分かった”と言うがごとく、手を挙げます。
官兵衛が向かった先は、父・黒田(小寺)職隆の元でした。
姫路一円が見渡せる丘の上で、職隆は官兵衛に
主君・小寺政職の近習にという話があることを伝えますが、
官兵衛はあまり乗り気ではなさそうです。
黒田家は、主君から小寺姓を賜ったとはいえ、
所詮は外様の家臣であり言わば信用されていないわけで、
近習になれというのは、官兵衛を人質にというのと同じことです。
「出過ぎた真似はするな。『出る杭は打たれる』」
永禄4(1561)年・播磨御着城──。
近習になるということで、政職に挨拶する官兵衛。
櫛橋左京亮は、官兵衛が生まれたばかりの頃に会ったことがあるそうで
大きく立派に成長した官兵衛を見て、目を細めます。
しかし官兵衛を暖かく出迎えてくれたのは左京亮ぐらいなもので
その息子・左京進でさえ、黒田家を目薬屋と見下げてイビります。
ま、左京亮は政職のいとこだし、田辺庄右衛門も小寺家の筋だし、
近習はほとんどが小寺家の親類縁者であるとなれば
仲間はずれにして優位に立とうとするのが人間の哀しい性ですな。
ただ、先輩として何も教えないなんてイジワルはせず
左京進は官兵衛に近習の役目をしっかりと教え込みます。
翌 永禄5(1562)年・播磨龍野城──。
城主・赤松政秀が小寺領内に攻め込みます。
その軍勢には、職隆を赤松側に寝返らせようとして失敗し
赤松に逃げ込んだ石川源吾の姿もあります。
初陣となる官兵衛は、さすがに武者の血が騒ぐのか
共に出仕している母里武兵衛と叩き合って気合いを入れます。
いざ、という時、先輩の左京進が
先陣を賜りたい、などと言い出します。
さすがに左京亮は父親として「控えよ!」と怒るのですが
政職は、左京進に存分に働けと言葉をかけます。
「戦がどういうものかを教えてやる」
左京進は、官兵衛のすれ違いざまにつぶやきますが、
職隆は、近習として殿のお側近くにあって
お守りするというお役目をしっかりと果たすように励まします。
石川は、引いては攻め、攻めては引くを繰り返し
その行動に惑わされた左京進は完全に自分を見失って
敵の奥深くまで攻め込んでしまいます。
「半ば進み半ば退くは誘也」『孫子』
物見に出ていた官兵衛は、石川の先鋒がワナだと気づき
武兵衛を政職へ報告に向かわせ、自らは職隆の元に。
しかし時はすでに遅く、左京進は石川軍に囲まれ
進むことも逃げることも出来なくなってしまいます。
官兵衛は、幼い頃からこの周辺で遊んでいるので
地理には詳しいです。
抜け道を通って左京進が囲まれている場所まで
たどり着けると踏んだ官兵衛は、職隆らを誘導します。
袋のネズミにしたところで、突然黒田勢が現れたものだから
左京進は歓喜し、石川は舌打ちをして引いていきます。
小寺軍は、何とか勝利することが出来ました。
「余計なことはするな。目薬屋」
左京進は官兵衛に目を剥きます。
久々の姫路で、おたつと海に見に行った帰り
突然の雨に打たれてびしょ濡れで帰って来た官兵衛。
祖父・黒田重隆の庵に立ち寄って一晩泊まっていきます。
そろそろ戻ろうかとした時、突然ひとりの農民が官兵衛を襲います。
ひらりと身を翻して男をかわすと、男は小川に落ちてしまいます。
“栗山村の善助”と名乗るその農民は、あろうことか
自分を家来にしてほしいと言い出します。
そんなゆとりはないと困惑する官兵衛に
重隆は、この男が気に入ったようで
目先のことにとらわれず、家来にしてやれとアドバイス。
「機 失うべからず。時 再び来たらず」
尾張統一を果たした織田信長は、美濃攻略に乗り出し
斎藤龍興の稲葉山城を攻めますが、
敵に手こずった信長は、一旦撤退することにします。
しかし斎藤軍は“渋面埋伏の陣”という戦法をとり、
全軍が伏兵と化し、敵が侵入するや退路を断って
一斉に襲いかかったわけです。
信長軍は、ワナにかかってしまいます。
ピンチを救ったのは藤吉郎でした。
木曽川筋の川並衆に、ありったけの旗と松明を用意させ
あたかも城攻めをしているかのように見せかけたのです。
これで慌てた斎藤軍は撤退していきました。
斎藤の陣には立派な軍師がいるようだ──。
藤吉郎はつぶやきますが、
まさにその軍師……竹中半兵衛が斎藤軍にいたのです。
旗と松明に騙された龍興をチクリと皮肉って
次は必ず信長を討ち取ってみせると宣言します。
この竹中半兵衛こそ、官兵衛を
軍師の道へと誘っていくことになります。
播磨では、職隆の尽力により
御着城の小寺氏と龍野城の赤松氏が和議を結びます。
しかし赤松は、隣接する浦上氏の室津城攻略を
密かに企てていたわけです。
そんな中、浦上氏から
小寺氏と同盟を結ぶ使者が御着城にやって来ます。
勢いにまかせて播磨統一を果たしたい小河良利や江田善兵衛は
この機に同盟を結ぶべきと主張しますが、
海に面した室津を手中に収めると、無駄に赤松をいら立たせ
いつかそれが爆発して攻め込んで来ると考える職隆や官兵衛。
御着城は、同盟を結ぶか否かで家臣団が紛糾します。
1ヶ月後、政職は浦上と同盟を結び
小寺氏のしかるべき姫が室津に向かうことで
婚姻関係を結ぶことになりました。
「私のときと同じ」
政職の正室・お紺は、自らも政略結婚の道具とされていたので
今回のことも自らの身に重ね合わせています。
好きな女子がいるなら、手を離さぬこと──。
お紺は、官兵衛にそっと教えます。
お紺の一言が心に響いたのでしょうか。
官兵衛はその足で、おたつの元に向かいます。
しかしおたつは、どこかよそよそしい感じ。
善右衛門に話を詳しく聞いてみれば、
その浦上家に嫁ぐ者として
おたつに白羽の矢が立ったそうです。
善右衛門から願い出た話なのだそうですが、
一旦は職隆の養女とし、
それから室津に嫁ぐという段取りです。
「たつはきっと幸せになります」
官兵衛は、あまりのショックに
去ってゆくおたつの姿を見ることも出来ません。
永禄7(1564)年 正月──。
おたつは輿に乗って室津へ去っていきました。
そのころ、龍野城では
祝言のころを見計らって攻め込む計略です。
音を立てず、しずしずと進軍する赤松軍。
不気味です。
「赤松が兵を挙げて、室津城に向かったそうです!」
武兵衛からの報告を受けて、官兵衛は夜の道を
馬を走らせます。
作:前川 洋一
脚本協力:穴吹 一朗
音楽:菅野 祐悟
題字:祥洲
語り:藤村 志保
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[出演]
岡田 准一 (黒田(小寺)官兵衛)
若山 耀人 (万吉(回想))
塩見 三省 (母里小兵衛)
谷原 章介 (竹中半兵衛)
高岡 早紀 (お紺)
益岡 徹 (櫛橋左京亮)
尾藤 イサオ (伊吹善右衛門)
近藤 芳正 (柴田勝家)
大谷 直子 (土田御前)
濱田 岳 (栗山善助)
永井 大 (母里武兵衛)
金子 ノブアキ (櫛橋左京進)
南沢 奈央 (おたつ)
──────────
江口 洋介 (織田信長)
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竜 雷太 (黒田重隆)
片岡 鶴太郎 (小寺政職)
竹中 直人 (木下藤吉郎)
柴田 恭兵 (黒田(小寺)職隆)
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制作統括:中村 高志
プロデューサー:勝田 夏子
演出:田中 健二
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』
第3回「命の使い道」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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