プレイバック利家とまつ・(09)明智病
永禄9(1566)年、墨俣一夜城を完成させた功績により
金のひょうたんの馬印を信長に認められた木下藤吉郎秀吉。
前田利家は、秀吉の思わぬ出世に少しひがみ気味です。
永禄10(1567)年初頭、織田信長は
父・信秀以来の宿願であった美濃攻略を果たしたわけです。
岐阜城書院に入った利家は、
織田家に大きな影響を及ぼすことになる男と対面を果たします。
『天下布武』──。
その男が筆で書き記した『天下布武』とは
武力を以て天下を治めるという意味です。
その男とは、明智十兵衛光秀であります。
今はまだ朝倉家で禄を食み、将軍のお側に仕える御仁なので
信長も光秀を上に立てていますが、
将軍の関係者と知って、家臣一同は一様に驚きを隠せません。
将軍──無論今だ将軍ではない──足利義昭は今、
越前朝倉家に逗留しており
朝倉義景に上洛を促しているらしいのですが、
その気があるのかないのか、全く動く気配なし。
なので、細川藤孝と相談して
信長を頼ってやって来た、というわけです。
義昭にとっては上洛を果たして将軍になれるし
信長にとっては義昭を奉じて
上洛を果たす大義名分が出来たというわけで
両者にメリットがあります。
ただ、ドキリとすることを光秀は言い放ちます。
「いずれ、足利将軍家は消え去りましょう」
もしそうなれば、義昭を奉じて上洛した信長が単独権力者となり
天下に号令することが出来ます。
信長は光秀に義昭との斡旋を頼み、
成功報酬として禄高3,000貫を与えると約束します。
岐阜城に、荒子城主で利家の兄・前田利久が呼び出されます。
多分お屋形さまからお叱りだろう、と寂しく笑う利久ですが
信長はひどく機嫌が悪いらしいと知って、かなりうろたえます。
光秀への報酬の大きさに、織田家家臣団がへそを曲げ
重役会議の日というのに仮病を使って出仕拒否をしているのです。
佐久間信盛、丹羽長秀、佐々成政、それに秀吉まで。
そりゃ信長は怒ってしまいますわな。
利久を呼び出した信長は、つねの子・慶次郎に
前田家を継がせるつもりなのかと利久に柿の実を投げつけ
前田家の家督のことはいずれ沙汰する、と命じて下がらせます。
村井長八郎が連れて来た、ゆうという三河の侍の妻が
佐脇良之との子を身ごもったらしいです。
良之は市の浅井家輿入れに同行させる話もあるので
もし結婚するならその前に、と何も知らない信長は言いますが
何せ相手は人妻でありますし、夫は盟友松平家の侍でもあるので
利家はまつをゆうに会わせ、身ごもった話は本当かを確認させます。
ゆうは、良之との子を産めないことはよく承知しています。
産めば、佐脇家をはじめ前田家にまで迷惑をかけてしまいます。
子どもはどうするのかと心配するまつに、気を鎮めたゆうは
そのまま三河へ帰ることにしました。
利家の家に戻ったまつは、ゆうは身ごもっていなかったと言い
良之の問いにも一切答えようとせず、冷徹な女を貫きます。
すべては、前田家のためであります。
ゆうと別れたことで、浅井行きを決心した良之でした。
永禄11(1568)年7月25日・美濃立政寺。
第十五代将軍職、足利義昭さまにござりまする──。
烏帽子姿の信長と、
柴田勝家をはじめとする織田家家臣団一同がひれ伏す中
足利義昭が家来を引き連れて入ってきました。
原作・脚本:竹山 洋
音楽:渡辺 俊幸
語り:阿部 渉 アナウンサー
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[出演]
唐沢 寿明 (前田利家)
松嶋 菜々子 (まつ)
反町 隆史 (織田信長)
香川 照之 (木下秀吉)
酒井 法子 (おね)
天海 祐希 (はる)
山口 祐一郎 (佐々成政)
竹野内 豊 (佐脇良之)
田中 美里 (市)
加藤 雅也 (浅野長吉)
的場 浩司 (村井長八郎)
梅沢 富美男 (丹羽長秀)
田中 健 (佐久間信盛)
羽田 美智子 (ゆう)
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萩原 健一 (明智光秀)
三浦 友和 (前田利久)
名取 裕子 (つね)
池内 淳子 (ふく)
松平 健 (柴田勝家)
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制作統括:浅野 加寿子
演出:佐藤 峰世
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