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2014年3月28日 (金)

プレイバック黄金の日日・(10)南海の館

ラカンドーラの前に引きずり出された石川五右衛門。

助左は、五右衛門は自分の友だちだと助命嘆願に動きますが
これでもか、と杉谷善住坊を狙った
弓と矢を証拠に出されます。
「戦の他は、人を殺さぬのがトンド族の掟だ」

掟に背いた者は腕を切る、と冷たく言い放ちますが、
五右衛門に命を狙われたはずの善住坊が
ワーッと叫びつつ前に出て五右衛門を守ります。

このことは自分たちで片を付ける。
だからそっちの指図は受けぬ! というわけです。
これには、さすがのラカンドーラも
「勝手にせい」とあきれ顔ですが(笑)。

五右衛門に膝を突き合わせて訳を探る助左は
彼が今井宗久の命を受けて善住坊の命を狙ったと打ち明けます。
そして助左たちの元を飛び出していきますが、
善住坊はこれといって反応がありません。

「アイツのことは、ワシの方が分かっているかもしれんな」
命を狙われて殺されかかったのに、呑気な善住坊です。

翌朝、漁のために出かけた善住坊。
その背後には、弓を持った五右衛門がおります。

フッと目覚めた助左が善住坊の姿がないのに気づき
浜辺へ出てみると、
五右衛門が持っていたはずの弓が足元に転がっています。

まさか──!!

そう思って海の方を見てみると、
足にケガを負った善住坊を背負って立つ
五右衛門の姿がありました。

漁に夢中になるあまり、
銛(もり)で自分の足を突いてしまって動けなくなり
溺れかかったところを五右衛門が助けてくれたようです。
五右衛門がいなければ、それこそ落命するところでした。

この辺りはサメが多いからな、と笑っています。

そんなふたりを見て、
助左は人間の器として自分の小ささを嘆き
大きな人間になってみせる! と決意表明します。


ある雨の日、善住坊を訪ねてきたノーラは
善住坊に首飾りを手渡します。
「ありがとう」とそのまま受け取る善住坊ですが
ノーラの様子が少し変です。

妙に恥ずかしがっているわけです。

助左や五右衛門は、その首飾りは
“私をお嫁さんにしてください”
という意味だと瞬時に理解します。

途端にモジモジする善住坊。

見てらんない、と背中を向ける助左と五右衛門ですが、
すぐに振り返ってみると、そこにはラカンドーラの姿が。
ラカンドーラはノーラの前で首飾りを掴んで投げ捨てると
善住坊に平手打ちします。

助左の発案で家を建てようとしたときも
作っては崩し、作っては崩し……でした。

家を造るということは、
その島の仲間になったということを意味するわけで、
それを認めたわけではない彼らが家を造ることは
ラカンドーラとしてはどうしても許せないのでしょう。

嫁取りもそれと同じなのかもしれません。


ノーラが助左に助けを求めます。
エルジム少年がケガをして海で溺れているらしいのです。
そして、それを狙うサメが……。

助左と五右衛門は夢中で海に飛び込み、
善住坊は王の館に行ってラカンドーラから鉄砲を奪い取り
サメを狙って一発放ちます。
善住坊を見つめるノーラの目……(^ ^)

ともかく、少年はなんとか救出できました。

そこに駆けつけてきたラカンドーラとマリキットらですが
助左は、善住坊から鉄砲を奪い取ると
ラカンドーラに投げ渡し、黙ってその場を立ち去ります。

しかし、ルソンの統一を願って
ラカンドーラと手を組んでいたハギビスの指揮で、
立派な家が建てられているのを見つけた助左たち。

最初こそそれがハギビスの家だと思っていましたが、
そこにいたマリキットが、助左たちの家だと教えてくれました。
嬉しくなって、家作りに参加する三人です。

他人の家を、協力し合って造るというのは
当時のルソン島の風習では、最高の信頼の証しなのだそうです。

王女を助け、村民を助け、そして仲間を守る。
そういう、見返りを求めない行動こそが
頑な国王の心を溶かしていったのかもしれません。

助左たちは、ラカンドーラから首飾りを授けられます。
「おのれの国と思って、末永く暮らしてくれ」


元亀2(1571)年4月──。
今井兼久と美緒との婚儀が開かれます。

とはいえ、美緒は兼久と奉公人・梢の関係を知っていますし
兼久は美緒を妹としてしか見ていません。
お互いに好き合って結ばれる結婚でないだけに
なかなか困難な船出であります。

堺でひと組の夫婦が結婚するこの日、
南海の島でもひと組の夫婦が誕生しようとしていました。
善住坊とノーラです。

そこへ駆けて来る五右衛門です。
「日本へ……日本へ帰れるぞ助左」
沖合に、南蛮船が碇を下ろしているそうです。
それに乗れば、日本へ帰れるかもしれません。

悩む助左です。

結論は……善住坊だけルソン島へ残して
助左と五右衛門は日本に帰る、です。
善住坊は“信長狙撃犯”というお尋ね者なので
日本に帰っても命はない、というのです。

どうにか善住坊を説得し、五右衛門と沖へ急ぐ助左ですが、
「もう一度、堺の土を踏みたいンじゃ」と善住坊がついてきます。
その願いに、善住坊も連れて南蛮船に乗り込もうとしますが
浜辺には、ラカンドーラやハギビスが彼らを待ち構えていました。

「恩をあだで返すのか」
そう言われてしまっては、何も言い返せない彼らですが、
帰るときには土産ぐらい持ってゆけ、と笑顔で送り出してくれます。

ラカンドーラに、そしてハギビスに
そして彼らを追って来たマリキットとノーラに
もう一度来ると約束し、いかだに乗り込む三人。

故国で待つのは死のみであることを知っている善住坊、
自分の船に交易の品を積んでの再来を決意している助左、
与えられた使命を果たせなかった五右衛門。

秋の嵐に運ばれて来た3人の命は
初夏の南風に乗って帰国の途につきました。

助左が、再びこの地を訪れるのに10年の歳月を要するとは
知る由もありませんでした。

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原作:城山 三郎
脚本:市川 森一
  :長坂 秀佳
音楽:池辺 晋一郎
語り手:梶原 四郎
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[出演]
市川 染五郎 (助左)
林 隆三 (今井兼久)
川谷 拓三 (杉谷善住坊)
根津 甚八 (石川五右衛門)
小野寺 昭 (小西弥九郎)
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ビック・バルガス (ラカンドーラ)
セリー・デ・カステロ (ノーラ)
プリンセス・アキノ (マリキット)
ロベルト・アレバロ (ハギビス)
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栗原 小巻 (美緒)
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制作:近藤 晋
演出:岡本 憙侑

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