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2014年3月23日 (日)

大河ドラマ軍師官兵衛・(12)人質松寿丸 〜最愛のわが子よ! 母の悲痛〜

「播磨へ行け! 毛利攻めを始めよ」
羽柴秀吉による播磨出兵が、ようやく決まりました。
黒田(小寺)官兵衛にとっての、2年越しの念願が
ついに叶ったわけです。

天正5(1577)年8月。

本願寺門徒であることを理由に
本願寺を執拗に攻撃する織田方に味方した黒田家を見限り、
しかし戦で怪我をして行く当てもなく戻ってきたお道が
プロポーズを受けて結婚した栗山善助の子を身ごもりました。

それを聞いた官兵衛も大喜びですが、
善助は嬉しさのあまりパニックです(笑)。

武家社会に茶の湯が流行していたこの時代
名物と呼ばれる茶道具は一国一城に匹敵するほどの価値があり、
冨と権力の象徴であります。

平蜘蛛……正式には「古天明平蜘蛛」という茶釜は
簡単に言えば茶の湯に使用する茶道具の一種でして、
茶に使用する湯を沸かすための釜のことであります。

蜘蛛が這いつくばっているような形をしているので
「平蜘蛛」と呼ばれております。

茶釜は他の多くの茶道具とともに鑑賞の対象となりまして、
この名器「平蜘蛛」も
信長が喉から手が出るほど欲していたにも関わらず
所有者の松永久秀は頑として譲らなかったというものです。

その大和の国主・松永久秀が、突如として信長に反旗を翻し
居城である信貴山城に立てこもります。

お屋形さまがあれほど目をかけてやったのに、と丹羽長秀はご立腹。
「足利義昭様にそそのかされたのでは」と明智光秀は推測しますが
信長は、反逆の理由もさることながら
光秀が“様”とつけたことを咎め、ギロリと睨みつけます。

信長は、播磨入りは久秀が片づいてから、とし
久秀の二の舞は許さぬと
播磨の主だった大名から人質を取るように秀吉に命じます。


その人質の件は、当然ながら小寺家にも届きます。

たった一人の息子・斎(いつき)と双六遊びをする小寺政職ですが
妻・お紺から「織田と命運を共にするお覚悟を」と迫られ
分かっておる! と出て行きます。

双六は、一昨年前の大河ドラマ『平 清盛』で
何度も見せられて以降久々ですが、
こちらは実にのんびりと双六していましたね。

『平 清盛』の時は、政治の道具に使われたというか
権力争いの象徴のような扱いだったので、
同じ双六でも、見方が違えばこうも異なるものか、と
ふと思いました。

さてその斎ですが、数日前から発熱ということで
人質に出すのは先延ばしにしてほしいと政職から申し出があり
官兵衛は、仕方ないと秀吉に相談してみることにします。


籠城を続ける久秀。
信長は岐阜にいる嫡男の織田信忠に
久秀追討の命を下します。

人質となっていた久秀の子は首をはねられ……。

そんな中、官兵衛から羽柴秀吉に届いた
人質の件の先延ばしの書状。

信長の人への疑いがますます深くなっていくこの時に
赤松や別所のようにさっさと人質を出さないと
小寺は毛利に寝返ったと騒ぎは大きくなり
実にマズいことになりかねません。

秀吉からは、お叱りの書状が届きます。

まあ、斎は最初こそ仮病だったらしいのですが
そのうち本当に病になってしまったようで
官兵衛は、小寺家の人質として松寿丸を出すことを考えます。

「それはなりませぬ!」
光が、珍しく声を荒げます。

もし裏切れば人質は殺されてしまいます。
光が心配しているのは、
御着の政職が織田家を裏切るか裏切らないか、なのです。

もはや残された時間がない官兵衛が
光を必死に説得しますが、得心がいかぬと猛反発を受け
当然、人質のことも承諾をもらえません。


10月10日、信忠の攻撃が激しさを増し
久秀が立てこもる信貴山城は、
いよいよ落城の時を迎えていました。

久秀は平蜘蛛の中にろうそくを突っ込み
中の火薬を爆発させて自らも爆死という道を選びます。


「私が人質に参ります」
夫婦の話し合いも平行線を辿っていた中、
人質の件を漏れ聞いていた松寿丸が
自ら名乗りを上げます。

黒田(小寺)職隆に
幼い官兵衛に助けられたことを聞かされ、
自分も黒田家を助けたいと強く願ったのだそうです。
そして、見聞を広めるために人質に……。

人質とは何かを分かっているまい、と
光は松寿丸を平手打ちしますが、
官兵衛は、お役目の重要さを説いた上で
いつか必ず迎えに行く、と人質に出す決心をします。

官兵衛とともに姫路城を出る松寿丸。

松寿丸を見送る職隆、そして光の目に
涙がいっぱいたまっています。


しかし、悩んだ挙げ句のこの決意に
織田家では驚くほど冷ややかな反応です。

それでも官兵衛は、一子を人質に出すことで
小寺家を織田家に従わせると言い、
もしそれでも信ぜずば
自分を斬ってくれと信長に迫ります。

「親子の情か……ワシには分からぬ」
信忠をチラリと見た信長は、松寿丸の身柄を秀吉に預け
秀吉とともに毛利を滅ぼせとの命を下します。

それから間もなく、秀吉は播磨を目指して出陣。
信長による、播磨を舞台とした中国攻めが
ついに始まったわけです。
織田と毛利の壮絶な戦いの幕開けです。


天正5(1577)年10月10日、
織田軍が信貴山城に総攻撃をかけ、
松永久秀が茶釜に爆薬を仕込んで自爆する。

慶長3(1598)年8月18日、
太閤・豊臣秀吉が波乱の生涯を閉じるまで


あと20年10ヶ月──。


作:前川 洋一
脚本協力:穴吹 一朗
音楽:菅野 祐悟
題字:祥洲
語り:広瀬 修子
──────────
[出演]
岡田 准一 (黒田(小寺)官兵衛)

中谷 美紀 (光)

谷原 章介 (竹中半兵衛)
内田 有紀 (お濃)
高岡 早紀 (お紺)
春風亭 小朝 (明智光秀)

濱田 岳 (栗山善助)
速水 もこみち (母里太兵衛)
高橋 一生 (井上九郎右衛門)
金子 ノブアキ (棚橋左京進)
勝野 洋 (丹羽長秀)
藤吉 久美子 (ぬい)
ミッキー・カーチス (松永久秀)

江口 洋介 (織田信長)
──────────
片岡 鶴太郎 (小寺政職)
鶴見 辰吾 (小早川隆景)
黒木 瞳 (おね)
竹中 直人 (羽柴秀吉)
柴田 恭兵 (黒田(小寺)職隆)
──────────
制作統括:中村 高志
プロデューサー:勝田 夏子
演出:大原 拓


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』
第13回「小寺はまだか」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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