大河ドラマ軍師官兵衛・(13)小寺はまだか 〜男の嫉妬? 武士の面目?〜
織田家への同盟の証として、
小寺家の代表として松寿丸は人質となり
羽柴秀吉の元に預けられることになりました。
そしてついに、天正5(1577)年10月
織田の毛利攻め総大将として秀吉が姫路に到着します。
城主たる黒田(小寺)官兵衛は、姫路城を秀吉に進呈するという
大胆なやり方で秀吉を出迎え
その前代未聞のやり方に感激した秀吉は
官兵衛と義兄弟の契りを交わします。
ただ、父の黒田(小寺)職隆は
姫路城明け渡し、秀吉との義兄弟の契りなど
御着城の者たちがどう思っているのか
気になるところであります。
まぁ案の定、小河良利や江田善兵衛、棚橋左京進らは
出しゃばりの官兵衛め! と小寺政職に言いつけるわけですが、
政職には事前に官兵衛から相談があったようで
それを認めてしまっている以上、官兵衛の味方であります。
姫路城には、秀吉に拝謁するため
播磨の主だった地侍たちが続々と訪問。
それも残すは別所・小寺・上月・福原の4家となりました。
上月と福原は、毛利方の宇喜多に属していて
恐らくはこちら側になびくことはないでしょう。
ゆえに残すは別所と小寺の2家です。
「三木の別所殿がお越しにございます」
てっきり当主の別所長治が現れるかと思ったら
秀吉に挨拶したのは
流行病に伏せる長治の叔父、別所重棟でした。
おかしい、と思って官兵衛が重棟に聞いてみれば、
長治の叔父で重棟の兄である別所賀相が
長治が行くなら自分を斬ってから、とごね出して
重棟が名代として現れたという次第です。
続いて現れた小寺。
官兵衛は当然ながら政職が来るものと信じていましたが
現れたのは良利であります。
政職は流行病に伏せっているそうです。
「播磨病が流行っているようじゃな……皆のものも気をつけよ」
秀吉が少し不機嫌そうに出て行きまして、
これはマズいぞ、と官兵衛は目を細めています。
急ぎ御着城に入った官兵衛は
当然元気な政職に秀吉への拝謁を勧めますが
百姓上がりの秀吉に挨拶しては面目が立たぬと拒否。
さらに官兵衛が秀吉と義兄弟の契りを交わしたことを知って
今度は嫉妬を始め、怒って出て行ってしまいます。
一筋縄では行かなそうな播磨の平定。
しかし別所には重棟が、小寺には官兵衛がおります。
両方をつなぎ止めておくことが大事、と竹中半兵衛が言うと
秀吉は、重棟の娘と官兵衛の息子の縁組みを思いつきます。
一方、摂津では
信長による石山本願寺攻めはすでに7年に及び泥沼化。
死者の数だけがいたずらに増えていきます。
攻撃側の荒木村重軍の中に、一向宗門徒がおり
月の出ない暗い夜には本願寺と行き来する船があって
兵糧を運び出しているようです。
村重は、すぐにその情報の真偽を確かめさせますが
戦に参加する高山右近は、戦の意義を失ってしまっています。
11月20日、信長は正親町天皇より
「従二位 右大臣」に任命されます。
これは、鎌倉幕府第三代将軍・源 実朝以来
およそ360年ぶりのことであります。
しかし、官位のことは信長にはどうでも良く
本願寺の件が一向に片づかないことに苛立ちを見せます。
村重は、兵も疲弊しているし
一旦和睦を、と信長に注進してみますが
信長が受け入れるはずもなく。
信長は、毛利から本願寺へ運び込まれる兵糧を絶て、と
九鬼嘉隆に作らせている鉄で覆われた船の図面を
明智光秀と村重に見せます。
「門徒どもを根絶やしにしてみせるわ」
秀吉と義兄弟の契りを交わしたという誓紙を
官兵衛は半兵衛に見せますが
半兵衛はその誓紙を火鉢の中に入れてしまいます。
驚き、そして激昂し刀を抜く官兵衛に
何か思い違いをしておられる、と半兵衛はズバリ指摘します。
今の官兵衛は、ただ秀吉に喜んでもらうためだけに
播磨中をかけずり回っているに過ぎないのではないか?
官兵衛のもともとの希望は?
確かに最近の官兵衛は、思い詰めたら最後
周りも見えて来ない状態に陥っているようで
両方の瞳に“秀吉LOVE”とでも書いているかのようです。
紙切れよりも大事なことがあるはず、と
冷めた目で官兵衛を一瞥し、立ち去ります。
「大義の前に、つまらぬ面目など無用」
半兵衛の行動で、己のことを思い直した官兵衛は
思い切って秀吉に逆の提案をしてみることにします。
つまり、今までは御着の政職を
秀吉の前に連れてくることを考えていましたが、
それの逆……秀吉を政職の前に連れて行くのです。
しかし、「羽柴筑前守秀吉」として連れて行けば
自ら秀吉の前に会いに行った
周辺の諸大名たちから文句が出るのは容易に考えがつきます。
ゆえに、荷駄を引く農夫に化けて、御着城に入ります。
最初こそ「バカにしおって!」と官兵衛を睨みつける政職ですが
農夫が秀吉だと分かると、慌てて手をついて頭を下げます。
織田に二心ある顔ではない──。
政職の顔を見てそう言った秀吉は、政職に
播磨の西に進軍する際に力を貸してほしいことと
播磨平定のために、しばらくの間
官兵衛を自分に貸してほしいと頼み込みます。
信長の名代・秀吉にそう言われては、政職も断る理由もなく
官兵衛に「秀吉殿の手足となって働け!」と言うしかありません。
11月、秀吉率いる8,000の軍勢は西播磨へ進軍。
そして毛利に味方する福原助就の居城・福原城の
攻略に取りかかります。
「天下統一……天下統一が成れば戦がなくなります」
半兵衛と再会した官兵衛は、半兵衛が言っていた
紙切れよりも大事なことが分かった、とつぶやきます。
「さよう。この乱世を終わらせるのです」
乱世を終わらせ、天下泰平の世を作る。
一度は世を捨てた身ながら、秀吉の元で再び働くことにしたのも
全ては泰平の世を作るため。
これは“我々”軍師としてとても面白く重要なお仕事です。
「我々?」
「そう、あなたも。軍師、官兵衛殿」
天正5(1577)年11月20日、
正親町天皇が織田信長を従二位右大臣に昇進させる。
慶長3(1598)年8月18日、
太閤・豊臣秀吉が波乱の生涯を閉じるまで
あと20年9ヶ月──。
作:前川 洋一
脚本協力:穴吹 一朗
音楽:菅野 祐悟
題字:祥洲
語り:広瀬 修子
──────────
[出演]
岡田 准一 (黒田(小寺)官兵衛)
中谷 美紀 (光)
谷原 章介 (竹中半兵衛)
春風亭 小朝 (明智光秀)
生田 斗真 (高山右近)
田中 哲司 (荒木村重)
濱田 岳 (栗山善助)
速水 もこみち (母里太兵衛)
高橋 一生 (井上九郎右衛門)
金子 ノブアキ (棚橋左京進)
田中 圭 (石田三成)
江口 洋介 (織田信長)
──────────
片岡 鶴太郎 (小寺政職)
黒木 瞳 (おね)
竹中 直人 (羽柴秀吉)
柴田 恭兵 (黒田(小寺)職隆)
──────────
制作統括:中村 高志
プロデューサー:勝田 夏子
演出:田中 健二
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』
第14回「引き裂かれる姉妹」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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