« 当然の結果 | トップページ | バス停について本気出して考えてみた(65) »

2014年3月18日 (火)

プレイバック利家とまつ・(14)比叡山の赤ん坊

元亀元(1570)年9月12日、猛烈な雨の中を
大坂進出のために天満の森に兵を進めた織田信長軍は
浅井・朝倉と同盟を結んだ大坂本願寺から攻撃を受けます。

浅井・朝倉・本願寺 vs 織田、という構図こそ
以後11年に渡って続く『石山合戦』の始まりであります。

9月14日、かすがい堤の合戦で
先陣の佐々成政が鉄砲で撃たれ重傷を負うなど織田軍は苦戦。

しかし前田利家の奮闘ぶりに織田軍は士気を取り戻し
かろうじて辛勝します。
信長はこの利家の働きを『堤の上の槍』と称え
近江今浜の1万石を利家に与えます。

利家は、1万石は返上するから
佐脇良之を織田家に帰参させてやってほしいと願い出ますが、
信長はあっさり「否」だそうです。
市の元から勝手に戻ってきたことを怒っているようで、
顔も見たくない、といった感じなのだそうです。

村井又兵衛は、荒子城で酒を持って来た
志づという侍女に一目惚れ。
嫁にもらうと突然まつに言い出します。

ただ、織田軍が比叡山攻めをしている今
時期的に婚儀は難しいという考えです。

比叡山は、伝教大師 最澄が開山して以来
国家鎮護の霊場であり、
天台宗の聖地として広く人々の崇敬を集めていました。

天下布武を唱えている信長は
宗教が政の世界に関与することを極端に嫌いました。
そのために、一向一揆や大坂本願寺とも
血みどろの戦いを繰り広げていたのです。

もし比叡山を焼くことになったら、坊主になる──。
又兵衛としても、まつとしても、心境は複雑です。


11月・南近江 三井寺。

将軍足利義昭は、浅井朝倉の兵が逃げ込んだ比叡山と
和議を結んではと提案しますが、信長は一蹴します。
いくら比叡山といえども、寺は焼き払い僧は皆殺しにする。
頭を下げる義昭に信長は顔色を変えずに言います。


信長が、なぜ良之を遠ざけているのかが分かりました。
全ては木下秀吉の計略であったのです。

つまり秀吉は、惚れている市を我がものにするために
小谷攻めの際に自分が市を助け出して
信長からの評価を上げておかなければなりません。
信長から許可をもらい、市を嫁に迎えて子どもを産ませる。

その計画を遂行するためには、
市のお側近くにいる良之はもはや邪魔者なだけです。
利家が真の友である秀吉に頭を下げて頼んでも、
どうりで上手く事が運ばないわけです。

農民の出であるから、高貴な姫には執着している、とは
柴田勝家の見方です。
「おねは……無論離縁じゃ。おねにはややが産めぬ」


あくまでも比叡山を攻撃するつもりの信長ですが、
勝家、明智光秀を始めとする家臣たち全員が信長にひれ伏し
寺を攻撃することで人心を冷やし、天下布武を遠くさせると
比叡山と和議を結ぶことを勧めます。

信長は、将軍の顔も立ててやるかといった感じで
比叡山と和議を結ぶことにします。

一方で、秀吉の近江調略の手は伸びて来ておりまして、
小谷城の浅井長政は窮地に陥っていました。

元亀2(1571)年 春・北近江 小谷城。
約束を破った信長との戦いは、どちらかが滅ぶまで続くでしょう。
長政は市に、岐阜に帰るように勧めますが、市は笑って首を振ります。
「私の首を信長に送り届ければよろしゅうございます」


8月、又兵衛と志づとの婚儀が荒子城で開かれました。
比叡山攻めの噂が聞こえなくなっていたためです。

そして、この結婚を誰よりも喜んだのは良之でした。
ただ、酒が少々過ぎているようで秀吉の悪口を声高に叫び
秀吉に利用されているだけというのが分からない兄・利家に
食って掛かります。

その取っ組み合いの兄弟喧嘩も、
又兵衛の婚儀だからとすぐに収まり
良之が「兄上、じゃれてすまんの」と詫びを入れたことで
再び祝いの場に戻ることが出来たのですが、

比叡山を取り囲む戦の支度を整えよ、との
信長からの命令が届きました。

病に伏せる母・たつは、
男は美しく働きなさい、と旅立つ良之に鏡を与えます。
そして、利昌が若い頃に使っていた赤い甲冑を身に着け
無精髭を剃り、信長軍に参上します。


9月12日、信長軍3万は比叡山を攻撃し
延暦寺を焼き払って僧俗の男女数千人を殺戮します。

必死に戦う良之は、僧兵からの攻撃を受けながら
どこからか赤子の泣き声を聞きます。
その方を見ると、炎の中です。
良之は急いで寺の中に入ります。

倒れた母親の横で、赤子が泣きじゃくっていました。
良之は赤子を抱き、そのまま比叡山を下りて来てしまいます。


まつが、その赤子を抱いていました。

「仏さまは良之さまに、命の大切さをお教えくださいました」
一時期は気持ちが荒んでいた良之が
生まれたばかりのたったひとつの命を大切にしたことに
まつは嬉しくて感動の涙を流します。

この女の子は前田家の三女として
後に秀吉の側室となる数奇な運命を辿ることになります。


元亀2(1571)年9月12日、
織田信長が比叡山延暦寺を焼き払い、
僧侶や学僧、上人らをことごとく殺害する。

慶長3(1598)年8月18日、
太閤・豊臣秀吉が波乱の生涯を閉じるまで


あと26年11ヶ月──。


原作・脚本:竹山 洋
音楽:渡辺 俊幸
語り:阿部 渉 アナウンサー
──────────
[出演]
唐沢 寿明 (前田利家)
松嶋 菜々子 (まつ)
反町 隆史 (織田信長)
香川 照之 (木下秀吉)
酒井 法子 (おね)
天海 祐希 (はる)
山口 祐一郎 (佐々成政)

竹野内 豊 (佐脇良之)
田中 美里 (市)
葛山 信吾 (浅井長政)
的場 浩司 (村井又兵衛)
田中 健 (佐久間信盛)
──────────
萩原 健一 (明智光秀)
加賀 まりこ (たつ)
池内 淳子 (ふく)
松平 健 (柴田勝家)
──────────
制作統括:浅野 加寿子
演出:本木 一博

|

« 当然の結果 | トップページ | バス停について本気出して考えてみた(65) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 当然の結果 | トップページ | バス停について本気出して考えてみた(65) »