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2014年4月 8日 (火)

プレイバック黄金の日日・(13)戦国哀史

元亀元(1571)年10月3日・岐阜──。

“放て!”の号令とともに、幾多の銃口から銃弾が飛び出し
とてつもなく大きな銃声があたり一帯に響きわたります。

銃口から火薬を詰め、弾を込め、
朔杖(カルカ)という木の長い棒で銃口から差し込み
シャカシャカと火薬と弾を押し込めます。

そして朔杖を銃の筒の下の部分に収納し
火皿に火薬(口薬=着火薬)を少量盛り、
火蓋を閉じて、その後火縄を火鋏につけて構えます。

射手は指揮官の合図で火蓋を開け(=火蓋を切り)、
「放て!」の命令で発射……。


その一部始終を見ていた織田信長は少しいら立ちながら
「命中率は天下一だが火縄の持ちが悪い」と
銃を作らせた今井宗久に
なお一層の工夫を重ねるように命じます。

信長がいら立つのも無理はありません。
甲斐の武田信玄が上洛するというウワサが早くからありまして
それを迎え撃つ前に、近江の浅井長政と
伊勢長島の一向宗門徒を潰しておきたいのです。


火縄への工夫を重ねろ、と言われても
確かに竹を使った火縄は
火移りは良くても湿気に弱くて火が長持ちしません。

お仙が暮らす小船の中で
火が長持ちするように頑張ってみる助左の横で、
杉谷善住坊はケラケラと笑いながら、
いとも簡単に火を長持ちさせています。

竹ではなく、木綿を火縄に用いたのだそうです。

そんな会話を交わしているとき、ちょうど
今井兼久の乗った輿が真横を通り過ぎます。
最後尾からトボトボとついてゆく梢は、
火縄が焼ける臭いに気づき、小船の中の様子をうかがいます。

「善住坊が生きている!?」
かつて、善住坊は琉球丸が難破した時に落命したと言っていた
その助左も一緒だった、と梢は兼久に報告します。

兼久はそのままお仙の暮らす小船に向かい
助左と善住坊を生け捕りにします。


今井館で閉じ込められているふたりは、宗久と対面。
「今まで堺に隠れていて、よくも見つからなかったな」と
善住坊を殺せと命じた張本人は、驚くほど冷静です。

ただ、そもそも善住坊に信長を銃殺せよとそそのかしたのは
六角承禎からの依頼を受けた兼久でありまして、

信長を討ち損じた善住坊に対し
「その場で切腹すべきであった」と
まるで他人事のように言って退ける兼久に、
助左は「身勝手だ」と怒りを露にします。

そういう、罪をすべて善住坊にかぶせようとする兼久を
宗久は「お前も同罪ではなかったか」と相手にしません。

兼久を蔵から出した後、宗久は善住坊に
見逃すことは出来ぬ、と脅しますが、
善住坊はそれでも命乞いせず、
今まで自分と関わった助左や石川五右衛門、
そしてお仙にお咎めが及ばないようにと願う有り様。

助左は助左で、
善住坊が処刑されるなら自分もと言って聞きません。

お互いがお互いを庇い合って生きている。
宗久は、なぜ命乞いをしないのかと怒鳴りつけますが、
逆に助左から手痛い言葉を食らいます。
「大元(おおもと)さまはそれほど信長公が怖いのですかッ!!」


その日の夜、美緒は蔵にこっそり忍び込んで
助左と善住坊を解放します。

殺されてしまうかもしれない前に
五右衛門の助けを借りて、小船で堀を渡らせるつもりです。
「もう二度と、堺へ足を踏み入れぬよう」

しかし、待たせておいたはずの五右衛門は
宗久に見つかって捕まってしまっておりました。

宗久は助左に、善住坊を連れて伊勢長島へ行き
そこに住む、今井の元奉公人のしまと娘の桔梗を
堺へ連れて帰ってくるように命じます。

その代わり、善住坊は
伊勢長島に残ってそこで暮らせ、というわけです。
善住坊は、あまりのことに涙を浮かべて喜びます。


翌朝、堺から出発する2人と彼らを見送る五右衛門ですが
善住坊は忘れ物をした、とお仙のところに戻ります。
実は伊勢長島へ、お仙も連れて行きたかったようです。

しかし、お仙は占いで
善住坊の死に方が見えてしまいました。
天文19年生まれの女に息を止められる……。
何度やってみても、こればかりは変わりません。

お仙も天文19年の生まれで、
彼女が刀を持った瞬間、善住坊は脅えてのけぞりますが
自分の血を吸えば厄払いになる、と
お仙は刀で指に傷を入れ、善住坊に血を吸わせます。

「私とは別れた方がいい。お行き、ひとりで」
名残惜しそうに、何度も小船の方を振り返りますが
思いを断ち切ったか、助左と五右衛門が待つ
堺の門のところへ駆け出す善住坊です。


伊勢長島では織田軍が攻め込み、逃げ惑う民。
男は言うに及ばず、女や子どもに至るまでなで切りにされます。

しまも桔梗とともに逃げていますが、途中で織田の兵に見つかり
しまは「ここで母とはお別れ」と泣きわめく桔梗を逃がします。
そして男が襲ってきたところで隠していた刀で男を刺しますが、
しかししまも男から背中に刀傷を受けてしまいます。

「桔梗……桔梗……」
力弱く娘の名を呼ぶしまですが、
足元がおぼつかなくなり、ついに倒れてしまいます。

そこへ善住坊と通りかかった助左は
しまが倒れているのに気がつきます。
上の空で桔梗の名を呼び続けるしま。

桔梗……!?

そういえばここにたどり着く途中で、
それらしい幼女を川の対岸で見ました。
あれが桔梗……?

気づいた時には、
桔梗を探しに助左は全力で走っていました。

桔梗は、いました。

岩の上に座り込んで途方に暮れていた桔梗に
助左は思い切って話しかけます。
「覚えてるかい? ……助左だ」

桔梗はじっと助左を見つめたままです。

帰ろう……母さんが待ってるよ。
その言葉にコクリと頷いた桔梗は、
おぼつかない足取りで助左の元へ歩いていきます。


「堺へは……行きません」
介抱する善住坊に、しまはつぶやきます。

堺は信長と縁深い土地であり、
今回の戦いで、しまは信長に恨みを抱いているようです。

そして、桔梗を
加賀へ連れて行ってくれという言葉を残し
命を落とします。

そこへ、桔梗をおんぶした助左が帰ってくるのですが、
それを見た善住坊は、首をクイッと横に振っただけで
何も言葉が出てきません。
助左はその場に座り込み、涙を堪えます。

一歩、遅かったです。

助左と善住坊、そして桔梗は
しまのために丘の上に手作りの墓を造ります。

しまの遺言通り、しまは善住坊とともに
加賀に向けて歩き出しました。
別れ際、善住坊は木綿の火縄を手渡します。

ルソンに渡る夢は、まだ捨ててはおらぬからな!
いつか必ず、もう一度ルソンに渡ってみせるからな!
その時はヌシも一緒だぞ!

無二の親友の、別れです。

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原作:城山 三郎
脚本:市川 森一
音楽:池辺 晋一郎
語り手:梶原 四郎
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[出演]
市川 染五郎 (助左)
栗原 小巻 (美緒)
林 隆三 (今井兼久)
川谷 拓三 (杉谷善住坊)
根津 甚八 (石川五右衛門)
名取 裕子 (梢)
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高橋 幸治 (織田信長)
李 礼仙 (お仙)
竹下 景子 (しま)
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丹波 哲郎 (今井宗久)
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制作:近藤 晋
演出:岡本 憙侑

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