大河ドラマ軍師官兵衛・(16)上月(こうづき)城の守り 〜毛利の大軍を打ち破れ!〜
「それがしは今決め申した……毛利につく!」
播磨では、全ての人々が戦いの渦に巻き込まれていきます。
敵か? 味方か?
もはや、曖昧な態度は許されませんでした。
毛利攻めのために播磨入りしていた羽柴秀吉軍は
これからは、西の毛利に東の別所のそれぞれに備えねばならず
止むなく本陣を移すことにしました。
黒田(小寺)官兵衛の提案で、
大軍が籠れて守りやすい場所……書写山へ。
せっかく毛利方から奪い取った上月城を
またも毛利方に奪い返されないように
何としても守らなければ! と鼻息荒い秀吉は、
黒田(小寺)職隆のところへ直に会いに赴いて
本陣を書写山に移した後の姫路城城代として職隆を任命。
さらに、これからもっともっと忙しくなるゆえに
旦那がなかなか帰って来れないかも、と
光に手をついて詫び、しばらくの辛抱を求めます。
一方、毛利の本拠・安芸国吉田郡山城。
毛利元就から見て嫡孫にあたる毛利輝元を上座に
彼をもり立てる吉川元春と小早川隆景。
隆景は、多くの重臣たちを前に
毛利の策『三道並進』を披露します。
『三道並進』とは、軍隊を3つに分けて
三方向から同時に攻撃することでありまして、
山陰勢は元春を大将に播磨へ攻め上がり、
水軍勢は播磨や摂津の港を攻め敵の背後を乱す役割。
山陽勢は隆景を大将に播磨へ。
そして総大将の輝元は、旗本たちを率いて後詰めであります。
総勢5万の大軍が、織田を叩き潰さんと
一気に行動に移します。
毛利戦に備えて、官兵衛は上月城へ入ります。
しかし、集まった兵はわずかに700。
山中鹿介は、尼子の兵は10人分の働きをする! と強がりますが
正直に言えば、尼子の名で挙兵に応じてくれた兵が
こんなにも少ないとは思っていなかったようで、
鹿介は、意外な誤算にため息ばかりです。
本陣が移された書写山には、織田信長に命じられて
秀吉軍に送り込まれた荒木村重が到着していました。
秀吉や官兵衛は、荒木軍を上月城に回そうとしますが
信長からは裏切った別所を倒せという指令が出ているので
信長からの評価を上げるためにも、上月などに兵を割いても
何の得にもならない、と出て行ってしまいます。
それでよしとしよう、の! と秀吉は明るく半兵衛に笑いますが
半兵衛は途端に咳き込み、吐血してしまいます。
“天下布武”を掲げて10年。
甲斐の武田信玄や越後の上杉謙信が
上洛をする最中に病に倒れて卒したことを受け
いよいよ天下統一が成るか、と判断した信長は
天正6(1578)年4月、
右大臣、右近衛大将という全ての官職を辞任します。
そのころ、上月城を目指して毛利軍が迫って来ていました。
毛利軍35,000に宇喜多直家軍15,000の総勢5万と知り
官兵衛はひとまず上月城へ入って城を守り抜くことにします。
秀吉は信長に援軍を請うことにしますが、その間 官兵衛には
何とか持ちこたえてもらいたいところです。
その5万の大軍を見たところ、どうやら毛利軍は
一つにはまとまっていない“烏合の衆”のようです。
その証に、宇喜多直家の馬標(うまじるし)がないのです。
「わしは織田にも毛利にもつかぬ! アッハッハ」
直家の言葉が、官兵衛の頭を駆け巡ります。
なるほど、と官兵衛はニンマリ。
直家は出陣していないわけです。
その推測通り、直家は
仮病を使って岡山城で遊んでおりました。
上月城を取り囲む毛利の陣に、
上月城側のひとりの武将が捕らえられて連れて来られました。
尼子を見限って逃げて来た、というその武将は、
城内にも同じ考えの者が多いゆえに、自分が手引きすれば
上月城は一夜にして落ちる、と元春に言います。
その夜、その武将(井上九郎右衛門)の手引きで
上月城内にこっそりと侵入した毛利軍。
しかし九郎右衛門が右手を真上に掲げた途端に陣幕が倒され
その奥に潜んでいた栗山善助率いる軍勢に攻撃されます。
謀られた! と毛利軍は
開いていた城門から慌てて退却します。
作戦を見ていた鹿介は、
城門を閉じていれば敵を全て討ち取れたものを、と
悔しがりますが、全ては官兵衛の作戦通りです。
つまり、全滅必至の極限状態で敵を敢えて逃せば
敵は不安になってみだりに攻撃を仕掛けなくなります。
今は時を稼ぐことこそが肝要、というわけです。
信長は、援軍を求めて来た秀吉に対し
織田信忠を大将とする
丹羽長秀・明智光秀ら3万の軍勢を播磨に派兵。
しかし、上月城を守りたいと主張する秀吉に対し
滝川一益、佐久間信盛、丹羽長秀、それに信忠までもが
三木城攻めに力を入れたいと言い出し
秀吉はココでも孤立無援状態に陥ります。
最終的に信忠が下した決定は……。
「上月へは秀吉と村重で行け。残りはワシとともに三木を囲む」
総勢1万の軍勢では、5万の毛利軍に対峙したところで
結果は火を見るより明らかであります。
鹿介も、秀吉も官兵衛も、無言です。
5月に入っても、上月城を巡る
織田と毛利の睨み合いは続いています。
兵糧も底を尽き始めました。
秀吉は、最後の手段に出ます。
戦場を抜け出し、上月救援を信長に直談判したのです。
しかし、信長が出した命は非情なものでした。
「猿……上月は見捨てよ」
天正6(1578)年4月18日、
吉川元春・小早川隆景ら毛利軍主力が上月城へ進軍、包囲を開始する。
慶長3(1598)年8月18日、
太閤・豊臣秀吉が波乱の生涯を閉じるまで
あと20年4ヶ月──。
作:前川 洋一
脚本協力:穴吹 一朗
音楽:菅野 祐悟
題字:祥洲
語り:広瀬 修子
──────────
[出演]
岡田 准一 (黒田(小寺)官兵衛)
中谷 美紀 (光)
谷原 章介 (竹中半兵衛)
内田 有紀 (お濃)
春風亭 小朝 (明智光秀)
別所 哲也 (山中鹿介)
田中 哲司 (荒木村重)
濱田 岳 (栗山善助)
速水 もこみち (母里太兵衛)
高橋 一生 (井上九郎右衛門)
金子 ノブアキ (棚橋左京進)
田中 圭 (石田三成)
山路 和弘 (安国寺恵瓊)
勝野 洋 (丹羽長秀)
近藤 芳正 (柴田勝家)
江口 洋介 (織田信長)
──────────
陣内 孝則 (宇喜多直家)
鶴見 辰吾 (小早川隆景)
竹中 直人 (羽柴秀吉)
柴田 恭兵 (黒田(小寺)職隆)
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制作統括:中村 高志
プロデューサー:勝田 夏子
演出:田中 健二
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』
第17回「見捨てられた城」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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