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2014年4月25日 (金)

プレイバック黄金の日日・(17)乱世独歩

天正2(1574)年・春。
木下藤吉郎秀吉から「羽柴秀吉」へと改名した秀吉は
筑前守を拝命し、浅井長政の旧領・
北近江3郡12万石の大名となっておりました。

そして信長への最初の注文は
名城の誉れ高い小谷城はいらないから
今浜の地に城を築きたいというのです。

1.湖北の一向一揆への睨みをきかせる重要拠点であること。
2.近隣の国友村で生産が続けられている鉄砲を掌握すること。
3.湖を生かして都からの品の流れをよくし、
 岐阜のような商いの盛んな町づくりを目指せること。
理由はこれらの3つです。

秀吉は、もしお許しが出るのなら
今浜を、信長の一字をもらって「長浜」としたいとも提案。
よほど執着していると見た信長は、笑ってそれを許します。


さて、今井家を飛び出した助左ですが
ほんのわずかな退職金を持って日比屋了慶の店に入ります。

そしてその退職金を元手に木綿を買おうとしますが、
今井の元奉公人だと言っても信じてもらえません。
そうだれ彼問わずに卸せる商品ではないだけに
品切れだと言って店の番頭たちには全く相手にされないのです。

諦めかけたその時、店に現れたのは美緒でありまして、
あんな別れ方になってしまった助左としては
非常にばつが悪いので、背中を向けておとなしくしています。

しかし、日比屋番頭は助左のことを美緒に聞いてみたみたいで
美緒は確かに助左が元奉公人であることを明かし、
木綿の行商を志しているからお引き立てを、と言います。
その言葉を聞いて、手のひらを返すように慌てて準備する番頭たち。

そして手に入れた木綿をしっかりと持ち
未来への光を浴びながら飛び出す助左です。

さらに美緒は、助左がそのまま行商に出たのでは
ある意味盗人にしか見えないということで
日比屋で木箱を買ってやり、助左へ渡すように梢に持たせます。

助左を追いかけてきた梢は、京に行ったら
南蛮寺を訪ねてごらんなさいと助左に言います。
そこには、石川五右衛門がさらっていった
ニモカがいると言うのです。

ニモカはもともと津田宗及に輿入れする予定でしたが、
それを今井の奉公人である五右衛門がさらっていったものだから
美緒はその件で了慶と話し合いをするようです。

杉谷善住坊や五右衛門、そして助左が
みんな堺の町から出て行ってしまうことを嘆きますが、
助左は梢に、そろそろ三河へ戻った方が良いと忠告します。
服部半蔵とのやりとりを、偶然立ち聞きしてしまった助左は
梢が徳川の間者であることを知っていたのです。

都へ到着しました。

助左はさっそく、梢に言われたように南蛮寺へ出向き
堺で出会った宣教師のルイス・フロイスと再会します。

モニカは、いました。

しかしモニカは病に冒されて床に伏しています。
天王寺屋(津田宗及)と婚儀するはずでしたが、
五右衛門の後を追って飛び出してきてしまったようです。

「いつまでも……待っている、と」
行方知れずの五右衛門を探そうとしている助左に
モニカは咳き込みながら伝言を頼みます。

そういえば、この『黄金の日日』放送は昭和53(1978)年ですが、
この『黄金の日日』で共演した
津田宗及役の津川雅彦さん、モニカ役の夏目雅子さんは、

それから3年後の昭和56(1981)年に放送された
TBS系列『野々村病院物語』では
優秀な外科医・久米丈二役、主任看護婦・北見紀子役で共演。
不倫関係にあったという設定なので、
共演中はギクシャクした感じで演じておられます。

この二人、幸せになれない間柄……なんですかね(^ ^;;)


船の帆に“助”の字を入れて○で囲んだマーク(?)を書いた幟を立て、
助左はさっそく行商を始めます。
しかし、その威勢の割には全く売れないわけで。

「行って見てきてごらん。半値で売ってるから」
隣で団子を売っている女にそう教わって、
そんなはずはない、自分は輸送費を浮かすために
歩いて京に入ったんだとブツクサ言いながら競合調査してみると、

ある老人が立つ周囲に客が大勢集まり、
安い安い、と客が口々に言いながら
木綿を次々に買って行く様子が見れました。

夕方、引き払った助左は
安値で木綿を叩き売っていた老人の元に駆け寄り
仕入場所から仕入れ値などありとあらゆる情報を聞き出そうとしますが、
老人に鬱陶しがられてしまいます。

ただひとつ、助左が気になったのは
老人が言った「宗易さまに譲ってもらった」という言葉。
千家は木綿を扱ってはいないはずです。

橋の下で雨宿りをする助左は
忍び寄って来る男たちに木綿を盗まれそうになりますが、
一人の男が橋から飛び降り、鎖を手に男たちを防御。
助左と木綿を助けてくれます。

五右衛門です。

モニカの言葉をそのまま五右衛門に伝える助左ですが、
モニカを連れて堺へ帰るなど
五右衛門がすんなり聞き入れるとはどうも思えません。

しかし、それよりも
ボロボロになったり真っ黒になったりしている木綿を見て
助左は失意のどん底です。


翌朝、堺に戻った助左は
宗易が河内にいることを聞いて
その場所へ向かってみることにします。

そこでは、木綿がたんたんと織り込まれています。
振り返れば、宗易が座していて柄杓を作っている様子。
助左はかなり驚いていますけど(笑)。

助左がここにやってきたのは、
宗易にクレームを言いに来たわけです。

助左は、堺で取り決められている商品原価に
ほんのわずかな飯代を上乗せしただけの価格で販売したのですが、
宗易から木綿を都合してもらった老人は
それよりさらに半値ほどの価格で売り、しかももうけはあるという。

堺の会合衆のひとりである宗易自身が
その原価よりも安く木綿を出してしまったのでは
バカ正直に売っていた助左は全くもって太刀打ちできません。
しかも、その高価な木綿の成れの果ては、
男たちに盗まれそうになってボロボロになったものです。

「そなたの売値で買い取ろう」
宗易も商人です。
売値で買い取るからには
こんなボロボロな布でも、使い道があるかもしれない。
そう考えた末での言葉です。

その老人が売っていた木綿というのも
宗易が工夫の末に自ら紡ぎ出そうと
昨年から製作していた木綿だったようで、
海外から渡来してきた木綿と比べれば質は格段に落ちますが、

千家に奉公していた老人が出て行く際に
売り物にならないからと土産代わりに渡していたものを
この老人は売り物にしてしまったようです。

木綿は着るだけのものとは限らない。
工夫か──。

そんな時、善住坊が
火縄銃の縄に木綿を使っていたのを思い出します。
火移りがいいものの、湿気に弱く長持ちしない竹の縄に比べると
木綿は雨や露に濡れても乾けば元通りになるので戦向きである。

先ほどまでいた小屋に戻り、宗易に支払ってもらった金を置くと
木綿の束を掴んで帰って行きます。
「宗易さまが戻られたら言うてくだされ。
 工夫の道が見つかりました、と」

……というか(^ ^;;)

今井を飛び出した助左が
日比屋で木綿を買おうとあれだけ執着していたのは、
善住坊の言葉から、最初から
火縄銃の縄にするためなのかと思っていたのですが、

ストーリー上では、そのヒントはいったん忘れていて
ある時フッと思い出すようになっていたのですね(笑)。
先が読め過ぎて、ちとびっくりしました(^ ^;)

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原作:城山 三郎
脚本:市川 森一
音楽:池辺 晋一郎
語り手:梶原 四郎
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[出演]
市川 染五郎 (助左)
栗原 小巻 (美緒)
川谷 拓三 (杉谷善住坊)
根津 甚八 (石川五右衛門)
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高橋 幸治 (織田信長)
殿山 泰司 (老人)
津川 雅彦 (津田宗及)
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緒形 拳 (羽柴秀吉)

鶴田 浩二 (千 宗易)
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制作:近藤 晋
演出:宮沢 俊樹

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