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2014年5月13日 (火)

プレイバック利家とまつ・(18)越前府中入城

前田利家は、越前府中城に入城します。
そこには、兄利久とともに荒子城を出て行った
三兄の前田安勝、家臣の奥村家福といった
懐かしい顔が並んでいました。

「今日よりワシの家来になれ」
長槍を背負ってふらついている前田慶次郎に命じますが、
ワシは荒子城を取り返しに来ただけだッ、と言いながら
しっかりと府中城まで来ているではありませんか(笑)。

しかもその出で立ちは、利家の若い頃そっくりです。
長槍持って、カブいていて、顔にお白い塗って……。
オリジナルであるつもりの慶次郎は、
利家にそう笑われたのがくやしいのか膨れっ面です。

ちなみにまつですが、府中城には入らず岐阜城に残っています。
信長の密書で、余命幾ばくもない側室吉乃のために
一日でも命が長らえるよう、身の回りの世話をするのです。

利家殿が寂しいでしょう、と気遣う吉乃に、まつは微笑みます。
「たまには夫婦別々もようございます」


府中城の湯殿で、湯帷子(ゆかたびら)召し替えの世話を
岩という女がやってくれるのですが、
利家は何も気にせずに着替えていると、
岩が急に倒れて気絶してしまいます。

オイ、どうしたのだッ!? と利家は岩を抱き起こすのですが、
ちょうどその場面を、村井又兵衛と慶次郎に見られてしまいました。
「と、殿、ワシは何も見てはおりませぬ」(by 又兵衛)
「ワシは見た♪ まつに言う〜☆」(by 慶次郎)

利家と同じように越前の小丸城に入った佐々成政と、
家臣・井口太郎左衛門の話によれば、
その倒れた岩という女は一向宗徒だそうです。

信長の命令では、一向宗徒は
生き延びる条件として改宗することとあり、
そうしない場合は死罪ということになっています。

わかった、と利家は頷きますが、
女ということもあり、慎重に動いた方がよさそうです。


岩が倒れた後、安にその世話を任せたのですが
安は岩が一向宗徒であると見抜いています。

湯帷子召し替えの際に、この人こそが
一向宗徒を根絶やしにした人だと思ってしまい
恐ろしくて気を失ってしまったという経緯のようで、
前田家の家臣たちが仏さまのように慕うまつに
相談したいと願うのですが、まつは岐阜に残ったままです。

しかし、“ココだけの話”が場内に広く伝わるのには
時間はさほどかかりませんでした。
台所で、農民の子どもたちに大根を分け与え
念仏を唱えていたところを又兵衛に目撃されたのです。

斬れ! と命じる奥村家福ですが、そこに利家がやって来ます。
生き延びるには改宗する必要がありますが、
好いた男も一向宗徒であり、岩は改宗するつもりはないそうです。

「一つ聞く。お前は死にたいのか。それとも生きたいのか」
一向宗徒として生きたいが、一向宗を捨てるか命を捨てるか。
八方ふさがりの岩は、まつに会って相談してみたいと考えています。
そうすれば、何とか助けてくれるのではないか、と。

そうか、とだけ言った利家は、
岩を「側室にする」とだけ言い置いて台所を後にします。
ただし、まつ一筋の利家が越前に入った途端に
側室をもらったというウワサは、越前中に広まります。


天正4(1576)年1月・岐阜城──。

「利家に女子……でございますね」
吉乃の世話をしていたまつが、急いで越前府中に行けと言われれば
夫が危篤か、もしくは夫婦の危機かというのは
賢い女性ならピーンと気づくかもしれません。

信長は越前一向一揆をつぶすべく出陣するのですが、
吉乃の世話はおねとはるに任せて、まつに府中行きを命じたわけです。
「利家に伝えよ。岩という女子、一向宗を捨てねば斬る、とな」

まつは、利家が岩に惚れて側室にしたのではなく
岩を斬りたくないから側室という形にして
置いているだけなのだと理解します。
今まで鬼のような形相でしたが、ホッと安心した様子です。

利家さまを信じすぎです、甘過ぎますとおねとはるはやんわり諭しますが、
「この世で夫を信じず、何を信じるのです?」とまつに言われ
二人は返す言葉がありません(笑)。


雪の降る越前府中城にまつが入ったのは、それから間もなくのこと。

出陣の準備をしながら、利家はまつの内助の功を褒め称え
まつは利家や又兵衛、荒子衆の働きのおかげと感謝しています。

利家は、まつに岩を会わせます。
会いたいと言い出した経緯を伝えると、
まつは進んで岩のもとに行き、手を取って岩を見つめます。
「生きなくてはいけません」

岩が愛した男は一向宗徒の兵でしたが
佐々軍に捕らえられ、殺されてしまったようです。
岩はどうしていいか分からなかったのでしょう。
涙が止めどなく流れてきま……。

ドン!

まつは岩の背中を叩きます。
そしてもう一度、ドン! と。
「忘れなさい」

様子を見守っていた家福が、利家に出陣を促すと
慶次郎は利家の刀を持って来て、片膝をつき
利家に高くさし出します。

女子を斬らない男は、好きだ。
慶次郎は利家について行くと決意します。


岩の一件は、単に岩の命を救っただけではありませんでした。
府中から逃げ出していた商人や百姓衆が次々と戻り始めたのです。
男は優しく、美しいのが一番──。


天正3(1575)年9月、
織田信長は前田利家・佐々成政・不破光治(府中三人衆)に
越前府中3万3000石を与え、それぞれ着任する。

慶長3(1598)年8月18日、
太閤・豊臣秀吉が波乱の生涯を閉じるまで


あと22年11ヶ月──。


原作・脚本:竹山 洋
音楽:渡辺 俊幸
語り:阿部 渉 アナウンサー
──────────
[出演]
唐沢 寿明 (前田利家)
松嶋 菜々子 (まつ)
反町 隆史 (織田信長)
香川 照之 (羽柴秀吉)
酒井 法子 (おね)
天海 祐希 (はる)
山口 祐一郎 (佐々成政)

中条 きよし (奥村家福)
松原 智恵子 (安)
的場 浩司 (村井又兵衛)
及川 光博 (前田慶次郎)
森口 瑶子 (吉乃)
苅谷 俊介 (村井貞勝)
田中 健 (佐久間信盛)
──────────
松平 健 (柴田勝家)
池内 淳子 (ふく)
丹波 哲郎 (井口太郎左衛門)
──────────
制作統括:浅野 加寿子
演出:佐藤 峰世

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