プレイバック黄金の日日・(21)善住坊処刑
長浜の一観の窯では
相変わらず助左も顔を真っ黒にしながら
瓦焼きを手伝っています。
そこへ、行き倒れていた女が運ばれてきます。
まだ息があるぞ! との声で助左が顔をのぞき込むと
堺の屋形船に住むお仙ではありませんか。
気がついたお仙は、
杉谷善住坊が堺に戻ってきたことを伝えます。
恐らく、助左が未だに今井で働いていると思い込んで
堺に戻ったのかもしれませんが、
助左はすでに今井を飛び出し、ひとり商いを行う身です。
自分ひとりでは何も出来ないと考えたお仙は
助左に知らせようとわざわざここまでやってきたようです。
助左は、元気になったお仙とともに
堺へ戻ることにします。
一方、助左とお仙の帰りを屋形船で待つ善住坊ですが
船の外で物音がしたので、帰って来たと船を飛び出してみると
そこにいたのは風魔の四郎という男。
善住坊の表情がいっぺんに強ばりますが、すでに遅く。
四郎に捕まって今井館に連行、蔵に吊るし上げられます。
気絶していた善住坊が目を開けると
そこには今井兼久と梢がニンマリと座っております。
善住坊には、兼久のその不気味な笑みが
この先どんな恐ろしい目に遭わされるのか恐怖です。
堺に戻ってきた助左ですが、
お仙の屋形船を覗いても善住坊の姿はありません。
呼んでも、返事は返ってきません。
「善住坊が帰って来たぞ」
安土の普請場から戻ってきた美緒に
兼久は楽しそうに報告します。
ただ兼久は、善住坊の身柄をダシに
父・今井宗久に家督を自分に譲らなければ
善住坊を代官所へ突き出すと迫ったそうです。
信長と懇意の関係となっている今井にとって、
その信長を狙撃した犯人・善住坊をかくまうことも問題ですが、
代官所に突き出されるのはもっと問題です。
美緒はこっそりと蔵に入り、
善住坊が縛られている縄を切って逃がします。
長浜への荷駄を助左とともに運ぶ善住坊。
身なりが坊さんのままではバレバレなので
あくまで町人に扮装しての輸送ですが、
堺の入口付近で、待ち伏せしている武士たちに
誰が裏切った、と助左は唇を噛みます。
たちまち代官所に追われることになった善住坊です。
「早く船を出さないか! わしはルソンへ帰るんじゃ!」
助左の荷駄から火縄銃を持ち出し
今井の船に乗り込んだ善住坊ですが、
代官所の男たちに完全に包囲されてしまっています。
船という背水の陣で
多勢に無勢、善住坊が捕まるのは時間の問題です。
ジリジリ……と包囲網が狭まり、
善住坊はあっという間に捕まってしまいます。
尋問を受けた助左が堺代官所から放り出された時には、
善住坊はすでに安土へ送られた後でした。
代官所の前で待っていた美緒に
善住坊の存在を知らせたのは宗久だと教えられ
信じられない気持ちでいっぱいの助左。
善住坊は、街道筋でのこぎり引きの刑になっていました。
生きたまま首から下を土中に埋められ、
通る旅人に、善住坊の首に竹製のノコギリの刃を当てて
時間をかけてのこぎりを引かせるものです。
その場に来た助左とお仙は、
苦しんで目が虚ろな善住坊を早く楽にしてあげたいと
一思いにのこぎりを引きます。
助左は、親友の死に雄叫びを……。
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原作:城山 三郎
脚本:市川 森一
音楽:池辺 晋一郎
語り手:梶原 四郎
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[出演]
市川 染五郎 (助左)
栗原 小巻 (美緒)
林 隆三 (今井兼久)
名取 裕子 (梢)
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川谷 拓三 (杉谷善住坊)
李 礼仙 (お仙)
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丹波 哲郎 (今井宗久)
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制作:近藤 晋
演出:宮沢 俊樹
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