プレイバック利家とまつ・(26)本能寺の変
『利家とまつ』における「本能寺の変」のストーリーに関しては
3年前、単独で記事にしました『ザ・本能寺』に詳しいので
そちらもどうぞご参照くださいませ。
天正10(1582)年5月・越前魚津 柴田勝家の陣──。
浜辺に建つ櫓に登った前田利家。
琵琶湖の向こうにかすかに見える安土城が
蜃気楼でメラメラと燃え上がるように見えます。
(実際は燃えていないのですが)
利家は、織田信長の身に
何かが起こるのではないかと不吉な予感を感じ、
その不安を目前の戦いで打ち消そうとします。
相手の上杉景勝ですが、春日山城に兵を撤収し始めました。
今こそ好機! と、柴田軍は
見捨てられた魚津城に総攻撃をかけます。
愛宕山・西の坊威徳院──。
このころ、明智光秀は愛宕山にいて
連歌師の里村紹巴たちと連歌の会を催していました。
時は今 天が下しる 五月哉
発句を読み上げる光秀を、
会の参加者たちは驚いた表情で見つめます。
5月29日・京 本能寺──。
安土を出発した信長は、京都本能寺に入ります。
信長は、利家の家臣である村井又兵衛と前田慶次郎が
自分の後を付けて安土から京に入ったことを知っており、
村井貞勝を二人の元に送り込みます。
「又兵衛! 魚津城攻めで忙しいのではないのか!」
と貞勝は又兵衛を脅かしますが、
お屋形の身に何かがあってはならぬからお守りするように、と
利家が派遣したことを知り、さすがと感心します。
……というか、慌てて言い訳されなくても
そんな事情もすでに掴んでいるのですけど(笑)。
というわけで、又兵衛に信長からお茶会の招待状です。
武田滅亡のお祝いのお茶会であるので、
そう堅苦しいものではない、と貞勝はいいますが、
茶道に不調法な又兵衛は、苦虫をつぶしたような表情です。
秀吉は、備中高松城を水攻めにしていました。
三成が連歌の会を催していることは
秀吉は書状で知るのですが、
「時は今──」の歌の解釈を石田佐吉にさせます。
“時”とは光秀の“土岐氏”のことで、
自分が天下を治める時だ、と解説。
なに? と秀吉は顔を歪めます。
前田利勝と永姫が京に向かうべく
越前府中城から北近江の長浜城に立ち寄りました。
まつは、今はおねと絶交状態にあるので
会ってはくれまいと言っていたそうですが、
おねは豪姫を連れて大歓迎です。
むしろ、素通りした方が怖かったかも(笑)。
「もし、戦になった時──」
おねは口を開きます。
前田家の鉄砲や弾薬、武具、兵粮米は
堺の蔵にしまってある。
そうお母上にお伝えなされ、とおねに言われ
利勝は手をついて頭を下げます。
魚津城では、土砂降りの中
利家や佐々成政ら柴田軍と魚津城の兵士たちが
決死の思いで戦い続けています。
6月1日、信長は自慢の茶道具を披露します。
その日の夜、丹波の光秀の本陣では
光秀が伝令に自分の言葉を伝えさせます。
「これより、京に向かう」
光秀は全軍に対し、己の覚悟を宣言します。
天と神々に代わり、この惟任日向守光秀が成敗いたす!
皆の者! 敵は、本能寺にあり!
街道をひた走り、明智軍は京に入ります。
本能寺──。
眠っていた信長は物音に気づいてスックと立ち上がり
その寝所に森 蘭丸が駆け込んできます。
「夜討ちにございます。明智勢と見受けられます」
信長は、蘭丸と毛利新介を従えて
明智勢に向かって弓矢を放ち、鉄砲を撃って反撃しますが
敵の数が多く、信長を守る武士たちも次々に倒れていきます。
妙覚寺──。
信長嫡男・織田信忠は
信長救援のために軍勢を率いてかけつけようとしますが
それを貞勝が必死に止めます。
己の命と引き換えに、
明智光秀にもの申す! と怒りに震える貞勝は
結局、本能寺の変によって落命します。
「是非に! 及ばず!」
槍で応戦していた信長ですが、
攻撃は弱まるどころかなお一層強まるばかりで
信長は槍を投げ捨て、奥に引き下がります。
炎が迫る中、利家献上の刀を持ち鞘を抜きます。
人間五十年
下天のうちを比ぶれば 夢幻のごとくなり
ひとたび生を受け 滅せぬ者のあるべきか
「犬! 又左衛門! ……さらばじゃ!」
燃え盛る座敷を進む信長。
その姿は炎に包まれ、消えてなくなります。
天正10(1582)年6月2日、
京・本能寺において、明智光秀が織田信長を急襲、
信長は自害して果てる。
慶長3(1598)年8月18日、
太閤・豊臣秀吉が波乱の生涯を閉じるまで
あと16年2ヶ月──。
原作・脚本:竹山 洋
音楽:渡辺 俊幸
語り:阿部 渉 アナウンサー
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[出演]
唐沢 寿明 (前田利家)
松嶋 菜々子 (まつ)
反町 隆史 (織田信長)
香川 照之 (羽柴秀吉)
酒井 法子 (おね)
天海 祐希 (はる)
山口 祐一郎 (佐々成政)
加藤 雅也 (浅野長吉)
中条 きよし (奥村家福)
松原 智恵子 (安)
的場 浩司 (村井又兵衛)
及川 光博 (前田慶次郎)
伊藤 英明 (前田利勝)
原田 龍二 (石田佐吉)
苅谷 俊介 (村井貞勝)
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三浦 友和 (前田利久)
名取 裕子 (つね)
草笛 光子 (なか)
松平 健 (柴田勝家)
萩原 健一 (明智光秀)
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制作統括:浅野 加寿子
演出:佐藤 峰世
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