プレイバック利家とまつ・(28)清洲犬猿合戦
天正10(1582)年6月。
本能寺の変で信長の死が伝わると、
前田利家が治める能登小丸山城下でも反乱や一揆が勃発。
しかし利家は朝から座禅を組んで、修行中であります。
そこへ、信長へ挨拶するために京へ向かっていて
本能寺の変事で消息不明となっていた
嫡男前田利勝と永姫夫婦が戻ってきました。
信長の娘でもある永姫を、いったん尾張に避難させ
自らは安土城に入ったりと忙しなく行動していた利勝。
「光秀が討伐されましたので、立ち戻りました」
備中高松から大返しを果たした羽柴秀吉は
6月13日、明智光秀と戦い討ち滅ぼしたそうです。
小丸山に柴田勝家が入りました。
本能寺の変で信長嫡男・織田信忠も討ち死にしていますので、
勝家は、織田家の跡目相続について
秀吉と話し合いがしたいと書状を送っています。
ちなみに市が推挙するのは、信長三男の織田信孝。
次男の織田信雄はあまり頼りになる人物ではないそうで、
利発な、しかも明智討ちも果たしている信孝に
白羽の矢を立てたのです。
勝家が信孝を跡目相続で立てれば、
秀吉の明智討伐の手柄は何の役にも立たなくなる。
秀吉はどう出るのか?
そう考えていた矢先、
かつておねに貸した銭が返ってきました。
しかも満額どころか10倍返しです。
早速、利家を調略しに来たようです。
利家は、本能寺のことさえも予見していた(ように思える)
秀吉の腹黒さが好きではなく、
こうして戻ってきた銭も受け取れないと
まつに、全て送り返すように命じます。
6月27日・清洲城──。
跡目相続の評定が行われることになりました。
しかし利家は戦で間にあわず、佐々成政は欠席。
この評定は認めない、と成政が言っているらしい、と
中国大返し以降、秀吉に心酔する丹羽長秀が
“御大将”秀吉に報告します。
「怒ったか。このワシを敵に回すつもりかの?」
はるは、夫を甘く見られていることに当然怒りますが、
秀吉と戦をなさればよろしい、とおねまで言い出す始末。
そのやり取りを側で聞いていたまつも呆れてしまい
10倍返しの銭のことでも、
人の心を銭で買うものではないとやんわりたしなめますが
高笑いのおねには聞く耳を持ちません。
というわけで、評定は
勝家、秀吉、長秀、池田恒興の4名で行われます。
やはり明智討ちを果たした秀吉の発言力は非常に強く
長秀、恒興は秀吉になびいてしまいます。
秀吉が推挙する、織田信忠嫡男の三法師が
お世継ぎということになりました。
三法師の後見に信孝を推すのが、今の勝家には精一杯です。
「又左衛門、頼む! 天下を取らせてくれ」
戦で遅れて来た利家に、秀吉は土下座します。
見え透いたことを、と利家は刀を抜き
信長の霊前で腹を斬れ、と迫りますが、
かけつけたおねは、抱いていた三法師を秀吉に抱かせます。
又左……頭が高い!
おねとともに駆けつけたまつとはる、
そして一時退席していた勝家、長秀、恒興たちも
三法師と、彼を抱く秀吉に頭を下げます。
おのれ……と利家は唇を噛みます。
天正10(1582)年6月27日、
織田氏継嗣に関する会議が清洲城で開かれる。
慶長3(1598)年8月18日、
太閤・豊臣秀吉が波乱の生涯を閉じるまで
あと16年1ヶ月──。
原作・脚本:竹山 洋
音楽:渡辺 俊幸
語り:阿部 渉 アナウンサー
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[出演]
唐沢 寿明 (前田利家)
松嶋 菜々子 (まつ)
反町 隆史 (織田信長(回想))
香川 照之 (羽柴秀吉)
酒井 法子 (おね)
天海 祐希 (はる)
加藤 雅也 (浅野長吉)
田中 美里 (市)
中条 きよし (奥村家福)
的場 浩司 (村井又兵衛)
伊藤 英明 (前田利勝)
梅沢 富美男 (丹羽長秀)
渡辺 裕之 (池田恒興)
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三浦 友和 (前田利久)
五木 ひろし (不破光治)
萩原 健一 (明智光秀)
松平 健 (柴田勝家)
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制作統括:浅野 加寿子
演出:田村 文孝
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