プレイバック利家とまつ・(33)金沢入城
賤ヶ岳の戦いの後、まつとはるは越前府中城で再会します。
越後からの上杉の猛攻を食い止めるので精一杯で
戦いに参戦できなかった佐々成政。
はるは、賤ヶ岳のすさまじさをまつから聞きます。
雑兵の一人ひとりが、農民出身の羽柴秀吉を天下人に! と
戦いを盛り立てて必死に戦った結果、
前田利家としては逃げるより他に道はありませんでした。
そして利家は、秀吉を北ノ庄城に案内し
柴田勝家と市を自害に追い込んだわけです。
一方、佐々家はどうするつもりかとまつに尋ねられて
さあ? どうなるのでしょうか、とまるで他人事のようです。
ただ、まつに最大のヒントだけ出しておきます。
「徳川と手を組めば、秀吉殿と争うことになりましょうね」
天正11(1583)年4月27日・金沢城──。
利家は捕らえた佐久間盛政の居城・金沢城を接収し、
入城します。
その利家の元にも、成政の動向は報告が入ってきます。
成政は、
秀吉が越中に一歩でも足を踏み入れたら踏みつぶす、と豪語し
無論、金沢にも来ないつもりです。
「……来ぬと面倒になる」
富山城では、陣羽織姿の成政に
ふくが家を継ぐ者の心得を説いています。
秀吉が攻めて来ると知って逃げ出した兵は1,300、
そういう状況でどうやって秀吉と戦うのか。
負けると分かった上での戦はしてはならない。
たとえ腹が煮えくり返ろうとも、家を守るのが大将の務めである。
秀吉に頭を下げるのか、と
成政には成政のプライドがあってそれを許さないようです。
又左衛門はわしの何だ? と尋ねたことがありました。
家来ではないのか、と問いつめる秀吉に利家は
「最大の……敵だな」と行ってのける利家。
最高の男と五分と五分、そんな存在でありたい、と。
そんな利家に、秀吉は金沢城を与えます。
秀吉にとって利家は、敵にするとやっかいな男ですが
味方として引きつけておくと頼もしいわけです。
だからこそ、利家が勝家側にいた人間であっても許したのです。
結局、利家は能登と北加賀を加増し
丹羽長秀には南加賀の能見・江沼二郡を加増しました。
長秀は、前田への睨みという配置です。
そんな時、成政に代わって
はるが家臣2名を連れて金沢城にやって来ます。
大量の金を秀吉に差し出し、おねにも同様の金を送り
佐々家の安泰を願うものであります。
しかし秀吉は、成政が
打倒秀吉を豪語していることを知っています。
それを追及されると、はるは
そんなことは言うはずもないと苦しい弁明に追われます。
秀吉は成政に、今まで通り越中の支配を任せ
上杉の監視、仲介の役割を命じますが
その任命書をはるには渡しません。
「この書き付けは、内蔵助自らが人質を連れて受け取りに参れ」
表情が凍り付くはるです。
これでも、成政には随分と気を遣ったつもりなのですが
母・なかの勧めで秀吉が持つ名刀と馬を成政に与えます。
それでも、成政がお礼言上に訪問し、
書き付けを受け取ったという知らせはありません。
次第に、成政への態度を厳しくしていく秀吉は
成政の娘・てるを前田の又若丸と結婚させるように
命じてきました。
更には娘・なつを人質としてよこせと言い出すわけですが、
秀吉は前田家には甘すぎる、と石田三成らがウルサいので
前田家からも麻阿姫を人質を出すようにと命令が届きます。
最初こそ、柴田家から戻ったばかりの麻阿を
今度は羽柴家に人質に出すことに反対を唱えたまつですが、
秀吉のご機嫌を取らなければならない、と利家が言うので
観念して麻阿を説得します。
大坂に移った秀吉に従って、
麻阿を連れて利家とまつは大坂に入りますが、
約束の刻限からしばらく遅れて
成政とはるも娘のなつを連れて大坂入りを果たします。
恐らくは不本意ながら大坂にやってきたからでしょう、
下座に座ったまま、成政は何もアクションを起こしません。
成政に代わってはるが前に進み出て秀吉に頭を下げますが、
それでも成政は下座で憮然と座ったままです。
「妻ひとりに戦をさせるおつもりですか」
利家も、まつも、成政が頭を下げるのを催促します。
後ろに座す成政を振り返り見るはるですが、
身動き一つしない成政を見て、はるは覚悟を決め
越中安堵の御礼に頭を下げます。
決死の形相です。
愛想を尽かして出て行こうとする秀吉に
成政はついに頭を下げ、
領地安堵の書き付けを受け取ります。
冬。
金沢城に初めて入ったまつに客人です。
客人は、ふくでした。
「まつ様……大変なことが」
天正11(1583)年4月28日、
賤ヶ岳の戦いの後、羽柴秀吉から加増を受けた前田利家が
佐久間盛政の旧城・金沢城(尾山城)に入城する。
慶長3(1598)年8月18日、
太閤・豊臣秀吉が波乱の生涯を閉じるまで
あと15年3ヶ月──。
原作・脚本:竹山 洋
音楽:渡辺 俊幸
語り:阿部 渉 アナウンサー
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[出演]
唐沢 寿明 (前田利家)
松嶋 菜々子 (まつ)
香川 照之 (羽柴秀吉)
酒井 法子 (おね)
天海 祐希 (はる)
山口 祐一郎 (佐々成政)
加藤 雅也 (浅野長吉)
伊藤 英明 (前田利勝)
松原 智恵子 (安)
的場 浩司 (村井又兵衛)
原田 龍二 (石田三成)
梅沢 富美男 (丹羽長秀)
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草笛 光子 (なか)
池内 淳子 (ふく)
丹波 哲郎 (井口太郎左衛門)
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制作統括:浅野 加寿子
演出:田村 文孝
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