大河ドラマ軍師官兵衛・(41)男たちの覚悟 〜利休切腹? 命がけの諫言〜
天正18(1590)年9月、
豊臣秀吉は奥州をも従え天下を統一。
京に凱旋した秀吉は“明を征服”という
新たな野望を抱いていました。
三成の思惑もあって、秀吉の元から
少しずつ遠ざけられつつある黒田官兵衛ですが
おねの計らいで、天下統一祝いということで
官兵衛と秀吉の酒の席を設けることになりました。
「何を企んでおる?」と秀吉はいぶかりますが(笑)。
おねも官兵衛も、最近特にひどくなりつつある淀殿への溺愛を
やんわりと指摘するのですが、秀吉は全く聞く耳を持ちません。
11月7日。
朝鮮国王の使者が秀吉に謁見。
明征服に向け、まずは朝鮮との交渉を
小西行長に命じていたのです。
秀吉の言葉をひとこと一言、すべて朝鮮の言葉に訳し
使者たちにそのまま伝えられていましたが
“この者たちはわしに忠誠を誓うためにやって参った”という
秀吉が鶴松に説明した部分だけは、通詞は言葉を濁します。
それもそのはず、行長は
朝鮮国王の代理として服属の意を示すために来たと
秀吉に説明していましたが、
朝鮮国王には、そんなつもりは毛頭ありません。
行長からの度重なる説得を受け、朝鮮国王は
(日本国内の)天下統一の祝賀を述べるだけ、という名目で
使者を立てただけなのであります。
その相談を受けた官兵衛は
竹中半兵衛にもらった軍配を見ながら
秀吉に再考してもらうしかないと
お叱りを承知で大坂城に出向く決意を固めます。
官兵衛が言葉を発しようとしたとき、利休が秀吉を諌めます。
最近の秀吉は目が曇っていて、物事の善し悪しが見えていない。
さらには、朝鮮国王とその使者についてありのままを伝え
秀吉に従う気なんかないことを暴露したのです。
ずばりともの申す利休に憤怒の秀吉は、
ドカドカと足音を立てながら茶室を出て行きます。
それが単なる小言で済めばよかったわけですが……。
茶人のくせに政治に口を出す、茶道具に法外な値をつける、
大徳寺山門に利休像を備えて
訪問者には利休の股の下をくぐらせる、など
そこに石田三成の利休讒言のことばが加わったものだから
秀吉の怒りは最高潮に達します。
天正19(1591)年1月21日、
秀吉を支え続けて来た豊臣秀長が逝去。
秀吉を諌められる人物がまた一人いなくなり
いよいよ三成の勢力は絶大になります。
利休は秀吉から、境屋敷への蟄居を命じられます。
「豊臣家のために天下があるにあらず、
天下のために豊臣家がある」
利休に言われ、三成は返す言葉がありません。
おねの意向を受け、利休屋敷を訪問する官兵衛は
秀吉に頭を下げて詫びるように説得しますが
意地が立たぬ、と利休は受け入れません。
利休の最後の晴れ舞台──。
2月28日、切腹を命じられた利休は
沙汰を伝えた使者に茶を振舞い、見事に散りました。
8月、3歳の鶴松が重い病気にかかります。
憔悴の秀吉は全国の名医を召し出し
全国の寺に祈祷をさせますが、
秀吉の願いもむなしく
鶴松はあっけなくこの世を去ります。
すっかりやつれた秀吉は、
官兵衛の前で狂ったように泣き崩れます。
ほどなくして、
主だった家臣たちが秀吉に呼び出されます。
鶴松の冥福を祈り、家臣たちは
そろって髷を落として恭順を示しますが、
秀吉の表情はとても明るく、正気が戻っています。
一同、おっ……と安堵したのもつかの間、
秀吉は官兵衛に、肥前に城を建てるように命じたのです。
「わしが住む城……朝鮮へ渡る支度をいたす」
あまりに無謀! と官兵衛は噛みつきますが
もはや待ってはいられない、というのです。
官兵衛の落胆ぶりは大きいですが、
春までには城を築いてしまわなければならないので
急いで中津に戻り、縄張りから始めます。
竹中半兵衛、蜂須賀小六、豊臣秀長、そして千 利休。
先に旅立った彼らの願いを引き継いで、官兵衛は
秀吉を支えていかなければならないと決意を固めます。
誰かが支えなければ、この国が滅ぶ──。
天正19(1591)年8月5日、
豊臣秀吉と茶々の実子・鶴松が、大坂城で死去。
数え3歳。
慶長3(1598)年8月18日、
太閤・豊臣秀吉が波乱の生涯を閉じるまで
あと7年──。
作:前川 洋一
脚本協力:穴吹 一朗
音楽:菅野 祐悟
題字:祥洲
語り:広瀬 修子
──────────
[出演]
岡田 准一 (黒田官兵衛)
中谷 美紀 (光)
寺尾 聰 (徳川家康)
松坂 桃季 (黒田長政)
二階堂 ふみ (淀(茶々))
濱田 岳 (栗山善助)
速水 もこみち (母里太兵衛)
高橋 一生 (井上九郎右衛門)
田中 圭 (石田三成)
東 幹久 (井伊直政)
忍成 修吾 (小西行長)
石野 真子 (マグダレナ)
──────────
伊武 雅刀 (千利休)
黒木 瞳 (おね)
竹中 直人 (豊臣秀吉)
──────────
制作統括:中村 高志
プロデューサー:勝田 夏子
演出:藤並 英樹
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』
第42回「太閤の野望」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
| 固定リンク
« スマホ暴走 | トップページ | スマホ暴走・その後 »
「NHK大河2014・軍師官兵衛」カテゴリの記事
- 大河ドラマ軍師官兵衛・(51-2)総集編 後編(2014.12.27)
- 大河ドラマ軍師官兵衛・(51-1)総集編 前編 〜戦国乱世! 天下を泰平に導いた、天才軍師激動の物語! 愛して、戦って、生き抜いた波乱の生涯!〜(2014.12.27)
- 大河ドラマ軍師官兵衛・(50)乱世ここに終わる [終] 〜遂に決着! 波乱の生涯 最後に見た天下の夢〜(2014.12.21)
- 大河ドラマ軍師官兵衛・(49)如水最後の勝負 〜天下狙い脅威の進撃〜(2014.12.07)
- 大河ドラマ軍師官兵衛・(48)天下動乱 〜東西激突 決死の大坂脱出行!〜(2014.11.30)
コメント