プレイバック利家とまつ・(45)利家 出仕拒否
豊臣秀吉と前田利家、徳川家康の3人が
諸将や妻たちの前で狂言に興じています。
しかしそれを笑って見過ごせぬ人物がいました。
秀吉側近・石田三成であります。
三成は、3人が仲が良すぎるのはよくない、と
すくすくと成長するお拾のためにも
秀吉を柱とした一極集中の仕組みを作り上げたいわけですが、
利家も家康も、それぞれ天下人たる器だから困ったものです。
その密談を淀と交わしているのを、つねが聞き取り
それをまつに報告します。
鶴松を失ってから関白の座を譲り受けた豊臣秀次は
お拾が産まれてからというもの、自分の身が危ういと
毎日毎日酒と女に溺れた生活を送っております。
利家は、そんな秀次に
「三成らの思うつぼだ」と平手打ち。
秀次に何とか目を覚ましてもらおうと説得します。
そんなやりとりの中、
上杉景勝に出仕している前田慶次郎が帰ってきました。
千代保に猿千代が産まれてからというもの、
体調がすぐれないまつの見舞いにやってきたわけです。
慶次郎は、まつを天下一の女にしてみせると言います。
まつを天下一の女子にすれば、
利家はおのずと天下一の男になる、というわけです。
利家もまつも、思わず吹き出します。
秋、大坂城で小さな事件が起きました。
利家が大坂城の奥に進もうとすると、阻止する武士たち。
三成の許可無くして通すわけにはいかないといきり立ちます。
しかし、三成にしてみればそれは当然の措置だという顔です。
いくら前田利家とはいえ、
勝手に奥に入ってもらっては困るという立場です。
それで、秀吉と会って話がしたいと言っても
今日の今日では無理だと突っぱねられ、
利家は言いたいことも言えずに帰ってきてしまいました。
しかし、娘たちから
父(利家)は石田三成からないがしろにされていると言われると
利家の人柄か、三成を立ててやるしかありません。
「少々鼻につくところがあるが、アイツはしっかりやっておる」
利家の人柄は多くの武士たちに慕われるところでありまして、
秀吉の次は秀次、そしてお拾、その次こそ利家だと言わんばかり。
前田利長は、そういって天下盗りの話をうっかりしてしまって
秀吉に疑われてしまっては一大事と父を心配しています。
そんな時、蒲生氏郷が亡くなりました。
その跡目相続として、氏郷の子・鶴千代に後を継がせようと
利家を通じて秀吉に口添えを依頼してきたのですが、
利長は、何も言わないのが当家のため、と冷静です。
それでも利家は、三成らの思うがままにさせてはならぬと
秀吉に談判に大坂城へ向かうことにしました。
秀吉は、三成が氏郷に毒を盛ったというウワサは
そんな男ではないと否定し、
利家の望み通り、鶴千代を後継者として認める決定を下します。
しかし、その決定に三成たちが猛反発。
利家との約束を簡単に反古にし、鶴千代を転封。
90万石の禄高を持つ蒲生家は2万石に。
その決定に怒った利家は、面目丸つぶれだと出仕拒否をします。
出仕拒否して10日過ぎた頃、
秀吉がこっそりと前田屋敷を訪問します。
家康なんぞは、蒲生家の跡目相続のことなんか忘れて
秀吉のために働くなど云々と文を送りつけています。
要は、何だかんだ言っても秀吉の存在が恐いのです。
それに引き換え、利家はバカ正直に
秀吉と言えども反抗してきます。
不誠実なことには、口を開かずにはいられないのです。
利家は秀吉の、そして秀吉は利家の性格を知っているから
そこで反目し合うし、仲良くもなります。
お互いに大切な存在なのです。
蒲生家のことは、北政所(おね)とまつで
穏やかに決めることにします。
蒲生家跡目相続の決定は
関白秀次の許可も得ていることだと三成は言い張りますが、
当の本人である秀次は、奉行衆が勝手に決めたことだから
納得はしていないと笑って出て行きます。
窮地に陥った三成。
「往生際が悪い」
決定は決定だと聞かない三成にパンッと言い放ったまつは
北政所に頭を下げ、跡目相続について秀吉に取りなしを依頼します。
日ごろから三成の増上慢に不満を感じていた北政所は、
まつからの依頼を受け入れ、
三成には関白の決定と北政所の決定とどちらが重いかを迫ります。
グウの音も出ない三成。
これで、跡目相続は一件落着を見ます。
文禄4(1595)年2月7日、
蒲生氏郷が、伏見の蒲生屋敷において病死する。享年40。
慶長3(1598)年8月18日、
太閤・豊臣秀吉が波乱の生涯を閉じるまで
あと3年6ヶ月──。
原作・脚本:竹山 洋
音楽:渡辺 俊幸
語り:阿部 渉 アナウンサー
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[出演]
唐沢 寿明 (前田利家)
松嶋 菜々子 (まつ)
香川 照之 (豊臣秀吉)
酒井 法子 (おね(北政所))
高嶋 政宏 (徳川家康)
加藤 雅也 (浅野長吉)
伊藤 英明 (前田利長)
及川 光博 (前田慶次郎)
瀬戸 朝香 (淀殿)
原田 龍二 (石田三成)
佐藤 藍子 (麻阿)
須藤 理彩 (豪)
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名取 裕子 (つね)
辰巳 琢郎 (前田長種)
赤木 春恵 (うめ)
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制作統括:浅野 加寿子
演出:佐藤 峰世
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