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2014年11月 9日 (日)

大河ドラマ軍師官兵衛・(45)秀吉の最期 〜天下人死す! 軍師別れの涙〜

慶長2(1597)年 夏、黒田如水は豊臣秀吉の命により
再び朝鮮に出陣していました。

文禄の役では、総大将は宇喜多秀家でしたが
今回の朝鮮出兵では、中納言・小早川秀秋を総大将に据えた秀吉。
黒田の陣では、秀秋は16歳とあまりにも若すぎる、とか
秀吉は何を考えておられるのか、とか家臣たちが言いたい放題です。


一方、如水に留守番を命じられたはずの次男・熊之助は
戦稽古のために遠出する、と糸を欺いて出発。
母里太兵衛の子・吉太夫らとともに朝早くに出て行きます。

しかし、母の光宛てに手紙を残していて、
熊之助の思惑が明らかになったわけです。
誰の力も借りずに、独断で朝鮮に渡ろうとしていたのです。

叱られないでしょうか、と心配する吉太夫に
「我らの心意気、父上も必ず分かってくださる」と
海を渡ってしまえばこちらのもの、とポジティブな熊之助。

突然、船が何かに衝突したようで
大きな揺れとともに、海水が船内に大量に入ってきました。


熊之助と吉太夫が乗った船が
玄界灘で転覆したらしい、という情報は
その日のうちに黒田屋敷に届きます。
船の積み荷が浜に流れ着いたのだとか。

糸は、早朝に二人の姿を見送っているだけに
全て自分のせいだと光に頭を下げて詫びますが、
2人ともどこかで生きておるに相違ない、と
糸にも自分自身にも言い聞かせるようにつぶやきます。

そして、2人の遭難の知らせは
朝鮮の黒田の陣にも届けられます。

如水から書状を渡された太兵衛は
息子を失った悲しみよりも
息子がついていながら主君の弟、先君の子を失ったことに
何度も何度も頭を地面に叩き付けて詫びます。

如水も、家臣を巻き添えにしたことに
太兵衛に申し訳ない気持ちでいっぱいです。


数ヶ月後、糸は姫君を出産。
如水や光にとっては初孫です。

しかし産んだ糸の表情は曇ったままです。
熊之助遭難の件で自分に非があると責め続ける糸は
責任を感じて男の子を産みたかったようです。

光は、あまり気に病むようなことは考えず
赤子が元気に育つことだけを考えて育てなさい、と
そっと励まします。


「このわしが死んだら、この世はどうなるであろうの?」
花見をしながら徳川家康に問いかけた秀吉に、
家康は、家臣一同で秀頼ぎみを盛り立てますから
豊臣家は磐石で泰平の世が続きましょう、と返します。

秀吉は、家康の手を握りながら
秀頼のこと、豊臣のことを頼みます、と頭を下げます。
それは、天下人の姿だけではなく
ひとりの子を持つ親としての姿でもありました。

ただ、秀吉アンテナはまだまだ健在のようで
「あやつはタヌキじゃ」と
言葉を額面通りに受け取る秀吉ではありません。
信長亡き後、秀吉だって天下を奪い取ったのです。

あのころには得難き軍師がいた──。

おねにそう言われた秀吉は、思い出したように
朝鮮に派遣している如水を呼び戻します。


如水が秀吉の元に戻って来ると
秀吉は、高松城を水攻めしていたころのことを
思い出し、如水に語りかけます。

天下が欲しかった秀吉は
その一方でたくさんの人民の命を散らせたわけで、
その者たちが毎晩毎晩夢に出てきます。

このわしは間違っていたと思うか? と如水に問うと
如水は秀吉を見据えてつぶやきます。
「殿下は信長公にこだわりすぎたのです」

天下人の威厳を保つために
豊臣家の天下を揺るぎないものにするためには
致し方なかったことだ、と秀吉。

家康の時と同じように
秀頼のこと、豊臣のことを如水にも頼む秀吉ですが、
家康の時とはどうやら違ったようです。
秀吉には、秀頼ではいかぬ、と言っているように思えました。

「お主……天下を狙っておるな」
秀吉は如水の胸ぐらを掴んで問いつめます。
如水ほどの男が天下を狙わないわけはありません。

しかし如水は、秀吉の下で
世の乱れを収めたかっただけだと言い、
官兵衛は変わらぬのう、いつまで経ってもお人好しじゃ、と
秀吉は笑います。

別れ際、秀吉は如水に
如水が思うような天下人にはなれなかった、と詫び
如水は秀吉に、軍師として使っていただいて
ありがとうございました、と頭を下げます。

二十数年にわたっての主従関係だった二人の別れの時が
ゆっくりと、しかし確実に迫ってきていました。
「官兵衛……さらばじゃ……」


つゆとをち
 つゆときへにし わかみかな
  なにわの事も ゆめの又ゆめ

おねは、秀吉に寄り添いながら
彼の辞世の句を聞きます。

慶長3(1598)年8月18日、
百姓の子に生まれ、位人臣を極めた天下人
豊臣秀吉が息を引き取りました。
享年62。


井伊直政によって秀吉の死の報がもたらされると
家康はニヤリ。

太閤は英雄であったが、惜しむらくは
自身の死後のことまで
もっと考えておくべきであった、とつぶやきます。

「……勝負に出るぞ」


作:前川 洋一
脚本協力:穴吹 一朗
音楽:菅野 祐悟
題字:祥洲
語り:広瀬 修子
──────────
[出演]
岡田 准一 (黒田如水)

中谷 美紀 (光)

寺尾 聰 (徳川家康)

松坂 桃季 (黒田長政)
二階堂 ふみ (淀(茶々))

濱田 岳 (栗山善助)
速水 もこみち (母里太兵衛)
高橋 一生 (井上九郎右衛門)
塚本 高史 (後藤又兵衛)
田中 圭 (石田三成)
高畑 充希 (糸)
東 幹久 (井伊直政)
──────────
黒木 瞳 (おね)
竹中 直人 (豊臣秀吉)
──────────
制作統括:中村 高志
プロデューサー:勝田 夏子
演出:大原 拓


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』
第46回「家康動く」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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