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2014年12月23日 (火)

プレイバック樅ノ木は残った・総集編 前編

──今からおよそ300年前、奥州仙台の伊達家では
いわゆるお家騒動なるものが持ち上がった。

幼い主君・亀千代丸の後見役である伊達兵部が
地位を利用してお家を乗っ取ろうと企て、
それを阻止しようとする忠臣方と家臣全体が
二つに分かれて大騒動を巻き起こしたのである。

この事件は、のちに歌舞伎や講談に脚色されて
今日まで伝えられた。

──『伽蘿先代萩』御殿の場〜床下の場──
食事をとろうとする当主鶴千代に、菓子が差し出される。
その菓子に毒が入っているかもしれないと危惧した乳母・政岡であったが、
それを手づかみで食べた正岡の子・千松が毒にあたってしまう。
政岡は、お毒見の役を立派に果たした千松を褒めながらも、
母として、わが子の不憫な運命を嘆いてその亡きがらを抱きしめる。

その後、巻物は鼠がくわえて去り、その大鼠は仁木弾正の姿に戻る。
弾正は巻物を懐にしまうと不敵な笑みを浮かべ、この場から去っていく。
────────────────────

伊達騒動のお家乗っ取りの張本人・伊達兵部の腹心で
家老の原田甲斐という人物がいたが、
歌舞伎や講談の中では張本人を凌ぐ
極悪非道の大悪人とされている。

だが、原田甲斐は果たしてそのような人物だったのか。

見方を変えて、
現実にありそうな原田甲斐を描き出してみたい──


新吉原・山本屋の奥座敷で
昼間から杯を傾けるのは仙台藩主・左近衛権少将 伊達綱宗。

そして綱宗の供をするのはいつもどおりの面々で、
目付役・坂本八郎左衛門、槍の指南役・渡辺九郎左衛門、
側近・宮本又市、納戸役・畑与右衛門の4名であります。

綱宗は失政はなかったのですが、
少々酒好きの度が過ぎ遊興放蕩三昧であったため、
それを叔父の伊達兵部が諌言していましたが、聞き入れられず。

よって 幕府に対して、家臣ら連名で綱宗の隠居と、
嫡子の亀千代丸の家督相続を願い出たわけです。


万治3(1660)年7月18日。

この日、幕府の老中から通知があって
仙台藩の主だった家臣たちが老中の酒井雅楽頭の屋敷に出頭します。
末席に並ぶ原田甲斐は、この時42歳。

「伊達陸奥守、逼塞まかりあるべく──」

逼塞とは隠居同様のことで、21歳の綱宗に隠居を命じ
その後の藩主には追って沙汰があるという申し渡しです。

翌日の夜、坂本八郎左衛門と渡辺九郎左衛門が
ナゾの訪問者の手にかかり、あえなく落命。

ほぼ同じ時刻、畑 与右衛門は藩内に不穏な空気を察知していて、
妻・のぶに子を連れて宮本又市屋敷へ逃げるように言い置きます。
娘の宇乃は弟の虎之助を起こし、のぶとともに屋敷を落ちますが
のぶは訪問者と会っている与右衛門が気になり、屋敷へ戻ります。

屋敷へ戻ったのぶは夫の殺される瞬間を目撃、短刀を手に……。

父母を亡くした思春期の娘のショックというものは
どれほどのものであったでしょう。
宇乃は、言葉を失ってしまいます。


原田甲斐は村山喜兵衛から、この“上意討ち”について知らされます。

“上意”と言っても、藩主綱宗が逼塞を命じられて1日しか経っておらず
新しい藩主も決まっていない今、誰が命じたものなのかがナゾです。
それ以前に、坂本ら4名は確かに藩主綱宗の供をしていましたが、
遊蕩自体が悪いというものではないのです。

喜兵衛は今回の事件の黒幕として伊達兵部を考えていますが
甲斐は、軽々しく名前を出さぬように釘を刺しておきます。

ただ、甲斐がいくら口止めしたところで
藩内ではあちこちで黒幕について話が出てきてしまいます。

翌朝、里見十左衛門、蜂谷六左衛門、伊東七十郎も原田邸に集まり
黒幕についてああだこうだと議論していますが、
甲斐は何ら話題を取り上げるでもなく、料理に舌鼓を打っています。

藩内の人間から見ても、甲斐の本音はなかなか聞き出せません。
そしてこの会合の情報も、またたく間に伊達兵部の耳に達しています。

甲斐は宇乃を、1本の樅の木の前に連れてきます。

宇乃の父・畑 与右衛門とはとても仲のいい間柄だったそうで、
共に旅をした話などして彼を偲んでいます。
甲斐は宇乃に、この木をいたわってやってほしいと励まします。


8月25日、酒井雅楽頭の屋敷へ出頭を命じられた甲斐は
その2日前に茂庭周防からの密書を受け取っていました。

「久世大和守様よりお話あり 跡式の件安堵あるべしとのこと」

つまり、酒井と久世の間で伊達家跡式の件で話し合いが持たれ
伊達62万石お取り潰しではなく、
亀千代に伊達家相続を許すということになりました。
ただし、伊達兵部ともう一人の後見付きで、という条件です。

来るものが来た──。

これまでの紛糾よりも、
今後の方が本題のような気がしてなりません。

甲斐は逼塞の身となった綱宗を訪ねます。
綱宗は、訪問者もいない寂しい暮らしに変わっていました。
ただそれは、幕府に対する恭順の意を示すものであります。

信頼している甲斐の訪問を受け、綱宗はとても喜びます。
甲斐と久々の酒を楽しみますが、少しずつ目が鬼のように変わり
今回の騒動での首謀者についての恨み辛みを言い出します。

しかしここでも甲斐はポーカーフェイスを貫き、
綱宗に「そちも兵部の一味か!」と疑われる有様です。
綱宗にも、相当な何かが溜まっていたのでしょう。
甲斐は、その綱宗の気持ちが分かるだけに涙を流します。


甲斐は、自分の妻・律と浮気をした中黒達弥を呼び出します。
浮気したことで死を決意している達弥に、
死ぬのではなく生きることの難しさを説きます。

しかし話の本筋はそこではなく……、

外様大名たる伊達62万石を守るために
甲斐は重大な密命を達弥に話します。

徳川から見て、外様大名を取りつぶせば幕府は安泰ですが、
外様大名から見れば家来や民衆の暮らしは傾いてしまいます。
今、伊達家がなすべきことは、
大名取りつぶしの口実を幕府に与えないことであります。

兵部は自ら藩を支配することが藩のためであると信じ、
それに対して真っ向から批判するものも藩内にいます。
そのそれぞれがお山の大将となってしまったとき、
誰が善人で誰が悪人か、誰が忠臣で誰が逆臣か、
そう決めてしまうのが人間の弱さなのかもしれません。

天下万民のためと称していても、
その心のスキをついてくる幕府を正しいと言えるかどうか。
そんな幕府の横暴から伊達62万石を守り抜かねばなりません。

珍しく、甲斐が本音を出しました。


兵部が医者の河野道円に話しておいた“珍しい薬”が
長崎に入ったそうです。

兵部の言いつけであり……と道円が言おうものなら
「待て、わしは言いつけなかったぞ」と、
兵部はその辺りはハッキリとしておきます。

その“珍しい薬”を亀千代に勧めてほしいと言われて
道円は耳を疑います。


──夜。

密書を携えて、部屋子が原田邸に駆け込んできます。
部屋子は不浄門脇のすき間から這い出たそうで、
相当震え慌てているようです。

落ち着かせようとくみはお茶を部屋子に出してやりますが、
それすらもこぼしてしまうほど。
「藩邸に戻ったら殺される」と言われたからでしょうか。

密書には、亀千代に毒を盛った者がいるということと
藩邸は現在、一切の出入りが止められているとあります。

……恐れていた事件がついに発生しました。

藩主に毒を盛ったとしたら、
それだけで幕府の介入を許すことになります。


甲斐は籠に乗って、兵部邸へ向かいます。


原作:山本 周五郎

脚本:茂木 草介

音楽:依田 光正


演奏:東京室内楽団
テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
指揮:岩城 宏之

語り:和田 篤
時代考証:稲垣 史生
殺陣:大内 竜生

──────────

[配役]

平 幹二朗 (原田甲斐)

吉永 小百合 (宇乃)

田中 絹代 (津多)
森 雅之 (伊達安芸)
佐藤 慶 (伊達兵部)
香川 京子 (くみ)
芥川 比呂志 (なにがし様)
宮口 精二 (原田民部)
志村 喬 (里見十左衛門)
岡田 英次 (久世大和守)
高橋 昌也 (茂庭周防)
金田 竜之介 (新妻隼人)
鳳 八千代 (たつ)
下條 正巳 (河野道円)
花沢 徳衛 (与五兵衛)
山本 耕一 (村山喜兵衛)
日下 武史 (柿崎六郎兵衛)
伊吹 吾郎 (伊東七十郎)
吉行 和子 (のぶ)
三田 和代 (律)
沢村 精四郎 (宮本新八)
大出 俊 (塩沢丹三郎)
久富 惟晴 (中黒達弥)
佐藤 友美 (みや)
林 成年 (伊達忠宗)
坪内 ミキ子 (遊女 薫)
丸山 持久 (成瀬久馬)

栗原 小巻 (たよ)

金内 吉男 (畑 与右衛門)
信 欣三 (坂本八郎左衛門)
河村 弘二 (渡辺九郎左衛門)
小栗 一也 (蜂谷六左衛門)
内田 朝雄 (大条兵庫)
佐竹 明夫 (片倉小十郎)
小林 昭二 (渡辺七兵衛)
梅野 泰靖 (渡辺金兵衛)
蜷川 幸雄 (宮本又市)
内田 稔 (松平内記)
徳大寺 伸 (阿部豊後守)
加賀 邦男 (稲葉美濃守)
富山 真沙子 (はつ)
大原 百代 (老女 藤井)
林 寛子 (部屋子)
永久 勲雄 (弁之助)
五藤 義秀 (虎之助)
宮内 幸平 (坂本家家士)
安田 隆 (刺客)
安川 勝人 ( 〃 )

尾上 菊之助 (伊達綱宗)

北大路 欣也 (酒井雅楽頭)

──────────

制作:古閑 三千郎

技術:浅川 登
  :設楽 国雄
美術:富樫 直人
  :岸川 淳一

効果:桜井 芳男
  :大和 定次
フィルム撮影:岩井 禧周
      :佐竹 三典

演出:吉田 直哉
  :沼野 芳脩
  :大原 誠

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