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2015年1月11日 (日)

大河ドラマ花燃ゆ・(02)波乱の恋文 〜至誠ゆえ荒野を行く罪人 そして家族に〜

嘉永4(1851)年・長州 萩──。

内藤一馬と寿が並んで歩いています。
一馬の祖母の具合が悪いと聞いた寿が、
花を贈ったそうです。

そのお礼に、かんざしを贈られる寿。
一馬につけてもらって、少し嬉しそうです。

敏三郎と摘みに行っていた文は
姉・寿の元に駆け寄ろうとしますが、
敏三郎がグイッと引っ張ってやめさせます。

生まれつき聴力の障害を持つ敏三郎は、
だからこそ寿をそっとしておいた方が良いと
直感が働いたのかもしれません。

早速ですが寿に縁談話が舞い込みました。
お相手は、あの一馬です。
まったくお気が早いんだから! と寿は照れていますが、
実は本当に嬉しいわけです。

しかし、内藤家は200石、杉家は26石と
家柄の格が違いすぎるためにこの話はお断りせねば、と
母の滝は言っていますが、好き合った者同士が
一緒になれないことに寿は全くもって納得できません。

ただ救いだったのは、お相手のほうも
それでもいいから、と言ってくれたことであります。
「あっ……ウチので、よろしければ」(by 百合之助)
ようやく胸を撫で下ろす寿です。


江戸に行った吉田寅次郎ですが、
知り合った小田村伊之助と仲良くやっています。

かつて佐久間象山に弟子入りしようと門を叩いたとき
着ていた裃がヨレヨレだったため、門前払いを食らったようで、
伊之助に着物を借りて、出直してきたところです。
ようやく弟子入りにこぎ着けました。

そんな寅次郎の動向に目を光らせているのは
椋梨藤太という長州藩右筆。
頭は賢いが、何をしでかすか分からない、ということで
長州から派遣されて偵察しているのです。


寅次郎は、宮部鼎蔵・江帾五郎とともに
ロシア船の様子を確かめる東北旅行を計画しています。
長旅になることは確実なのですが、藩の許可は出ていて
通行手形も間もなく届くはずです。

伊之助はちょっと心配していましたが、
藩のお許しが出てしかも通行手形が発行されるのであれば
問題なさそうです。


寅次郎から手紙が来ました。
「寿は賢く候えば、学問好きの伊之助とは
 必ず似合いの夫婦に相成り候」

寅次郎からの手紙を読んで、まぁ寿には縁談話があるんだからと
突っぱねればいいだけの話ではあるのですが、
文はちょっとだけひっかかります。

問題は、それからすぐに発生しました。
内藤家が、寿との婚儀を破談にしたいと言ってきたわけです。
「理由は、お分かりでは?」と言われますが、
百合之助も滝も、突然のことで事情がよく分かっていません。

なんと、寅次郎が脱藩したのです。

脱藩してでも、主君や親に背いてでも行かなければならない。
寅次郎は、ロシアに対する防備が
手薄であるとの危機感に突き動かされ、
藩からの通行手形を待てず、東北への視察の旅を強行したわけです。

主君を持つ武士にとって、脱藩とは許されざる裏切り行為。
その裏切り行為のために、今まさに
寿の未来への扉が閉じられようとしています。

路銀が足りなくなったから、と寅次郎からの無心の手紙に
送っておやり、と百合之助らは懐の大きなところを見せますが、
縁談をハチャメチャにされた寿だけは納得できません。

「寅兄に言ってやってつかぁさい。お殿さまにお詫びしろ、と」
そりゃ口調も厳しくなりますわ。
寅次郎も、のほほんと生きている文も、
寅次郎を責めようとしないあの家も、寿は大嫌いです。


ここで寅次郎という人物をつぶしてはならない。
伊之助は急きょ萩に戻り、藩の重役でもある周布政之助に
寛大な処置を掛け合ってみます。

そして実家に戻るわけですが、
志乃は病気で亡くなった直後でした。

「体調がすぐれませぬ」「一度だけお戻りを」
そう手紙を受け取っていながら、萩に戻ったら戻ったで
江戸留学を止めさせられるウソではという疑いもあって、
実家へは足が遠くなっていたのですが、

義母は義母で、小田村家のこと、そして伊之助のことを
最後の最後まで気遣っていたんだろうなぁ、と思うと
少しだけ、後悔する部分があります。


義母上を亡くして、気落ちしているであろう
伊之助を励まそうと、文は
寅次郎も大好き、寿姉も、叔父の文之進も大好きな
節句餅を作って伊之助に持って行きます。

うん……うまい。
険しかった伊之助の表情が、パッと明るくなります。

文は、寅次郎が杉家に充てた手紙を見せ
「ウチの寿姉さまをお嫁さんにしてつかぁさい!」
と口走ってしまいます。

友が欲しい人と、欲しい人が出会ったら……。
何かをしたい人と、したい人が出会ったら……。
寂しい人と、寂しい人が出会ったら……。
きっと、いいことがある。

寿は、たとえ辛いことがあっても泣かない、泣けない。
しかし、優しい伊之助の前でなら泣けるかもしれない。

寿は強い人で、しっかり者。
伊之助が笑ったり嬉しかったり元気になるように
旦那さまを大切に思って、いつもそばにいて尽くすはず。
すべて、今まで妹として見てきた姉の姿です。

「そうなると、俺は寅次郎と兄弟になるわけか。
 切っても切れん家族になるっちゅうわけか」
ニッコリと微笑む伊之助です。


嘉永5(1852)年4月5日。
旅を終えた寅次郎は、再び江戸の地に戻ってきました。

しかし直ちに帰国が命じられ、処分が下るまで
萩の地で蟄居謹慎が言い渡されます。

そして、寅次郎(と文)の仲介で
寿と伊之助が対面することになりました。

寿も、少しは抵抗というか反発というか
すんなり行くのかな? という感じでしたが、
意外にも伊之助を受け入れているようでw

寿と伊之助の婚儀、整いそうです。


幼い頃に伊之助と出会って、憧れだった男の人。
その男性を、あろうことか
自分の言い出しで姉の旦那としたこと。
恐らく、文は伊之助に恋していたのでしょうね。

伊之助の背中を見送りながら、
文は大粒の涙を流します。


作:大島 里美
音楽:川井 憲次
題字:國重 友美
語り:池田 秀一
──────────
[出演]
井上 真央 (杉 文)
大沢 たかお (小田村伊之助)
伊勢谷 友介 (吉田寅次郎)

原田 泰造 (杉 梅太郎)
優 香 (杉 寿)
──────────
石丸 幹二 (周布政之助)
津田 寛治 (松島剛蔵)
鶴田 忍 (新山)
──────────
かたせ 梨乃 (小田村志乃)
内藤 剛志 (椋梨藤太)
檀 ふみ (杉 滝)
奥田 瑛二 (玉木文之進)
長塚 京三 (杉 百合之助)
──────────
制作統括:土屋 勝裕
    :小松 昌代
プロデューサー:堀之内 礼二郎
演出:渡邊 良雄


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『花燃ゆ』
第3回「ついてない男」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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