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2015年1月18日 (日)

大河ドラマ花燃ゆ・(03)ついてない男 〜運命・黒船・兄の涙〜

「小田村さまと、寿姉さまの婚礼が上手くいきますように──」
杉 文が神社の鐘を鳴らして、手を合わせてお願いしています。
まぁ、なんと姉思いというか小田村思いというか……。

しかし、その本心は。
「祝言で“さわまんじゅう”がたくさん食べられますように!」
そこかいっ!(笑)

同じ神社で、手を合わせてくじを引く男がひとり。
久坂玄瑞です。

久坂は、くじを引きそっと目を開けて見てみますが
不本意な結果だったようで、
くじをクシャクシャにして足早に立ち去ります。

嘉永6(1853)年7月。
江戸での勤めを終え、萩に戻った小田村伊之助と
寿の婚礼が行われました。

一方、吉田寅次郎はというと
脱藩の罪を問われ、武士の身分を剥奪され
その身柄は父・杉 百合之助の育み(はぐくみ)、
つまり保護観察下に置かれることになりました。

長州藩主・毛利敬親は、百合之助の願いを聞き入れ
寅次郎の10年間遊学を許可します。


ペリーの船が、江戸湾沖へとその姿を現します。

その姿をその目でしっかりと見た寅次郎は
興奮を抑えきれず、走り出します。

それからすぐに、萩城の敬親宛に
匿名の建白書が提出されたわけですが、
建白書を提出しただけでも不届き者と言われるのに
匿名であるために、無礼極まりない! と大騒ぎ。

兄の杉 梅太郎は、その建白書は
寅次郎が出したものかもしれない、と不安でいっぱいです。

寅次郎は前の処分で武士の身分を剥奪されているので
長州藩士でないものが殿の政治に口出すということは
最悪の場合、死罪もあり得るか、と……。


10月、あちこち移動の忙しい寅次郎は
長崎に来ておりました。
プチャーチン率いるロシア艦隊が
長崎に来ているという情報を得たためであります。

しかし一足遅く、ロシア艦隊は長崎を去った後でした。


伊之助は、夜は寝苦しそうにうなされています。
それを横で見ていた寿は、決して料理がうまいわけではないのに
自分の手で朝ご飯を作ってあげて、食べさせたいみたいです。
包丁で切ったであろう指に包帯がw

でも伊之助は、寅次郎のことで? 周布政之助に
急いで書状を送らなければならず、朝食はそっちのけ。

冷めますから、と寿が催促してようやく膳の前に座ってくれますが、
寿が精魂込めて作った朝食も、
汁を麦飯にパッとかけてサササッとかき込み
「ごちそうさま」

お宮で勧進相撲が催されるそうです、と言えば
下女に「寿を連れてってやってくれ」と。

自分の気持ちが通じていない伊之助に
そりゃ寿もふてくされますわw


周布が萩に戻ってきました。

さっそく対面に向かう伊之助と梅太郎ですが、
周布に例の建白書を見せられます。
字を見れば誰が書いたものかは
分かるであろう、というわけです。

それを読む梅太郎はガタガタと手が振るえ、
伊之助はあからさまに目を背けます。
寅次郎の字に間違いないからです。

周布は大笑いし、匿名にしたのは私だ、と打ち明けます。

自分のような身分の者が建白書を提出することは
罪になることは分かっているが、
心のうちを殿に理解してもらえるなら死罪でも構わない、と
寅次郎の名がしっかりと書き込まれて周布に届けられたようです。

黒船から、この国をいかにして守るか?
兵学者寅次郎の、優れた考えが建白書に書かれています。

「次に何かをしでかしたら、もうかばい立てはできんぞ」
今までに何度となく恩情を見せていた周布も
寅次郎への最後通告です。


寅次郎が長崎から萩に戻ってきました。

死罪になるかもしれないのに、殿に対して建白書など
どうしてそんなこと! また皆を心配させるようなこと!
と怒りを露にする文ですが、

川にズカズカと入っていった寅次郎は、文に問いかけます。
「のう文、お前はどう生きる?」

自分の人生を、自分の命を、何のために使うのか。

知っているだけなら意味がない。
己は日本の危機を知ってしまった。
しかしほとんどの日本人はその危機に気づいていない。
気づいても動こうとしない。
であるならば、自分が動くしかない!

思いが届くなら、死など構わない。
寅次郎はニッコリ微笑んで文に諭します。

寅次郎を捕まえてしっかり説得せねば、という梅太郎に
寅次郎は、英雄気取りのような無茶な真似は二度としない、
今後10年間は学問だけに専念する、と約束。

伊之助は、江戸に行っても自分が着くまで
何もせずに待っていてくれ、と言いますが、
その言葉を遮るように「心遣い、感謝する」とだけ答え
再び萩を後にします。

数日後、寅次郎を追って伊之助も江戸に向かいます。


学問に専念しているはずの寅次郎……ですが
江戸に到着して、品川沖に停泊中の黒船に
いかにして乗り込むかを金子重輔と密談中。

そこに、相模警固の命を受けて江戸に来た梅太郎と
伊之助が突然入ってきます。
「どういうことじゃ、寅」

梅太郎は、兄として寅次郎を諭します。

これをしたいと思ったら歯止めが利かない。
……それでは子供と一緒。

日本を守りたい気持ちはよく分かるが、そのためなら
世間のしきたりも家の掟も主君への忠義も
構わず踏み越えようとする。
そのことで、一家が後ろ指を指され路頭に迷おうと
公のため、天下万民のため、と言うだろう。

しかしそれは詭弁に他ならない。
一家を構え、守るべきものを持ち
正しい筋道で正しいやり方で世の中を変えればいい。
お前ならそれが出来る!

「どうか兄の思いを分かってくれ!」
兄が弟に手をついて、頭を下げます。


異国船を見に行く約束で、親に悟られないようにと
薮の中の物置小屋に集合をする予定だった
入江九一や吉田稔麿らはついに来ず、
久坂はひとりまちぼうけw

しかし現れたのは、ひとりの女の子(=文)でした。
「異国船を見に行くんでしょう?」

沖に出る道は軒並み封鎖され、山道を進むことにしたふたり。
転んだ久坂は、目の前にあった棒をヘビだと間違える有り様でw

でも久坂は、寅次郎と似たようなことを言っていました。
この国は危うい、危機が迫っているというのに
みんなそれを分かっていない。
誰かがやらねばならないのだ、と。

結局、日が昇るころに沖を見渡せる崖の上に着いたのですが、
異国船らしいものは何一つありませんでした。

今回の冒頭、神社でくじを引いていた久坂ですが、
今日この日、もし異国船を見ることが出来たなら
何かが変わるはずだ、と願掛けをしていたようで、

しかし、くじを何度引いても凶が出るものだから
自分は神様に愛想尽かされとる、と泣き出します。

実は、兄の病気が治りますように、と言って引いたくじも
母の病気が治りますように、と言って引いたくじも
父の病気が治りますように、と言って引いたくじも
どれも「凶」だったようで、
1年の間に3人も亡くすという悲劇に見舞われた久坂。

しかし、家督を継いで藩医になる、という役目は
亡き兄から引き継がなければなりません。

国を作りたい! 未来を作りたい!
そのために武士として戦いたい!
そんな思いとは別に、四方から
“お前はこう生きろ”と壁が迫ってくるようです。

それを受け入れるということは、
自分の思いを諦めるということ……。
オレの人生なんて、どうせこねなもんじゃ!

何を思ったか、その話を聞いた文は
久坂の手を引いて、その神社に連れて行き
みくじをもう一度引いてみよう、と久坂に勧めますが、
余計なおせっかい、と久坂は断固拒否します。

「だって悔しい! あんた偉い人なのに!」
異人を倒すとか黒船を見に行くとか口だけの人間が多い中で
久坂は違って、本当に行動する。
自分の人生をどう使うか本気で考えている人です。

悪いことばっかりあったのなら、きっともう悪い運は使い切った。
だからこれからは、きっと良いことばかりある。

文に背中をポンと押されたような感じで
久坂はもう一度くじを引きます。

その中身を確認しようとすると、
コラさい銭泥棒! と疑われるふたり。
別に泥棒したわけではないけれど、懸命に逃げます。

逃げた先がふたり別々だったものだから、
お互いの名前を知らないままお別れになったわけですが、
どこからか、文の声が聞こえてきました。
「またね!」

「またな!」
久坂の声が聞こえ、満足げに家に戻ろうとする文に
汽笛の音が聞こえてきました。

汽笛の音は、久坂にも聞こえていました。
そこでくじを見てみると……(^ ^)

この久坂玄瑞が、再び出逢う運命の人であることを
文はまだ、知りません。


寿が里帰りです。

お腹には、伊之助の子を身ごもっていまして
それを聞いた文は、大喜びで母の滝を呼びますが、
百合之助がフラフラになって倒れてしまいます。
「寅次郎が……寅次郎が……」

国禁を破り、ペリーの黒船に乗り込んだという報が届き
あまりのショックで血の気が引いたようです。


作:大島 里美
音楽:川井 憲次
題字:國重 友美
語り:池田 秀一
──────────
[出演]
井上 真央 (杉 文)
大沢 たかお (小田村伊之助)
伊勢谷 友介 (吉田寅次郎)

東出 昌大 (久坂玄瑞)

原田 泰造 (杉 梅太郎)
優 香 (小田村 寿)

瀬戸 康史 (吉田稔麿)
要 潤 (入江九一)
──────────
石丸 幹二 (周布政之助)
──────────
檀 ふみ (杉 滝)
奥田 瑛二 (玉木文之進)
長塚 京三 (杉 百合之助)

北大路 欣也 (毛利敬親)
──────────
制作統括:土屋 勝裕
    :小松 昌代
プロデューサー:堀之内 礼二郎
演出:渡邊 良雄


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『花燃ゆ』
第4回「生きてつかあさい」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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