大河ドラマ花燃ゆ・(09)高杉晋作、参上! 〜明治維新の英雄が青春を駆けめぐる〜
杉家の吉田寅次郎の部屋には
文の友だちであるすみの次兄にあたる野村 靖や
赤禰武人、寺島忠三郎、品川弥二郎など
塾の噂を聞きつけた若者たちが集まり始めます。
塾……といえば、寅次郎が生徒たちに教えるという
スタイルを思い浮かべがちですが、
先生と呼ばれるのを嫌う寅次郎は
“生徒たちとともに学ぶ”という姿勢でいます。
文は、というと
集まってくれる生徒たちに握り飯を食べさせ、
夜遅くなれば夜食を振る舞うわけで、
当然、杉家の米びつは空になってしまいます。
文は寅次郎に、生徒たちから
お米代を払ってもらえるように伺いを立ててみますが、
学ばせてもらっているのは僕のほう、と言い出し
お月謝としていただく方法を完全否定。
お話にすらなりませんw
そんな時、高杉晋作が塾を訪れます。
「国禁を犯した罪人の塾とはどねえなもんか見物に参りました」
ようおいでになられた、と寅次郎は微笑んで
皮肉を言ってきた高杉も塾に招き入れます。
その日の議題は、日米和親条約を結んだアメリカから
ハリス総領事が下田に着任したことについてであります。
しばらく見物していた高杉は、大きな大きなアクビをして
居眠りをしてしまっています。
高杉に言わせれば、百姓や医者が
政治を論じてどうなる、という考えなわけです。
いずれ政治に関わることになるのだから、
今は三味線や詩を作っているほうが楽しく過ごせる──。
しかし、高杉の性格を見破った寅次郎は
そのライバルたる久坂玄瑞の方が優れていると褒めちぎり
高杉の闘争心を煽ります。
その言葉に、さすがの高杉もムッとして
寅次郎を鋭く睨みつけます。
慌てて間に入った文は、どういう思惑か
高杉に気に入ってもらえるように詩を褒めまくり
文のことが少し気になる久坂が、
今度は逆にムッとして出て行ってしまいます。
野山獄で一緒だった富永有隣が杉家に現れます。
野山獄でずっと囚人として過ごしていたはずですが、
小田村伊之助の働きにより
赦免されて牢屋から出されたわけです。
ただ、帰る家がないのでしばらく杉家でごやっかい。
食客がひとり増え、杉家の台所は火の車〜♪
文は、どうしても高杉に入門してもらおうと
高杉屋敷を訪問して説得に当たろうとします。
しかし、父・高杉小忠太に追い返されてしまう始末。
しかも、二度と近づかないようにけっこう強めの言葉です。
いつもは元気いっぱいの文も、
この時ばかりはさすがに力を落とします。
寅次郎は、名門高杉家の中に縛られた高杉自身の心の中では
何か熱いものが煮えたぎっているように思えてなりません。
何かこう、一生懸命にもがき苦しんでいるような感じです。
高杉が「人生がつまらんでつまらんで仕方がない」と
己が心の病気にかかっているのではないかと言い出しますが、
「お前の人生がつまらんのは、お前がつまらんからじゃ!」
久坂は大声で叱咤します。
君の志は何ですか?
ふと、寅次郎が高杉に尋ねてみます。
志は誰も与えてくれない。
自分自身が見つけて、それを掲げるしかないわけです。
つまり志を立てるということは、全ての根源なのです。
「君は、何を志しますか」
数日後、高杉の姿は杉家にありました。
何のために学問をするのか、
それは高杉自身も今は全く分かりません。
しかし自分がここにいれば、
もしかしたら「志」を持てるかもしれない。
どんな人の、どんな言葉でも
高杉の目を覚まさせてくれるものはありませんでした。
高杉にとって、この松下村塾という私塾は
何かを変えてくれる存在になるかもしれません。
ともに学びましょう、と寅次郎は高杉を迎え入れます。
作:大島 里美
音楽:川井 憲次
題字:國重 友美
語り:池田 秀一
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[出演]
井上 真央 (杉 文)
大沢 たかお (小田村伊之助)
伊勢谷 友介 (吉田寅次郎(松陰))
高良 健吾 (高杉晋作)
東出 昌大 (久坂玄瑞)
原田 泰造 (杉 梅太郎)
優 香 (小田村 寿)
瀬戸 康史 (吉田稔麿)
劇団 ひとり (伊藤利助)
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本田 博太郎 (富永有隣)
北見 敏之 (高杉小忠太)
きたろう (梅田雲浜)
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内藤 剛志 (椋梨藤太)
檀 ふみ (杉 滝)
長塚 京三 (杉 百合之助)
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制作統括:土屋 勝裕
:小松 昌代
プロデューサー:堀之内 礼二郎
演出:渡邊良雄
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『花燃ゆ』
第10回「躍動! 松下村塾」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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