« 長い道のりであった。 | トップページ | はぴはぴ »

2015年3月 9日 (月)

大河ドラマ花燃ゆ・(10)躍動! 松下村塾 〜名門校vs私塾 志を懸けた真剣勝負〜

自宅蟄居を命じられた松陰 吉田寅次郎が
わずか3畳半の幽囚室で始めた塾は
武士、百姓、町人の区別なく、学を志すものが集い
昼夜を問わず常に開かれているという型破りな学び舎です。

後に初代総理大臣となる伊藤利助が
松陰の元を訪れたのは安政4(1857)年の秋のことでした。

かつて高杉晋作に尋ねたように、松陰は
何を志しますか、と利助にも聞いてみます。
利助は「立身出世」とあっさり言ってのけます。

一家で伊藤家の養子に入り、
今より少しでもいい暮らしがしたいのだそうです。

松下村塾の本日の講義は「フグ」。

何もフグのうまい調理方法を教えようっていうんではありません。
フグはうまいが毒があるのでフグ食を禁止する藩も多いのですが、
その「フグ食禁止令」は道理に叶っているかどうか。
松陰は、こんな議題であっても徹底的に議論させます。

吉田稔麿という青年は、見識を広めるために
江戸で学びたいと常々考えていました。
しかし吉田家は身分が高いわけではないし
金もないので江戸留学はできそうもありません。

文は、何とか江戸へ留学させてやりたいと
叔父の玉木文之進に稔麿を
江戸留学生として推挙してほしいと頭を下げます。

しかし、それに対して椋梨藤太からの横やりが入ります。
椋梨の考えとして、罪人・吉田松陰の門弟から
江戸留学生を出すわけにはいかないわけです。

──江戸、江戸とどうしてみんなは江戸を目指すのか。
新しい知識や学問、そして今
江戸で何が起きているかを知るために。

──それを知ってどうする?
異国の脅威を打ち払い、この国を守るために。

──どのように守る?
それを学ぶために。

──学んでどうする?

松下村塾というこの場所で、己を突き詰め
志を見つけられない者が江戸に行ったって
一体何が出来るというのか。
「志のない者が江戸へ行っても、無駄です」


それからの稔麿は、港に入り浸って
江戸から帰国した者がいると知れば
江戸の話を徹底的に聞いていました。

書物では決して教えてくれない、生きた江戸の情報です。

江戸の暮らしを肌で実感し
それを長州にいるみんなに伝えたい。
稔麿はそう強く思うようになっていました。

そこに、小田村伊之助から文之進を介して
稔麿の江戸行きは意に添えなくなった、と伝えてきました。
しかし、稔麿はそれでも諦めません。
松陰の門弟として江戸へ行きたいのです。

松陰は、そんな稔麿の思いを強く受け止めます。

身分の上下、くだらない建前、
すべてその志の前では一文の価値もない。
古い考えに縛られてはならない。
「思うように抗え! 諸君、狂いたまえ!」

門弟たちは、一斉にある場所へ駆け出して行きます。


藩主・毛利敬親が視察に来る、というので
明倫館は多少ピリピリした雰囲気に包まれています。

そこに、明倫館に着いた高杉らは
椋梨に会わせろと騒ぎ出します。
椋梨とともにいた伊之助は、騒ぎを聞いてニンマリ。

高杉たちと会った椋梨は、彼らがどうこうというより
彼らが学んでいる師匠たる松陰が
国禁を犯した大罪人であることを問題にしているのです。
これを認めれば、秩序が崩れてしまいます。

敬親が現れました。

高杉たちが明倫館生徒ではないことを断った上で
彼らが松陰の元で学問に励む若者と紹介。

そういえば、敬親も松陰の弟子でしたね。
それを知った高杉は、弟弟子として
江戸行きに加えてほしいと談判します。
「そうせい」

稔麿は、江戸へ出発することが出来ました。


久坂は、伊之助のことを考えていました。

椋梨の下で働いているので
自分たちにとっては敵であるはずなのに
稔麿の江戸行きを、期待に添えないと返事したはずなのに
いつの間にか、取りはからってくれた……。

「私たちを見守っていてくれる。義兄上はそういう人です」


作:宮村 優子
音楽:川井 憲次
題字:國重 友美
語り:池田 秀一
──────────
[出演]
井上 真央 (杉 文)
大沢 たかお (小田村伊之助)
伊勢谷 友介 (吉田寅次郎(松陰))

高良 健吾 (高杉晋作)
東出 昌大 (久坂玄瑞)

優 香 (小田村 寿)

瀬戸 康史 (吉田稔麿)
劇団 ひとり (伊藤利助)
佐藤 隆太 (前原一誠)
──────────
石丸 幹二 (周布政之助)
羽場 裕一 (長井雅楽)
藤田 宗久 (山県大華)
本田 博太郎 (富永有隣)
──────────
内藤 剛志 (椋梨藤太)
檀 ふみ (杉 滝)
奥田 瑛二 (玉木文之進)
北大路 欣也 (毛利敬親)
──────────
制作統括:土屋 勝裕
    :小松 昌代
プロデューサー:堀之内 礼二郎
演出:渡邊 良雄


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『花燃ゆ』
第11回「突然の恋」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

|

« 長い道のりであった。 | トップページ | はぴはぴ »

NHK大河2015・花燃ゆ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 長い道のりであった。 | トップページ | はぴはぴ »