プレイバック徳川慶喜・(15)密勅
登城停止処分を受けた一橋慶喜。
しかし、しばらくは登城しなくてもいいわけで
何となく肩の荷が下りたような開放感を味わっています。
そこに舞い込んだ、将軍薨去の報。
知らせたのは松島なのですが、
今までがけっこうでまかせを大きな口で伝えてきただけあって
オオカミ少年のようにも思えますが、
慶喜はなぜかこういう時だけは信用します。
京では、うわさ話で持ち切りでした。
大老・井伊直弼が大軍を率いて京都に迫り、
天皇をかついで彦根にお移しした後
条約締結に異を唱えたものたちを罰し始める、と。
あるいは、薩摩の島津斉彬が大軍を率いて
天皇や御所を護衛するということで、
いずれにしても京が戦の大舞台になり得るわけです。
美賀が、待望の姫を出産しました。
思ったより美賀も落ち着いていて、慶喜も安堵します。
慶喜は、うぐいすの絵をしたためて掛け軸にしたものを
美賀にプレゼントします。
……と思ったら、産まれて4日もしないうちに夭折。
慶喜はすっかり気落ちします。
京を護衛する、という約束だった斉彬ですが
10日ほど前に急逝したそうで、鷹司政通らは拍子抜け。
これでは井伊大老の思いのままに操られてしまいます。
井伊大老を恐れた朝廷は、幕府の許可を得ないまま
水戸藩に勅状を下したのは、それからすぐのことであります。
いつもなら、勅状というものは
天皇→関白→武家伝奏→禁裏付→京都所司代→老中→将軍
という流れで行くのですが、今回は
天皇→武家伝奏→水戸藩京都留守居役→水戸藩
という流れで、ダイレクトに水戸藩に行ってしまったわけです。
関白は、この勅状のことは全く知らないわけなので
この勅状のことを「密勅」といいます。
当然ながら、井伊大老は大激怒です。
そのころ、新三郎が生麦にいる、という情報を掴んだたみは
生麦に急いでいました。
その後ろをつけている、旗本早川の弟たち。
安政5(1858)年8月8日、
孝明天皇が水戸藩に勅書(勅諚)を下賜する『戊午の密勅』事件。
慶応3(1867)年10月14日、
徳川慶喜が明治天皇に『大政奉還』を上奏するまで
あと9年2ヶ月──。
(『篤姫』では「(28)ふたつの遺言」〜「(29)天樟院篤姫」付近)
脚本:田向 正健
原作:司馬 遼太郎「最後の将軍」より
音楽:湯浅 譲二
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[出演]
本木 雅弘 (徳川慶喜)
菅原 文太 (徳川斉昭)
石田 ひかり (美賀)
鶴田 真由 (徳信院直子)
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花柳 錦之輔 (孝明天皇)
水野 真紀 (たみ)
一色 紗英 (みよ)
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宝田 明 (鷹司政通)
有馬 稲子 (清子)
佐藤 慶 (永原帯刀)
岸田 今日子 (松島)
杉 良太郎 (井伊掃部頭直弼)
大原 麗子 (れん(語り))
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制作統括:高橋 幸作
演出:谷口 卓敬
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