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2015年4月12日 (日)

大河ドラマ花燃ゆ・(15)塾を守れ! 〜安政の大獄に挑む!〜

安政6(1859)年1月。
吉田松陰のいない、杉家の正月であります。
閉鎖された松下村塾は、障子も閉められ
塾生もいないので、とてもひっそりとしています。

野山獄を出て3年、獄で松陰がさまざまな交流をした囚人たちの中で
高須久子のみが自ら望んで獄に残っていました。
正月だから、と松陰に差し入れを持ち込んだ杉 梅太郎と久坂 文は
その久子に一礼して松陰の獄前へ向かいます。

「真心を尽くせば必ず伝わる」
一日一日が無駄に出来ない、と
松陰は門弟たちに手紙を送りまくります。


江戸でその手紙を受け取った久坂玄瑞。
力を借りたい、という松陰からの手紙には、
“藩に邪魔立てされようと、僕は間部老中を討つつもりです”
とありました。

間部を討ったところで何にもならないと
高杉は、その話に乗らないことにしましたが、
久坂は「どねえすれば……」と悩みます。

その後、久坂からの手紙を受け取った文は
始めこそ満面の笑みで手紙を読み進めていましたが、
そこには松陰の老中暗殺を諦めていない実情があったようで
みるみるうちに表情が曇ります。

今、動くのはなかなか難しいので、
しばらく時を待つように、と説得する久坂でしたが、
“志を持たない君らとは絶交するしかない”と憤慨する松陰です。

そんなやりとりが行われているのを知って、桂 小五郎は
松下村塾の塾生と松陰との手紙のやり取りさえも禁止させます。

松陰の言葉に煽られた塾生が事を起こすのを未然に防ぐためであり、
幕府や幕閣を批判する者たちの証拠探しに躍起になっている幕府に
証拠を掴まさせないためでもあります。

塾生たちとの手紙のやり取りさえも奪われたら、と文は心配ですが
今は松陰を孤立させることこそが、
結果的には松陰を助けることにもなるわけです。
やがて、藩の命令で、松陰の獄から筆と硯も取り上げられます。

何かしなければ、と焦る久坂に、何も出来ないという高杉晋作。
江戸にいるふたりの友情にも、松陰のことで亀裂が入ります。

萩の塾生たちも、松陰を助けて何か事を成したいと思いつつも、
小田村伊之助にズバリと指摘されたように
人から言われてではなく自らが考えて行動しようという者がいないためか
結局は誰も動けません。

耳が聞こえないというハンデを背負っている弟の杉 敏三郎だけが、
言葉を取り上げられ、それを伝える方法すらも取り上げられた松陰の
悲しさ、悔しさを分かっていて、
松陰が計画した伏見要駕策を実行しようとしますが
行ってはならぬ、と松陰は敏三郎を止めます。


いよいよ動き出さなければ、遅きに失してしまいます。
始めは入江九一が名乗りを上げますが、
弟の野村 靖が代わって実行することになりました。

「うちは二人おる」「どちらかが残ればええ」などと言うあたり
この計画を実行すれば、犬死にだと誰もが分かっているわけです。
分かっているからこそ、誰も名乗りを上げられない。

しかしそれを実行するには、本心からそれを望んでいるのでなければ
単に松陰を裏切れないという義理の部分でしかありません。

野村が脱藩し、京に向かいました。
すぐに藩から追っ手が出されます。

それを知った入江は、策の発案は自分だと弟と松陰を庇い
自首したそうです。

松陰はジレンマに陥っていました。

「声をあげん者に、声が届かん者の気持ちは分からん」
「事をなさん者に、失敗した者の気持ちは分からん」

松陰が最も憎むべきは、口先だけは立派なことを言って
何の行動もしない人間であると思っている松陰は、
久坂や吉田稔麿、伊之助たちも「友ではない!」と突っぱねますが、
自分も何も行動できないゆえに、
何の役にも立たない自分を自分で憎んでいるわけです。


作:大島 里美
音楽:川井 憲次
題字:國重 友美
語り:池田 秀一
──────────
[出演]
井上 真央 (久坂 文)
大沢 たかお (小田村伊之助)
伊勢谷 友介 (吉田寅次郎(松陰))

高良 健吾 (高杉晋作)
東出 昌大 (久坂玄瑞)

原田 泰造 (杉 梅太郎)
優 香 (小田村 寿)

瀬戸 康史 (吉田稔麿(回想))
佐藤 隆太 (前原一誠)
要 潤 (入江九一)
──────────
井川 遥 (高須久子)
田中 要次 (福川犀之助)
堀部 圭亮 (間部詮勝)
きたろう (梅田雲浜)
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東山 紀之 (桂 小五郎)
檀 ふみ (杉 滝)
奥田 瑛二 (玉木文之進)
長塚 京三 (杉 百合之助)
高橋 英樹 (井伊直弼)
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制作統括:土屋 勝裕
    :小松 昌代
プロデューサー:堀之内 礼二郎
演出:安達 もじり


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『花燃ゆ』
第16回「最後の食卓」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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