プレイバック徳川慶喜・(17)安政の大獄
たみが奪ってきた、村田新三郎・みよの子。
一橋家に入って、たみも居座っております。
この子をどこから手に入れたかを追及する
徳信院直子や美賀ですが、たみはそれには答えようとせず
殿(一橋慶喜)が私に新三郎を会わせたことを恨みます、と
よよよと泣くばかりです。
「この子は……新三郎の子にございまする〜」
大老・井伊直弼、筆頭老中・間部詮勝の捕縛の輪が
少しずつ狭まりつつあります。
朝廷からの漏れ聞いた状況と、幕府からの話とでは
いろいろと食い違いがあるようで、
慶喜は、どこをどう信じればいいのか分からなくなっています。
親戚の法事のために生麦村に帰ったれん。
さっそく新三郎の様子を見てみますが、
幕府の役人として栄転が決まっている平岡円四郎が先回りして
新三郎に武士を止めた経緯を追及しています。
平岡と新三郎の話し合いは何とか終わったようで、
ひとまず平岡とともに江戸に戻ることになりました。
江戸に戻って慶喜の役に立ちたい新三郎と、
娘のことは諦めるから一緒にいたいみよ。
新三郎の気持ちが揺れ動きます。
一通り話を聞いたれんは、
一橋に行っても生きて戻れるか確証がない、ということで
ふたりを逃がすことにしました。
大獄の輪は確実に狭まり、そして広範囲に広がりつつあります。
ついに対象が公家の家臣にまで手が伸び始めました。
そんな時、紀州藩主徳川慶福が
14代将軍として徳川家茂が就任することになりますが、
これは誰が見たって、井伊大老が幼少の将軍を操って
政治の実権を握っているようにしか思えません。
井伊大老の暴挙を食い止めようと
水戸藩士や薩摩藩士を中心に、井伊大老の首を狙い始めます。
罰せられてくすぶっている時ではない。
慶喜も徳川斉昭も、イライラしているようです。
こうしたい! と思っても、処分を受けている関係上
全く身動きが取れないのです。
節分には早いが、鬼を払ってやる、と
慶喜は部屋内から外を目がけて弓矢を何本も放ちます。
「鬼は外! 鬼は外!」
井伊大老の度重なる攻撃に
意気消沈してしまった孝明天皇は
条約調印を認めてしまうしかありませんでした。
調印を認められたから、間部老中は罪ある者を許し始めるのですが
井伊大老はそれを“てぬるい”と認めようとしません。
その者たちを許せば再び災禍を招いてしまう。
「裏切り者は一人たりとも許してはならぬ」
一人残さず、この世から消し去れ──。
安政5(1858)年10月25日、
徳川家茂が第14代将軍に就任する。
慶応3(1867)年10月14日、
徳川慶喜が明治天皇に『大政奉還』を上奏するまで
あと8年11ヶ月──。
(『篤姫』では「(30)将軍の母」付近)
脚本:田向 正健
原作:司馬 遼太郎「最後の将軍」より
音楽:湯浅 譲二
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[出演]
本木 雅弘 (徳川慶喜)
菅原 文太 (徳川斉昭)
石田 ひかり (美賀)
鶴田 真由 (徳信院直子)
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花柳 錦之輔 (孝明天皇)
水野 真紀 (たみ)
一色 紗英 (みよ)
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宝田 明 (鷹司政通)
岸田 今日子 (松島)
杉 良太郎 (井伊掃部頭直弼)
大原 麗子 (れん(語り))
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制作統括:高橋 幸作
演出:竹林 淳
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