あまちゃんと吉田寅次郎
本放送のときに1回たりとも見たことがなかった『あまちゃん』。
総合だったか、BSだったか、ネットだったか忘れましたが
再放送が4月から始まっていまして、
あまちゃんファンが「やった!」と大騒ぎしております。
で、ワタクシ。
5ヶ月ぐらい前からNHKオンデマンドで
『あまちゃん』を初視聴しております。
いろいろな意味で話題になったあまちゃんテーマも
「じぇじぇじぇ!」のイントネーションも初体験です。
朝ドラと同じ、1日1話ペースと決めておりまして
今、ようやく第138話。
震災後、デビュー作の映画を1週間で打ち切られたあまちゃんが
故郷への思いを募らせ、女優業を休止して北三陸に戻ってきたところ。
終了までの残りは、およそ3週間分です。
ただ、第1話からじっくりと見てみて思ったのは──。
ワシ、あまちゃん嫌い……。
でした。
それは無論、演者の能年玲奈さんがキライなわけでも
作者のクドカンこと宮藤官九郎さんがキライなわけでもありません。
もちろん、あまちゃんの性格が設定によるものであることは
充分に理解した上でありますが、
海女さんになりたいと言い出したかと思えば、
アイドルになりたいと言い出すし、
あの周囲を巻き込んだ自由奔放さが全く理解できません。
誤解を恐れずに言えば、見ていて実にイライラしちゃうわけです。
ドラマを見ていて共感するのは、むしろ
あまちゃんの親友・足立ユイ(演者:橋本 愛さん)の方かもしれません。
あまちゃんファンの方々、実に申し訳ないっっ。
現在、大河ドラマでは『花燃ゆ』が放映されています。
松陰吉田寅次郎の妹・文の生涯を描いているわけですが、
これも同じように、ワシ、寅次郎嫌い……です。
それは無論、演者の伊勢谷友介さんがキライなわけでも、
作者の大島里美さん・宮村優子さんがキライなわけでもありません。
もちろん、吉田寅次郎の性格が設定であることは
充分に理解した上でありますが、
諸外国を知ろうと密航を企てたり、老中暗殺を決めたら
それの是非をも考えず、一直線に突っ走ったり、
あの周囲を巻き込んだ自由奔放さが全く理解できません。
誤解を恐れずに言えば、見ていて実にイライラしちゃうわけです。
ドラマを見ていて共感するのは、むしろ
吉田寅次郎の妹・小田村 寿(演者:優香さん)の方かもしれません。
吉田松陰ファンの方々、実に申し訳ないっっ。
でも結局、主役だったり主役の身内(いわゆる“主役級”)だったりすると
とかく“いいひと。”に描かれかねないドラマの設定で
そういう風に反感を持った感じで見られるようにドラマを進めるというのは、
ある意味チャレンジであり、新鮮でもあります。
むしろ、その方がドラマとして面白いのかもしれません。
主人公だからと、何でもかんでも主人公の手柄にしてしまうような
歴史ドラマの主人公だったり、
共感を得やすいように“いいひと。”に描いてしまうのは、
ちょっと飽き飽きしておりました。
だからこそ、『あまちゃん』『花燃ゆ』を楽しめるのかもしれませんね。
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