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2015年5月31日 (日)

大河ドラマ花燃ゆ・(22)妻と奇兵隊 〜前代未聞の作戦で反撃!〜

文久3(1863)年5月10日、
久坂玄瑞らによって攘夷が決行され
250年続いた太平の世は、いよいよ
幕末の動乱へと動いていくことになります。

下関光明寺にいた文のところには
夫の玄瑞が先頭に立って異国船を打ち払ったことで
民衆たちがお礼に、魚や野菜などを献上。
玄瑞を英雄と称えています。

「分かっとらんのう……このまま異国が黙っとるわけがない」
玄瑞の賞賛をよそに、高杉晋作はピストルを手に頭を抱えています。

晋作の予想は当たり──。
文は、異国船相手に懸命に戦う志士たちに握り飯を握っていましたが、
次の瞬間、大砲の襲撃音に驚いて腰を抜かしそうになります。

アメリカ船が壬戌丸(じんじゅつまる)を砲撃し、
庚申丸も沈められたそうで、
そのまま上陸されてしまいそうな勢いです。

先ほどまで戦勝に酔っていた民衆や武士たちは途端に慌てて
逃げ出すもの、戦場に駆けつけるもの、さまざまです。
玄瑞が砲台に駆けつけた時には、すでに上陸し
砲台は囲まれてしまっていました。

6月、アメリカ・フランス艦隊の報復攻撃により
下関は壊滅的な打撃を受けてしまいます。
「何でわしらがやられるんじゃ! 誰じゃ、異国と戦を始めたんは!」
玄瑞をもてはやしていたはずの民たちの叫びが、痛いです。

戦場は危うい、女は帰れ! と玄瑞は文に怒鳴ります。

文としては、夫を助けたい一心で下関に来ましたが
そんな健気な思いは玄瑞には届きそうもありません。
吉田稔麿のフォローが入ります。
「帰った方がええ。今は久坂さんに心配かけんでやってくれ」

下関から萩に戻った文ですが、
萩にも攻めてくるのではないか、という心配から
萩の町も、思ったよりも大きな騒ぎになっています。


長州藩の重臣たちは、戦を始めた玄瑞こそ問題だと
その責任問題にでっち上げようとしますが、
久坂を責めても事態は何も変わらない、と
小田村伊之助が助け舟を出します。

周布政之助は、異国をその目で見て来た高杉晋作を呼び
壊滅後の下関の防備について意見を聴きます。

海軍の増強、兵と弾薬の補充、新しく大砲を作って
備え付けるという付け焼き刃の対策だけでは
西洋のそれには到底及ばず、異国を凌ぐことはできません。
晋作に言わせれば全くの無駄・無意味なのです。

正面からぶつかっても勝てない相手であるならば
奇策を持って戦う兵「奇兵隊」を作り、相手に対抗するのです。

身分を問わず戦う意志のある者を入隊させる、と聞いて
戦うのは武士の役割だ、と反発する藩重臣たちですが、
その腐れきった武士たちの無様な戦いの顛末が
今回の惨敗であると指摘した晋作は、批判の口を封じます。

隠居していた晋作、10年の予定が3ヶ月に早まったので(笑)、
妻の雅はかなりのご不満なわけですが、

玄瑞先導の戦で大敗を喫したので、その代わりに
総大将として晋作が下関に向かったという既成事実は
玄瑞や文を大いに落胆させます。

長州の豪商・白石正一郎屋敷にやって来た晋作は
奇兵隊の創設を宣言。
長州を守る一心で、町人商人から坊主たちに至るまで
奇兵隊志願に集まります。


何も出来ることはない、と言われつつも
何かしなくてはと思い悩んだ文は
萩・菊ヶ浜の海岸沿いに作った台場作りを手伝うことにします。

始めは文から言い始めたことが、亀、滝に伝わり
雅までも手伝うことになりました。
そして、あろうことか小田村 寿も
女中たちを引き連れて台場作りに参戦です。
「子どもたちのためです」

いわゆる『女台場』であります。

ただ、手伝いしたいという気持ちはあっても、稔麿の母・イクのように
人前に出られるような着物ではないからと断念する者もおりまして、
そんな女ごころを分かっている寿は、椋梨藤太の妻・美鶴から
いらなくなった高級な着物を調達します。

今、長州はとてもひどいことになっている。
でも、萩を守りたいという一心で
泥まみれになって働く文の気持ちに動かされた美鶴は、
女中たちを連れて参戦です。

さらに、晋作の父・高杉小忠太に
女たちにも台場普請の手伝いを許してもらえるよう
藩からお達しを出してもらうように頼みます。
その際に、着物は好き好きでよいというお達しがあれば
女たちも普請に参加しやすいであろうと付け足すことは忘れません。

始めこそ、前代未聞、型破りといい顔しなかった小忠太ですが
子息晋作こそ、前代未聞、型破りな人物でありまして、
美鶴がそこをズバリ指摘しますと、
小忠太としては何も反論できません。

女台場への女たちの参戦は
毛利家奥御殿の総取締役・園山たちまでも続きます。
こうして、普段は表に出てくることのない上級武士の妻女や
奥女中までが数多く参加することになりました。

女幹事──文の力ですw


玄瑞は、単身京に向かうことにします。
朝廷を説き、弱腰の幕府を動かして
今度こそ日本の国、君臣一体となって
攘夷を断行するためです。

しかし、下関の惨敗により
京では攘夷反対派が力を増しているという今、
玄瑞が京で動くのはかなりの危険が伴います。

玄瑞自身、それは承知の上でありまして、
天皇を攘夷祈願に連れ出して
長州のみならず、幕府も攘夷を実行するように
命じてもらおうという魂胆です。

死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし!
生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし!

「……死ぬなよ」
そう言って、晋作は玄瑞を送り出します。


作:大島 里美
音楽:川井 憲次
題字:國重 友美
語り:池田 秀一
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[出演]
井上 真央 (久坂 文)
大沢 たかお (小田村伊之助)
伊勢谷 友介 (吉田寅次郎(回想))

高良 健吾 (高杉晋作)
東出 昌大 (久坂玄瑞)

原田 泰造 (杉 梅太郎)
優 香 (小田村 寿)

瀬戸 康史 (吉田稔麿)
要 潤 (入江九一)
黒島 結菜 (高杉 雅)
──────────
若村 麻由美 (椋梨美鶴)
石丸 幹二 (周布政之助)
北見 敏之 (高杉小忠太)
銀粉蝶 (園山)
──────────
山本 譲二 (白石正一郎)
檀 ふみ (杉 滝)
奥田 瑛二 (玉木文之進)
長塚 京三 (杉 百合之助)
北大路 欣也 (毛利敬親)
──────────
制作統括:土屋 勝裕
    :小松 昌代
プロデューサー:堀之内 礼二郎
演出:安達 もじり


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『花燃ゆ』
第23回「夫の告白」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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