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2015年5月26日 (火)

プレイバック徳川慶喜・(23)和宮下向

万延元(1860)年12月4日、
米国公使館通訳・H.ヒュースケンが
麻布で薩摩藩士らに襲われ、翌日死去しました。

江戸城では、外国奉行や勘定奉行、大目付たちが大わらわ。

今回の事件をきっかけに、
各国公使たちは江戸を引き揚げると言い出すし
大目付たちは、ヒュースケン殺害の下手人を薩摩か水戸とみなし
早く特定するように動きます。

さらに、通商条約締結後の2年間で
約900万両の金が外国に流出。
幕府はこれまでの3分の1の金で「万延小判」を鋳造し、
金流出を食い止めようとしたのです。

そこでの、和宮下向です。

幕府は、権威失墜の回復に和宮を利用しようとします。
つまり、幕府を攻撃するということは
和宮を攻撃することになり、
ひいては兄にあたる天皇をも攻撃することになる──。

しかし孝明天皇は、和宮の江戸行きに改めて難色を示します。


徳川慶喜は永原帯刀を使い、水戸藩に探りを入れてみます。

水戸藩に対する幕府の締め付けは思いのほか厳しく
実験を握っていた天狗派も分裂して
長州と手を結ぶ者あり、薩摩に走る者ありで
なかなかひどい混乱ぶりだそうです。


厳しい表情のよしが、新門辰五郎やれんを前に
「あっちは誰の子だいッ」と問いつめています。

まぁいいじゃないか、とれんはにっこり笑いますが
それこそがよしのプライドの火に油を注いでしまったようで
喚き散らします。

観念した辰五郎は、お前は俺の子だ、と前置きした上で
ボソッとつぶやきます。
「俺が初めて浮気した女からだ」

よしの本当の母親は
よしを産んでからまもなく亡くなって、
お骨を親が引き取って近江に帰ったのだそうです。
だからお墓は近江の琵琶湖の近くにある、とか。

というわけで、れんがよしを引き取って
以降ずっと母親としてよしを育ててきたわけです。

本当のことを教えてくれず、
ずっと自分をだまし続けて来た(と思い込んでいる)よしは
新門屋敷を飛び出そうとしますが、
母親としてのれんの心情を聞き、思いとどまります。

一方、ガンツムは
誓願寺に置き去りにした、という女に付け回されて
ほとほと参ってしまっているようです。

間に入った辰五郎は、その女・ときから
その子には背中の右肩にほくろが1つある、という話を聞いて
ガンツムに確認してみます。

背中を見てみると……ほくろは2つ。

ガンツムや辰五郎は、人違いだと思ったし、
ときは、これでガンツムは私の子だ、と確信。
結局は余計に問題が混乱しただけでしたw


文久元(1861)年10月20日、皇女和宮が京都を出発。

惜しまじな
 君と民との ためならば
  身は武蔵野の 露と消ゆとも


12月11日、和宮が無事に江戸城に到着したわずか1ヶ月後、
老中・安藤信正が坂下門外で襲撃されたのは
文久2(1862)年1月15日のことでした。

安藤老中は一命を取り留めましたが、
この襲撃事件がきっかけで後に老中を罷免され
政治的生命を失ってしまいます。


和宮と14代将軍・徳川家茂の婚礼が執り行われます。

大奥には、先代徳川家定の御台所・天樟院と
御年寄の瀧山、上臈の高部が和宮を待ち構えています。
そこに乗り込むのは、和宮と母の観行院──。

天皇の妹、というのに
座布団もなければ席も下座ということで
屈辱的な仕打ちを受けた和宮組は
居室に戻ると悔し涙を流します。

一方、天樟院組は天樟院組で
徳川宗家に嫁入りした覚悟が出来ていないだの
嫁としての礼節を教えよだの言いたい放題。
あくまでも、武家があっての朝廷という考えです。


和宮下向が、慶喜の一生を変えることにもなります。


文久2(1862)年2月11日、
皇女和宮と将軍徳川家茂の婚礼が行われる

慶応3(1867)年10月14日、
徳川慶喜が明治天皇に『大政奉還』を上奏するまで


あと5年8ヶ月──。

(『篤姫』では「(33)皇女和宮」〜「(34)公家と武家」付近)


脚本:田向 正健
原作:司馬 遼太郎「最後の将軍」より
音楽:湯浅 譲二
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[出演]
本木 雅弘 (徳川慶喜)
若尾 文子 (吉子(回想))
深津 絵里 (天樟院)
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堺 正章 (新門辰五郎)
清水 美砂 (よし)
山下 真司 (ガンツム)
花柳 錦之輔 (孝明天皇)
寺脇 康文 (岩倉具視)
三條 美紀 (とき)
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宝田 明 (鷹司政通)
佐々木 すみ江 (瀧山)
園 佳也子 (高部)
山本 陽子 (観行院)
杉 良太郎 (井伊掃部頭直弼(回想))

大原 麗子 (れん(語り))
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制作統括:高橋 幸作
演出:富沢 正幸

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