大河ドラマ花燃ゆ・(27)妻のたたかい 〜夫の名誉のため私は負けない!〜
元治元(1864)年、長州勢は
京での失地回復のため兵を率いて京に向かいます。
久坂玄瑞が元関白・鷹司輔煕に
天皇への嘆願を働きかける中、事態は急転。
あくまで戦を避け、
話し合いでの解決を目指した玄瑞の思いは届かず
来島又兵衛の主張に引っ張られるようにして
長州勢は、とうとう御所への進撃を決定。
諸藩の軍勢が御所を取り囲む中、来島勢が蛤御門に到着。
門を守る会津勢を打ち破り、最初に御所に入ります。
……が。
勢いにまかせて先に先に進む来島勢の前に
西郷吉之助率いる薩摩軍の鉄砲隊が立ちはだかり
来島は被弾し、息絶えます。
薩摩勢に来島を討ち取られた長州は
御所の大軍を前に勢いを失います。
一方、玄瑞らは堺町御門にたどり着きます。
そんな彼らの舞台の前にも、兵が立ちはだかり──。
「生きて鷹司様に入り、生きて天子様に嘆願する!」
いくぞ! と刀を抜いた玄瑞を先頭に、
行く手を阻止する部隊に斬り掛かります。
被弾した寺島忠三郎を助けようとした玄瑞は、
早く屋敷の中へ、と促され、敵に背中を向けた途端
彼も足に弾を受けてしまいます。
入江九一や品川弥二郎が急いで玄瑞に駆け寄りますが、
彼の手を振りほどき、よろめきながら屋敷に向かって進み
負傷者を出しながらも目指す鷹司邸にようやくたどり着きます。
やっとの思いで鷹司の前に参上した玄瑞でしたが、
天子様にご嘆願を! と書状を片手に頭を下げても
鷹司は口をへの字にしたまま、目を背けて無言です。
それでも食い下がる玄瑞に、鷹司は厳しい言葉を浴びせます。
「ならぬ! なにゆえ御所を戦場にしたのじゃ」
玄瑞は入江と品川に、今まさに京に向かって進んでいる
毛利元徳を京に入らないようにお止めし、
戦に発展し嘆願できなくなってしまったことの詫びを託します。
もはやこれまで、と玄瑞は屋敷内で切腹し
彼に憧れてここまでついてきた寺島も、その後を追います。
入江は、鷹司邸を出たところで敵の襲撃に遭い、命を落とします。
玄瑞らによる天皇への嘆願は最悪の形で終わりを迎えました。
京で戦になった、という話を耳にした文は
急いで実家の杉家にかけつけます。
そこには、鷹司邸を脱出した品川と
入江の弟の野村 靖が戻ってきていました。
ふたりは文には何も言葉を発しませんが、
話を聞いたであろう吉田家の面々の表情を見て
文は何が起こったか即座に理解します。
その場に倒れ込む文です。
「我が潘は……朝敵となったのか」
図らずも朝廷を敵に回してしまった長州藩を討伐すべく、
各藩が長州藩に攻め込むようだ、という話を聞いて、
毛利敬親は珍しく厳しい表情です。
朝廷は、この禁門の変で長州を朝敵とし
敬親・元徳親子の処罰を命じます。
それを元に、長州藩は藩士に対してお達しを出します。
久坂家は断絶、養子縁組は取り消して
久米次郎は小田村家に戻すように、という内容です。
久坂家に戻ろうとする文を止める杉 百合之助や滝ですが、
それでも黙って久坂家に戻ってみると、
そこは藩命で家宅捜索が行われていました。
夫との思い出が、無惨にも踏み荒らされていきます。
文は、台場作りで顔を会わせたことのある
奥御殿総取締役の園山の元を訪問し
奥で働かせてほしいと願い出ます。
なぜあの人が死んだのか分からないから、
それを追究したいと考えに考えた結果です。
妻として、なぜ死んだか分からないままに
夫の弔いをするわけにはいかないのです。
「嫌や、私は受け入れん。
許さん、絶対許さん。あの人を殺したもんを!」
玄瑞だけではありません。
吉田寅次郎兄も、吉田稔麿も入江も松浦亀太郎も寺島もです。
なぜ死ぬことになったのか。
下働きでも何でもして、少しずつのし上がっていって
いつか殿様の前に出られる時が来たら、
大切な人たちが次々と死んでいく理由を直に聞いてみたい。
そんな思いです。
杉家の面々に頭を下げ、別れを切り出す文。
文は、文という無力な自分の名を捨てます。
作:大島 里美
音楽:川井 憲次
題字:國重 友美
語り:池田 秀一
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[出演]
井上 真央 (久坂 文)
大沢 たかお (小田村伊之助)
伊勢谷 友介 (吉田寅次郎(回想))
高良 健吾 (高杉晋作)
東出 昌大 (久坂玄瑞)
原田 泰造 (杉 梅太郎)
優 香 (小田村 寿)
瀬戸 康史 (吉田稔麿(回想))
劇団 ひとり (伊藤利助(回想))
佐藤 隆太 (前原一誠)
要 潤 (入江九一)
三浦 貴大 (毛利元徳)
黒島 結菜 (高杉 雅)
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若村 麻由美 (椋梨美鶴)
石丸 幹二 (周布政之助)
宅間 孝行 (西郷吉之助)
津田 寛治 (松島剛蔵)
銀粉蝶 (園山)
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内藤 剛志 (椋梨藤太)
山下 真司 (来島又兵衛)
檀 ふみ (杉 滝)
長塚 京三 (杉 百合之助)
北大路 欣也 (毛利敬親)
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制作統括:土屋 勝裕
:小松 昌代
プロデューサー:堀之内 礼二郎
演出:末永 創
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『花燃ゆ』
第28回「泣かない女」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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