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2015年7月28日 (火)

プレイバック徳川慶喜・(33)池田屋騒動

今までは、薩摩藩主の実父という肩書きのみであったために
無位無官の田舎者としか見られていなかった島津久光ですが、
この度めでたく、従四位下 左近衛少将に叙任されます。

徳川慶喜は、新たに出された“無謀な攘夷は望まぬ”とある勅状で
孝明天皇の意向を酌み取り、
せめて横浜港を閉鎖して応えたいと考えていますが、

「横浜港閉鎖は難しい」と勅状の返意書に書くので、
改めて朝廷から、横浜港を断固閉鎖せよとの
御沙汰書を出してほしいと中川宮朝彦親王に依頼します。


参与たちが二条城に集まり、
そこで将軍徳川家茂は、自分が目指す幕府の姿に近づいてきたと
参与たちをねぎらい、酒が振る舞われます。

そこで横浜港を開いたままか閉じるかを話し合うわけですが、
横浜港を閉じよ、という朝廷からの話はなかったことにしたい、と
中川宮から言い出してきた、という話です。

慶喜はニッコリ笑いながら、
“なかったことにしたい”という中川宮が言い出した話を
なぜ慶喜には相談せず、久光の家臣たる高崎にしたのか、という
矛盾点を指摘します。

いずれお聞きしておきます、と松平春嶽が言うのですが
いずれでは遅い、と慶喜は本気モードに入ります。
昨日の話が今朝になってどうして変わったのか
どうしても確認しておかなければならない、と聞かないのです。

中川宮邸に移動した参与たちですが、
屋敷に戻ってきた中川宮に、さっそく確認する慶喜です。

ただ、高崎にそのように伝えた、と
それが事実であることが判明すると、
慶喜は烈火の如く怒り出します。
「そのような重大事をたやすく薩摩の家来などに申されるな!」

そこから、慶喜による
久光、春嶽、伊達宗城の批判大会となるわけですが、
慶喜は酒に酔ってふらついたまま、中川宮邸を後にします。

これで参与会議も終わりじゃな、と春嶽がつぶやくと
久光の目はメラメラと炎が燃えたぎっています。
「このような侮辱……終生忘れぬ」

久光は、薩摩の兵15,000が未だに京に留まっていることを活かして
何か大どんでん返しのようなことを狙っていますが、
大久保一蔵は、そのためにも島流しされている
西郷吉之助を呼び戻したいと久光に談判します。

まぁ、久光にとって西郷はいわば天敵でありまして
顔も見たくない相手であったわけですが、
大久保の熱意に押されて、呼び戻すことにします。
ただし、今度薩摩藩の立場が悪くなるようなことをすれば
永久的に島流しをする、という約束です。


将軍後見職を辞職した慶喜は、
新たに「禁裏御守衛総督 兼 摂海防禦指揮」という
役目をもらいます。

つまり、御所を守り、大坂神戸の海を異人から守るお役目です。


藤田小四郎ら天狗党の者たちが筑波山で挙兵します。
長州藩の桂 小五郎からのアプローチに応える形です。

ただ、長州や水戸が目指す京では
雲ゆきが怪しくなりつつあります。

つまり、新選組によって長州とつながりがあった古高俊太郎が逮捕され
その逮捕を巡って、
『祇園祭の前の日を狙って御所に火を放ち、中川宮朝彦親王を幽閉、
一橋慶喜や松平容保らを暗殺し、孝明天皇を長州へ連れ去る』
という襲撃計画が露呈してしまったかもしれないのです。

襲撃計画を実行するか中止するかについて協議する会合が
池田屋で開かれます。

一旦は京の外に出て、計画を練り直そうという桂。
それに対し、新選組屯所を襲撃して古高を救出しようという声、
予定通り京に火を放ち、中川宮や慶喜に天誅を加えようという声、
さまざまです。

「新選組にござる」
もう待てぬ、といきり立っていたところに
突然新選組が襲撃してきたものだから
池田屋2階は大混乱に陥ります。


いよいよ、長州は放っておけなくなりました。


文久4(1864)年2月16日、
中川宮邸で泥酔した徳川慶喜が、島津久光・松平慶永・
伊達宗城の3人は“天下の大愚物”と暴論を吐く。

慶応3(1867)年10月14日、
徳川慶喜が明治天皇に『大政奉還』を上奏するまで


あと3年7ヶ月──。

(『篤姫』では「(39)薩摩燃ゆ」付近)


脚本:田向 正健
原作:司馬 遼太郎「最後の将軍」より
音楽:湯浅 譲二
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[出演]
本木 雅弘 (徳川慶喜)
若尾 文子 (吉子)
──────────
勝野 洋 (近藤 勇)
橋爪 淳 (土方歳三)
花柳 錦之輔 (孝明天皇)
黒田 アーサー (桂 小五郎)
畠中 洋 (松平容保)
──────────
宝田 明 (鷹司政通)
有馬 稲子 (清子)
林 隆三 (松平春嶽)
佐藤 慶 (永原帯刀)
渡辺 徹 (西郷吉之助)
江守 徹 (島津久光)
大原 麗子 (れん(語り))
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制作統括:高橋 幸作
演出:富沢 正幸

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