プレイバック徳川慶喜・(39)将軍急死
長州征伐の1回目が、ようやく開始されようとしていました。
幕閣の面々は、役目を降りる代わりに、
禁裏御守衛総督たる徳川慶喜に
将軍の相談役として中核に残ってほしいと推挙。
慶喜は、その件はしばらく考えさせてほしいと答えたのち
共和政治を目指して長州のために奔走する
西郷吉之助ら薩摩の動きが怪しいと察知します。
共和政治を説いて回る大久保一蔵ですが、
その説得がなかなか浸透しないことに
多少苛立ちを見せ始めています。
上役にあたる小松帯刀は、
条約についてすばやく勅許を得て連合艦隊を撤退させた
徳川慶喜の手腕に対して潔く負けを認めますが、
政治の主導権を慶喜に渡すことだけはしたくありません。
薩摩藩の当座の目標は、長州征伐をやめさせることです。
江戸城大奥では、将軍御台所・和宮の
母である観行院が病に伏していました。
「もう大丈夫……私がそばにいてあなたをお守りさせていただきます」
ニッコリと微笑んだ観行院は、
そのまま眠るように息を引き取りました。
和宮も、静かに観行院を送ります。
和宮を将軍家に降嫁させ、
命をつけねらわれるようになった岩倉具視は
先祖代々の岩倉村で隠れて生活していました。
隠遁している間、慶喜によって世の流れを大きく変えられたことで
岩倉は慶喜に怒り心頭ですが、
自身が先頭に動けないだけに、悔しい思いでいっぱいです。
慶応2(1866)年1月。
幕府から長州藩へ尋問使を送りますが、
長州藩の態度は、一見すると平身低頭ではありますが
かき集めている武器が揃うまではへいこらと頭を下げ
のらりくらりと時間稼ぎをしているようにも見受けられます。
1月21日、西郷吉之助と密会した桂 小五郎は
薩摩と長州の間に横たわる今までの確執やわだかまりを
全て水に流すと約束し、同盟を締結します。
6ヶ条からなる軍事同盟『薩長同盟』の成立です。
とはいえ、幕府は長州藩を甘く見ている部分があって
本気でかかってくる長州藩に、幕府もようやく
長州征伐という重い腰を上げます。
しかし、戦ってみて分かったことですが
西洋式葺きを揃えた長州藩の方が
幕府軍よりも強かったわけです。
将軍・徳川家茂は、
心労からか病にかかってしまいます。
将軍の容体は日に日に悪化する一方で
慶喜も見舞いに駆けつけますが、
7月20日、ついに将軍が薨去します。
慶応元(1865)年9月16日、
英国4隻、フランス3隻、オランダ1隻からなる艦隊は、
各国公使を乗せて横浜を出港し、兵庫港に到着する。
慶応3(1867)年10月14日、
徳川慶喜が明治天皇に『大政奉還』を上奏するまで
あと2年──。
(『篤姫』では「(41)薩長同盟」〜「(42)息子の死」付近
脚本:田向 正健
原作:司馬 遼太郎「最後の将軍」より
音楽:湯浅 譲二
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[出演]
本木 雅弘 (徳川慶喜)
畠中 洋 (松平容保)
深津 絵里 (天樟院)
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堺 正章 (新門辰五郎)
清水 美砂 (よし)
山下 真司 (ガンツム)
柴 俊夫 (寺岡勘十郎)
寺脇 康文 (岩倉具視)
黒田 アーサー (桂 小五郎)
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藤岡 琢也 (中山五郎左衛門)
勝野 洋 (近藤 勇)
渡辺 徹 (西郷吉之助)
林 隆三 (松平春嶽)
山本 陽子 (観行院)
大原 麗子 (れん(語り))
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制作統括:高橋 幸作
演出:谷口 卓敬
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