« はぴはぴ | トップページ | バス停について本気出して考えてみた(124) »

2015年9月 8日 (火)

プレイバック翔ぶが如く・第一部幕末編(26)討幕への道

第二次長州征伐は、幕府側の大敗に終わります。

10万の幕府軍は、島根、広島、瀬戸内と
小倉の四方から長州に攻め寄せ、
対する長州勢はわずか5,000。

しかし長州勢は、郷土を守ろうという意識は高く
天才的軍略家の大村益次郎も頭角を現し
彼が指揮するゲリラ戦法は、各地で連戦連勝。

そんな中、将軍徳川家茂が突然の病死。
将軍後見職たる一橋慶喜は最後の切り札となります。
8月、徳川宗家を相続することは是としますが、
将軍職継承については断固として拒否。

10年前、薩摩藩が将軍に押し上げようとした慶喜は
いま、薩摩の最大の敵として姿を現したわけです。


慶応2(1866)年10月。

「予が将軍になったとて、一体何ができるというのだ」
早く将軍になって国を治めてください、という
各方面からの圧倒的声の一方で、
先の長州征伐で慶喜の指揮下で旗本8万が何をしたか。

それを考えれば、はいそうですか、と
将軍になれないのも無理はありません。
旗本の力すら頼れない中で慶喜がなすべきことは、
薩摩藩を徹底的に押し込めることであります。

12月5日、慶喜はついに第15代将軍に就任します。
しかし、幕府を支持していた孝明天皇が崩御。
思わぬ加速度で幕府崩壊へ向かっていきます。


慶応3(1867)年5月、二条城で
島津久光、松平春嶽、伊達宗城による雄藩会議が行われます。
慶喜は彼らに、取り寄せた西洋の品々を分けて
ご機嫌取りに徹しますが、その足並みは揃わず。

しかし、慶喜の力量を際立たせる結果に終わり
それでよい、と慶喜は大笑いです。

諸侯会議に慶喜を入れるというのは
そもそも危険極まりない考え方で、
薩摩としては、新将軍を追放し
武力討幕しか手法が無いと思い定めます。


7月、慶喜は幕府の存在を確固たるものにするため
列国の支持を集める策に出ます。

9月、大久保一蔵の工作が実り岩倉具視の謹慎が解かれます。


名古屋あたりで、空から御札が降ってきたらしく
そろそろ京でも降るんじゃねえか? と
民衆たちが空を眺めています。

その騒動が、ええじゃないか騒動に代わり
異様な盛り上がりを見せていました。


「大政奉還とな!?」
坂本龍馬から聞いた話のあらすじを
村田新八が西郷吉之助や一蔵、小松帯刀らに伝えます。

将軍慶喜が朝廷に政権を返上すれば
一滴の血を流すことなく、新政権樹立が出来ます。
慶喜が政権を手放すわけがない、と一蔵は眉間にシワですが、
吉之助は、慶喜は知恵者ゆえそれは分からん、と首を振ります。

今、日本中が兄弟喧嘩をしていたら
そのスキに諸外国が攻め込んで来るは必定であり、
喧嘩の元凶たる慶喜が政権を手放さないような馬鹿者であったら
その時こそ討幕軍を送り込むときだ、と吉之助。

竜馬の考えに納得した一蔵は、慶喜が大政を奉還しようがしまいが
討幕の密勅を準備しておくべきと、岩倉の元を訪れます。

岩倉はその点用意が早く、自らの手による勅状を作成していました。
ここまでは、コレは密勅ではありませんが
最後に御璽(ぎょじ・文書に押印される天皇印)を押しさえすれば
コレがたちまち正式な勅状に代わる、と岩倉は笑います。


慶喜は、土佐の山内容堂から出された提案をもとに
大政奉還する決意を固めます。

混迷とした政権をいま返上されて、一番困るのは
薩摩と長州に言いくるめられた朝廷であります。
薩摩も、振り上げた拳をどうすればいいか分からないはずです。
慶喜はニヤリとします。

10月13日、在京40藩の大名が二条城に集められ
慶喜の口から政権返上の旨が伝えられます。


討幕の密勅を取り出して、これごわんど! と
鼻息荒い一蔵と大山格之助が藩邸に帰ってきましたが
吉之助から出たのは思いもよらぬ一言でした。
「一蔵どん、大政は奉還されもした」

一般的に考えれば、討幕の密勅ですので
相手が大政を奉還してしまえば、
その相手も目的も、同時に失したことになります。

しかし吉之助は、大政奉還は幕府の一時しのぎであり
慶喜の延命策に他ならない、と動じません。
一旦は薩摩に戻り、事の次第を久光に報告。
大軍を率いて京に戻って来ることにします。

慶喜による突如の政権返上で、
見廻組などからなる士族は大混乱に陥ります。
そしてその怒りは、
大政奉還を扇動した竜馬と吉之助に向けられます。


新政権樹立に向けて、竜馬がその主要メンバーに選んだのは
薩摩藩から吉之助ら4名、長州藩から桂ら3名、
それに土佐藩から後藤象二郎1名……。

竜馬の名前が入っていません。

「いや待ちやんせ待ちやんせ」
吉之助は目を大きく見開いて竜馬を見つめます。
役人嫌いの竜馬は、政治にはあまり興味がなく
世界の海援隊でもやろうかの、と他人事です。


11月15日・京都近江屋──。

風邪を引いた竜馬は
陸援隊の中岡慎太郎と酒を呑んでいます。

そこに、突然の刺客。

小鳥のように踊り入って、
刀を振り回します。

とっさのことで応戦できない竜馬。

眉間を切られ、その場に倒れてしまいます。


(『篤姫』では「(43)嫁の決意」〜「(44)龍馬死すとも」付近)


脚本:小山内 美江子
原作:司馬 遼太郎「翔ぶが如く」「竜馬がゆく」より
音楽:一柳 慧
題字:司馬 遼太郎
語り:草野 大悟
──────────
[出演]
西田 敏行 (西郷吉之助)
鹿賀 丈史 (大久保一蔵)
──────────
緒形 直人 (西郷信吾)
蟹江 敬三 (大山格之助)
益岡 徹 (村田新八)
萬田 久子 (お房)
三田村 邦彦 (徳川慶喜)
──────────
佐藤 浩市 (坂本竜馬)
大橋 吾郎 (小松帯刀)
田中 健 (桂 小五郎)
──────────
小林 稔侍 (岩倉具視)
三木 のり平 (新門辰五郎)

高橋 英樹 (島津久光)
──────────
制作:吉村 文孝
演出:望月 良雄

|

« はぴはぴ | トップページ | バス停について本気出して考えてみた(124) »

NHK大河1990・翔ぶが如く」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« はぴはぴ | トップページ | バス停について本気出して考えてみた(124) »