プレイバック徳川慶喜・(43)議題草案
孝明天皇崩御の訃報を受け、江戸城大奥では
和宮からおつきの者に至るまで嘆き悲しみます。
和宮にしてみれば、江戸城に入って
母の観行院が亡くなり、夫の徳川家茂が亡くなり、
今度は兄の孝明天皇であります。
これほどまでに身内が次々と亡くなれば、
天皇がかつて目指していた公武一和も
話自体がなかったことになってしまいます。
16歳の睦仁親王が新たな帝として玉座に就き、
後見役の摂政には関白の二条斉敬が就任します。
長州寄りの公家たちは、今までに処罰を受けて長州に流れている公家、
現在処罰を受けている公家、岩倉具視らも含めて
先帝に罰を受けた者たちの赦免を摂政に働きかけているようです。
まかりならぬ、と摂政は現段階では耳を貸していませんが、
その圧力に屈してしまえば、
朝廷は一気に長州びいきとなってしまいます。
慶喜としては、何とか阻止したいところです。
そして二条城でも、一時中断した長州征伐について、
正義のために長州を征伐させてほしいという松平容保たちと
まずは足元を固めることが大事と説く小笠原老中とが
激しく火花を散らします。
正義だけで政治が動かせるか! と
慶喜は思わず怒鳴り声を上げますが、
では京都守護職、京都所司代の役職を解いてくれと言われ
難しいことを言うな、と頭を抱えます。
フランスの駐日公使・ロッシュと会見する予定の慶喜は
フランス語で挨拶ぐらいは出来た方が良い、と
西 周に政治のことを学びながら、フランス語も教えてもらいます。
ボンジュール(=こんにちは)、
ボンソワール(=こんばんは)、
ボンニュイ(=おやすみなさい)……。
慶喜の語学勉強は、夜遅くまで続きます。
罰を受けた公家たちが次々と赦免され
御所に参内し始めました。
かつて時期を延期した兵庫開港の件で
もはや二度目の延期は許されないと考えた慶喜は
朝廷に開港の勅許を求めますが、
朝廷が長州寄りになってしまえば、
勅許を得るのは難しくなります。
それでも、慶喜はいつも通りに
幕府の弱腰外交という体で勅許を求め続けることにします。
パークスと会見する時が来ました。
パークスはひどくおしゃべりで、
フランスの自慢話に始まり、
イギリス公使ロッシュの悪口から
薩摩藩の裏側にいたるまでしゃべり通し、
おまけに税金の取り方まで指南したという話です。
その会見があっての、慶応3(1867)年3月25日。
今度はロッシュとの会見になりました。
兵庫開港の勅許は出なかったらしく、
さすがの慶喜も終わりだと囁かれていた上での会見でしたが、
開港期限を12月7日と勝手に宣言してしまいます。
面白くないのは薩摩です。
「兵庫開港を許可した!?」と大久保は憤り、
西郷は、慶喜の首を落とすと怒りを露にします。
慶応3(1867)年3月25日、
イギリス公使ロッシュが徳川慶喜に謁見する。
慶応3(1867)年10月14日、
徳川慶喜が明治天皇に『大政奉還』を上奏するまで
あと6ヶ月──。
(『篤姫』では「(43)嫁の決意」付近
脚本:田向 正健
原作:司馬 遼太郎「最後の将軍」より
音楽:湯浅 譲二
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[出演]
本木 雅弘 (徳川慶喜)
畠中 洋 (松平容保)
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山下 真司 (ガンツム)
三條 美紀 (とき)
黒田 アーサー (桂 小五郎)
花柳 錦之輔 (孝明天皇(回想))
山本 陽子 (観行院(回想))
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渡辺 徹 (西郷吉之助)
柴 俊夫 (寺岡勘十郎)
大原 麗子 (れん(語り))
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制作統括:高橋 幸作
演出:富沢 正幸
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