プレイバック徳川慶喜・(46)小御所会議
大政を奉還した徳川慶喜は
将軍の職務を辞退する旨、朝廷に届け出ますが、
政権を返上されて大混乱に陥っている朝廷では
各諸大名に諮った上で決めるゆえ、
それまでは将軍職も政務もそのままに、との返答です。
将軍職も返上した! と慶喜は返答をはねのけます。
京都所司代の松平定敬は
幕府の軍勢が無傷でいるのに、
摂政の署名がないニセの密勅に脅かされて
大政を奉還したのが悔しくて、慶喜に挙兵を求めますが
慶喜は首を縦には振りません。
二条城に松平春嶽が来ました。
大政奉還の大英断を称えつつ
春嶽たちが目指す、各地で代表を選び
その人たちが政治を行う議会政治のために、
慶喜にはその元首に就任してもらいたいわけですが、
慶喜は、将軍職を辞退して今や一大名に下がったと思っていて
自分がその元首になれば
今までとは何ら変わりがない、と固辞します。
薩長方の公家たちの働きにより、
蟄居していた岩倉具視が京に戻ることになりました。
図らずも慶喜が大政奉還したので
岩倉としては、次に成すべきは王政復古宣言であります。
ただ、土佐藩後藤象二郎に言わせれば、
それは岩倉と薩摩藩が勝手にできるものではなく
少なくとも尾張藩と越前藩に相談すべし、と主張。
「そのような軟弱さで、この国が生まれ変わるとお思いですか!」
無理矢理にでも事を進める、という意欲に
岩倉からは満ちあふれています。
討幕軍が次々と京に集結しつつあります。
しかし慶喜は全く焦っておりません。
王政復古宣言であろうが、朝廷を中心とした政治であろうが
勝手にさせるつもりです。
彼らは、慶喜たちが動かなければ
コチラには手出しできない立場なので、
動かないことを肝に銘じておくことだけです。
血気盛んな板倉老中にも釘を刺しておきます。
慶応3(1867)年12月9日、王政復古の日。
岩倉は赦免されて官位も戻され、朝廷に参内します。
御所を取り囲んだ薩摩軍は全ての門を閉ざし
幕府軍を追い払ってしまいます。
そうして迎えた小御所会議──。
大政奉還を受けて、将軍、京都守護職、
京都所司代は廃止にします。
しかし、そんな陰険なやり方を批判したのは
土佐藩・山内容堂であります。
しかし、天皇を「御幼帝の天子」と言ったところを
岩倉に非難され、口封じにあってしまいます。
続いて後藤が、慶喜が所有する領地を
返還させることについて噛みつきます。
将軍という職務に対して功績があり、忠誠はあっても罪はなく
そんな人から領地を奪い取るのは理不尽という主張です。
領地を奪うなら、全国の諸大名から領地の幾分かを返上させ
それを新政府の資金にする方法でなければならない、と。
土佐藩の藩主や家老が徳川の肩を持ち、
大政奉還後の小御所会議を乱している……。
大久保一蔵は、どうすればいいか頭を悩ませますが、
簡単ではないか、と西郷は特に動じていません。
「短刀一本あればこと足りるではないか」
岩倉に、事と次第によっては刺し違えよと伝え、
土佐藩には、岩倉が刃傷に及ぶかもしれないと脅しをかけます。
結局、この時の小御所会議で
王政復古の大筋と慶喜の扱いについて決定します。
慶喜の元に幕臣が集まり
大政奉還の是非について意見が飛び交っています。
そんな中、京都守護職・松平容保と、京都所司代の定敬は
正義は我らにあり! と挙兵の願い出をしますが、
コチラが勝手に動いてはならぬ、と慶喜は火消しに奔走します。
薩摩軍が御所の門を閉ざすことを聞いていなかった二人は
京都守護職・京都所司代という役目であるがゆえに
これを討伐しても不正義にはならないという論なのですが、
正義でコチラが動けば、不正義が生まれることがある、と
慶喜は首を縦には振りません。
それでも、と言葉を続ける二人に、慶喜は
二人の職を解く命令を出します。
春嶽と容堂が勅使として二条城に入ります。
兵庫開港に関する諸外国公使との交渉は
これまで通り慶喜に担ってもらいますが、
官位も返上し、領地も差し出せという勅使二人に
板倉老中が噛みつきます。
慶喜はどのような立場で各国公使に会えばいいのか?
そのような要求は上様に無礼ではないか!
しかし、大人しく収まることを期待する慶喜は
それも二つ返事で了承します。
「なぜだ……なぜ仕掛けてこぬのじゃ」
西郷が、慶喜がエサにかかるのを待っています。
(『篤姫』では「(45)母からの文」付近
脚本:田向 正健
原作:司馬 遼太郎「最後の将軍」より
音楽:湯浅 譲二
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[出演]
本木 雅弘 (徳川慶喜)
石田 ひかり (美賀)
鶴田 真由 (徳信院直子)
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寺脇 康文 (岩倉具視)
岡村 喬生 (大原重徳)
石立 鉄男 (中江雪江)
畠中 洋 (松平容保)
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渡辺 徹 (西郷吉之助)
林 隆三 (松平春嶽)
大原 麗子 (れん(語り))
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制作統括:高橋 幸作
演出:富沢 正幸
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