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2015年10月23日 (金)

プレイバック翔ぶが如く・(31)決意の門出

明治3(1870)年12月8日。
大久保利通が久しぶりに鹿児島に帰郷しました。

勅使の岩倉具視を伴ってですが、
利通と岩倉の思惑は分かりきっています。
西郷隆盛が江戸行きを渋っておりまして、
それを説得するためです。

西郷は、和やかに接近する岩倉に頬を緩めることなく
一般的な挨拶だけこなしてさっさと引き下がってきます。
そんな姿を見て、利通は厳しい表情のままです。

翌日、鶴丸城で岩倉と利通と
再び会うことになっているというのに、
夜、利通は西郷家を訪ね、ひとり隆盛を説得します。

隆盛は、利通の顔を真っすぐ見たままです。
「おいが出て行く以上、改革は徹底的になるこつになっど」

その夜、明け方近くまで
隆盛は何か書き物をしておりました。


翌日、鶴丸城で、岩倉と利通と、
藩主・島津忠義、国父・島津久光、隆盛、村田新八らが対面。
勅使として久光に状況を促します。

病気療養中の身である久光の代理として
忠義、隆盛が東京に向かうことは認めた久光ですが、
それに際して、隆盛がしたためた
太政官への意見書を読み上げさせます。

意見書、と聞いて顔色がサッと変わった岩倉。

意見書二十五箇条を聞きに鹿児島に来たのではない、
ワシは勅使ぞ! とたいそうご立腹の岩倉サンですが
意外にも利通は冷ややかに笑います。
「実質は、私のためのお箔付けであります」

隆盛には、藩を背負っている立場もあり
囲っている久光への義理立てもあるために
利通は、その意見書の内容を認めてやる必要はある、と
岩倉に提案します。

そして隆盛は、利通が“努力あるのみ”とした
意見書の全ての条件が整ったとき、
御親兵を連れて隆盛が江戸に行くと約束します。


横浜のコネリー病院で。
足の怪我がすっかりよくなった芦名千絵は
お礼を言いつつ、病院を去ることにしました。

すれ違いで病院にやって来た矢崎八郎太は
女一人で出すなんて! とコネリー先生に詰め寄りますが、
逆に、好きならどうして止めなかったのだ? と返され
構っているヒマはない、と顔を真っ赤にしています。


明治4(1871)年正月。

日本国内を一本化し、国家予算を立てやすくするために
利通は、藩を廃止して県を設置することを考えています。
それを聞いた隆盛は、徳川家を一大名に蹴落とし
今度は藩主から藩を取り上げるのか、ととても驚きます。

しかし、その決意を知った隆盛は、2日後の1月3日に
ようやく重い腰を上げて東京へ向かう決心を固めます。
政府の建て直しではありません。
土台からの作り直しであります。


夜、西郷いとは隆盛に
徳之島から呼び寄せた菊次郎について相談してみます。

いとは、今まで菊次郎には
自分の腹を痛めた我が子と同じように接してきました。

菊次郎は、隆盛の血を引いた学問好きなのですが
ここ西郷家では人が多いので、
なかなか自分が思うように勉強できないもどかしさが
あるのではないか、といとは感じるのです。

利通からお誘いを受けたこともあり、
ここは江戸留学させてはどうか、と提案するいと。
江戸でなら、自分がやりたい学問を
のびのびとさせてやれそうな気がします。

そいが一番よか、という隆盛。
いとは、顔を覆って泣きじゃくります。
菊次郎の母である証です。


隆盛と利通はかつて、久光の意向を先走りして
徳川家を一大名に転落せしめた大罪があります。

今回の江戸行きも、島津家としては許すことは出来ませんが
日本のために特別に認めることにしたわけです。
久光からは、御親兵を連れて行く以上
島津家を蔑ろにしないことを約束させられます。

肝に命じもす! と頭を下げる隆盛と利通です。


出発当日、隆盛と従道、清、熊吉と
菊次郎が西郷家を後に江戸に出発しました。

隆盛にとって、今回の江戸行きは
藩を無くすという政策目的のためでありまして
隆盛は、大きな苦しみを背負うことになります。


原作:司馬 遼太郎「翔ぶが如く」より
脚本:小山内 美江子
音楽:一柳 慧
題字:司馬 遼太郎
語り:田中 裕子
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[出演]
西田 敏行 (西郷隆盛)
鹿賀 丈史 (大久保利通)

田中 裕子 (西郷いと)
賀来 千香子 (大久保満寿)
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緒形 直人 (西郷従道)
国生 さゆり (西郷 清)
杉本 哲太 (桐野利秋)
堤 真一 (矢崎八郎太)
有森 也実 (芦名千絵)
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蟹江 敬三 (大山綱良)
益岡 徹 (村田新八)
草野 大悟 (海老原 穆)
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小林 稔侍 (岩倉具視)
竜 雷太 (川口雪篷)

高橋 英樹 (島津久光)
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制作:吉村 文孝
演出:平山 武之

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