プレイバック徳川慶喜・(47)朝敵
大政奉還した徳川慶喜の説得を聞かず
薩摩憎しで固まった幕臣たちは鎧甲冑に身を包み、
出陣の命が慶喜から下されるのを待っています。
慶喜は、自分が割腹した時には
それぞれが思うように行動すればいいと言いますが、
自分が生きているうちは、盲動は慎めと諭します。
ただ、このままでは騒乱が起きかねないと
慶喜は、幕府軍を引き連れて大坂に下ることにします。
大政奉還後、江戸で不貞浪人たちが暴挙に及んでいるらしく
その正体は薩摩藩の浪人であります。
浪人たちが庄内藩の屯所に発砲したことで
浪人たちを打ち払いすべく、老中・稲葉正邦は庄内藩に命じて
薩摩藩邸を焼き討ちにしたとの知らせが大坂に舞い込みます。
薩摩藩掃討令を出してほしいと幕臣たちは慶喜に嘆願。
しかし慶喜は、自分が動けば
自分だけではなく幕府全体が朝敵となり
薩摩はその好機を狙っているとし、
動かぬことを懇々と説きます。
しかし、松平容保は聞き入れません。
その決意は、他者にも伝わり
もはや挙兵は慶喜には止められない情勢となりました。
「勝手にいたせ!」
慶応4(1868)年1月3日・鳥羽伏見の戦いで
15,000の幕府軍が5,000の薩長軍に敗れます。
松平容保や定敬が言う、正義のための戦いは
あくまで自分たちの正義であって、
その犠牲にあった兵たちのことを考えると
慶喜は、次の戦の許可は出しません。
これ以上、無意味な戦をしないためにも
慶喜は、容保・定敬兄弟を連れて
江戸に帰ることにします。
「まずは幕軍を欺く。余を卑怯者と思うようにな」
二度目の出陣をこいねがう幕臣たちに
分かった、と準備をさせている間に
慶喜らは大坂からいなくなってしまいました。
これで、二度目の出陣の話は
ようやくなくなりました。
(『篤姫』では「(45)母からの文」〜「(47)大奥の使者」付近
脚本:田向 正健
原作:司馬 遼太郎「最後の将軍」より
音楽:湯浅 譲二
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[出演]
本木 雅弘 (徳川慶喜)
清水 美砂 (よし)
畠中 洋 (松平肥後守容保)
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堺 正章 (新門辰五郎)
山下 真司 (ガンツム)
水野 真紀 (たみ)
一色 紗英 (みよ)
寺脇 康文 (岩倉具視)
柴 俊夫 (寺岡勘十郎)
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藤岡 琢也 (中山五郎左衛門)
渡辺 徹 (西郷吉之助)
勝野 洋 (近藤 勇)
橋爪 淳 (土方歳三)
林 隆三 (松平春嶽)
岸田 今日子 (松島)
大原 麗子 (れん(語り))
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制作統括:高橋 幸作
演出:富沢 正幸
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